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春の足踏み

暦の上では「春」を迎えました。まだまだ寒い日はあるけれど、日向の暖かさや日の長さに、季節が進んでいるのを感じます。
歩みを止めない時間のなかで、私は少しだけ足踏みをしていました。

「明日は我が身」と思いながら医療従事者として勤務していたある日。
とうとう自宅待機することになりました。
家族が発熱してしまったのです。

近隣の医療機関で検査を受けた結果、発熱した本人は陽性判定。
私は濃厚接触者となり、外出自粛期間がスタートしました。

最終的に、私の外出自粛期間は5日。
家族の発熱から要請が確定するまでに3日。濃厚接触者の外出自粛が解除されるのに8日。
私は医療従事者なので最短5日に該当するものの、それは私自身も感染せずにいられたら、の話。
思ったより長期戦になる可能性もありましたが、症状もなく検査も陰性。最短の5日間で済んだのです。

予定のない日々

自宅待機の最中、ふと思い出したことがあります。ただ過ぎていく時間に身をまかせることしかできなかった、数年前を。

新卒で就職した職場をドロップアウト。連日涙を流すことしかできず、再就職と引きこもりを繰り返していました。私には何が出来るのか、どうしてみんな出来ることが私には出来ないのか…と悶々とした2年間。

明日仕事がない。外出する用事もない。家で時間が過ぎるのを待つだけ。

理由は違えど、似たような状況に何か疼くものがあったのでしょう。でも、あの時みたいに悶々とはしていません。むしろ少し誇らしく思えました。

つらい数年があったけど、それからもまた時間が経った。あの時、すがる思いで就いた職場で、今もがんばれている。同じ場所で、いきいきと、つらかった数年よりも長い期間、私はここで働けている。

新型感染症の対応に追われ、あっという間に1年が過ぎていくので忘れていたけれど、これは私にとっての成功体験。そんなふうに気づけたのは、この自宅待機があったからだと思います。
(詳細はちゃんしーのサンシーブルな人生でいつか書きます)

休息の大切さ

濃厚接触者にはなったものの、外出自粛の5日間私はいたって健康でした。

なにか症状が出るわけでもなく、むしろ元気になっていったような気がしています。肌荒れはぐんぐん治り、髪の指通りさえ違う。(細かいことに時間を割けたので)

感染者が増えるほど仕事量が増えるので、毎日あっという間に1日が過ぎていき、すぐ明日が来てしまう。感染対策をしながらの患者対応はかなり気を張るので、普段の何倍もの疲労を感じます。

いわゆる戦闘モードに入ってしまったので、疲れていても眠りが浅く、疲れが抜けなくなっていたんですね。メンタル的にも余裕がなくなってきて、イライラする時間が増えていたように思います。

そんな切羽詰まった日々からの解放。もちろん、私以外のスタッフは変わらない毎日を送っていますし、むしろスタッフの欠員でさらにカツカツ。手を離して喜べる状況ではありません。

実際、家族の発熱から陽性判明までは落ち着かず、休んだ気はしませんでした。でも、スタッフのみなさんが理解してくれて、協力してくれて、私の復帰を待ってくれている。それだけで、私はまた職場へ戻るべく「免疫力あげとこ!」と、家でできる自分がやりたいことにのめり込んでいけたのです。


自宅待機でやっていたこと

突如として舞い降りた外出自粛期間。数日ではあるけれど「やることないな。数年前、あれだけ家に引きこもっていた時期、何して時間をつぶしていたんだろう?」と思ったけれど、どこにも記録が残っていなくて困ったので、何年後の自分のためにも(笑)

実は、やることがないはずはないんです。数週間後には国家試験が控えているので、絶好の勉強時間!ステイホームが推奨された頃から、マイペースに勉強を始めました。ゴールデンウィークもお盆も年末年始も、けっこう真面目に机に向かってきました。

しかし直近の第6波によって、休日に勉強する余力がなく、続いていた集中力がプツンと切れてしまったようです。0ではないけどあまり机には向かえませんでした…。(完全に自分への言い訳だけど)

じゃあ何をしていたかというと、カフェBGMをかけながら、コーヒーとデザートを用意して読書。これは自宅待機になる前からやっているけれど、やっぱり「やりたい」と思うことをやると、気持ちも前向きになります。

特に、職場に迷惑かけてるなとか、試験直前に勉強できない自分は弱い!みたいに考え始めた時、本の世界に入り込むようにしました。メンタルから落ち込むと、気持ちで負けて感染しちゃいそう…と思ったりもしたので、あまり自分を責めない方向に持っていくために、読書で置き換えました。

それからSwitch。桃鉄99年とかやってました。何年かに分けて、1兆円かせぐ!とかヒーロー全員加勢してもらう!とか、マイルールを決めながらやりました。時間を忘れるので良いけれど、首とか肩とか目とかじわじわ来ます。でも、こういう時しか出来ないことでもあるから結構楽しんでやってたなあと思います。

それから、毎日同じくらいの時間帯に寝て起きることは続けていました。予定がないとはいえ、復帰する日はすぐなので、あまり生活リズムを崩したくありませんでした。

仕事をしていた日は23時にはベッドに入っていたので、遅くても24時には寝ていました。朝は初日こそお昼近くまで寝ていましたが、だいたい8時~9時。遅くても10時には起きていました。
普段と大きく変えないことで、復帰の時のハードルが高くならないように意識していました。

日常的に

この記事は、外出自粛期間の解除目前に書いています。まもなく復帰しますよ、という段階です。今回の自宅待機期間で一番の収穫は、しっかり休めたことだと思っています。おかげで髪も肌もツヤツヤになったし!     自分が感染して苦しんだ訳でもないので、ただ本当に「自宅で待機する時間」ができたので心身ともに健康に過ごせたなと思っています。

仕事に追われてイライラしていた自分はどこかへ消え去り、とても穏やかな気持ちで過ごせています。きっと今の自分に必要なことだった。そう思うようになりました。(本当は勉強時間にあてろ!て思し召だったかもしれないけど笑)

私は気質もあって、家で静かに好きなことをするのが得意な方です。だから、家から出ないでジッとしてください、と言われる方が自分を保てるので、こういう時間がもっと日常的に欲しいなと思ったりもしました。5日とかは無理でも、休みの日とか大型連休が取れる時は、積極的におうち時間を過ごしたい。

まもなく、自宅待機から復帰します。体力が落ちていそうで心配ですが、職場のみなさんの理解・協力があったからこそ5日間ゆっくりお休みさせてもらいました。その分しっかり働いて、また休日のありがたさを感じられたらいいな。

引き続き、感染対策を!!(戒め)


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