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[M]が終わる日

 プリンセスプリンセスの名曲のことではない。思い起こせば私は、人間としての中身は別にして子供時代から中年に至るまで、あらゆることが『普通』だったように思う。自分でいうのもなんだが頭の程度、顔のつくりやモテ度、美容師となってからは器用さ、などなど。もちろんその『普通』という価値は体のつくりにも反映された。身長や体重が『普通』だったせいで、サイズのあるアイテムを買い求める時にはまず間違いなく[M]サイズだった。若い時分(今また復古しているが)、ブカブカやいかり肩が流行った時にはあえて[L]や[XL]を求めたりもしたが、その中身はいたって普通の大きさだったのである。

 ちなみに体格が大きい人用のサイズに 3Lや5Lというレベルがあるように、私は『普通』にも程度があると思っている。

●M  まぁ普通 ➡︎国内で2人に1人程度
●2M 大分普通 ➡︎ 〃 10人に1人程度
●3M かなり普通 ➡︎ 〃 100人に1人程度
●4M 珍しいほど普通  
    ➡︎ 〃 近隣では見つけられない程度
●5M 特番で取り上げられるほど普通  
    ➡︎ 〃 都道府県に数名程度
●6M 標本として保存するほど普通
    ➡︎ 〃 同じ時代にはほぼ存在しない程度

 そんなに珍しけりゃもはや『普通』ではないではないか、と叱られそうだが・・・おフザケはさておき国内においてはかなりのレベルで普通の体格(大きな学校で数名いるくらい)である私は[3M]くらいが適当だったのではないかと振り返る。幼い頃より、自分は『どこに出しても恥ずかしくないほど普通だ』と思っていたのだ(やっぱりフザけてるが)。そう。そう思っていたのだが、最近は・・・。

 5,6年前くらいからだろうか、洋服を試着する際に、[M]では少々キツいと感じることを時折経験するようになったのだ。私の中で連綿と引き継がれてきた『普通』の牙城が崩れ始めたでのである。ズボンはウエストが76~79cmあたりが[M]の範囲だと思うが、そのサイズのズボンがなぜかキツい。今や以前購入したズボンを履こうとしても、ウエストの上部にはあろうことか腹の肉がポコンとかわいく乗ってくるようになってしまっている。

 別に食う量が増えたわけでもない(むしろ減ってる)。運動不足は20歳頃から変わるものではない。となれば代謝が落ちた訳だ。要するに老化なのである。そういえば最近はちょっと動いただけでゼェハァすることが増えたし、それに伴って体が硬くなり一本足で靴下を履くのにつま先が遠い。こうなると体型を維持し、これ以上太らないように、また健康を考えるなら、やることは2つだ。
 1⃣食う量を減らす、また食う物や食い方を考える
 2⃣体を動かす
この2つしかない。通販番組には『そんなあなたに!!!』のような怠け者にも即効性があると謳う商品が目白押しだが、苦労せず短時間で目に見える効果など出る訳がない。今私の目標は[M]どころか[L]の前に2や3が付かないようにすることになった。しかしご存じの向きも多かろうが、これがなかなか苦しい戦いなのである。

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