君の浸り...

傘を差しても差さなくてもいいような雨の中

明るくなり始めた空を見上げると

薄い太陽に見られていた

重ねた君の笑顔


何をしているのかな

今の太陽を見て俺を思い出してくれたらいいな

君の瞳に俺が映る日は来るのかな

見つめ合って小指を絡めた約束は出来るのかな


後ろから一押しの大きなクラクション


そうなんだ君とはもう会えなくなったんだ

「思い出にしないとな」

自分に言い聞かせないといつまでも君の残像を追いかけてしまう

緩くなりかけた膝を僅かな気力だけで持ち上げる


君しかダメなんだ

君じゃないとダメなんだ

君がいいんだ


残像が消えない

気持ちがなくならない

「ない」を「無い」にしたくても

君の浸りから出られない


君の浸りから出たくない気持ちが「無く」も「ない」のかな

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