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湧き出して流れるもの。掬い上げて

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日々のひとりごと
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会いたかった人に会ったあとの
まだ足りない感が今回はすごい。
渇いて、渇いて
会う前の方が良かったと思うほどに。

青い車の扉が開いたとき
しまっていた記憶の扉が開いて
今日雨が降っていてよかったと
心から思った。
動揺した声を
気づかれにくくなるから。

あの日撮ってもらった
自分の笑顔のポストカードと
初めて君がうちに泊まった翌朝の
手紙を捨てられなくて
君との印象的な思い出は
いつも、早朝か深夜

初めて2人で出かけた時の服装をまだ覚えてるんだ。
きみが褒めてくれたから。
6月の暑い夜が昨日のことのようで
あの焼き鳥屋はまだ同じ場所にある。
その後もいくつか恋をして
いまは遠い街で暮らしているけど
きみのことだけは今も
今も
触れられない特別さで心の中に

紫陽花の咲く朝におくる言葉探し
制服のきみと肩越しの空

ここを出て行く決心が
ゆらゆらと
37度の湯に溶けていく