映画の感想・雑記

色々とわけあって、長年ヘビーユーザーとして使っていたFilmarksから現在遠ざかっている。。しかしレビュー欲はある!ということで、観賞後の感想ツイをここにも載せちゃおと思ってひさびさ更新

なんだかレビューはレビューで、やはり別物としてアップしたいという感じが。noteにあげておこう〜


◎「パラサイト」2019 / ポン・ジュノ監督

観賞後すぐは疲労感に襲われ思考停止。一日一日と日が経つにつれこの映画について考えてしまい、良さをじわじわと体感する。観客の思考にまでパラサイトしてくる映画だった! (タイトルのセンスもすごいよな...)

人格とは、自分の意思に反して形成されるもので。置かれた環境によって決定付けられる、運命の残酷さに絶望した。

「努力は決して裏切らない」とか、そんな次元の話は通用しない現実の世界の話。なんというか、この不可抗力....

正反対の世界に住み、お互い交わることがないはずの二つの一家が雇用関係というかたちで結ばれることとなったのも、この社会が生んだ歪さが原因なんだと。

だから、自分自身には無縁の存在だと認識している人達の行いも、実は互いの人生に影響し合ってしまってる。というのは結局、全ての人間はひとつの世界でつながっているのだとも言えるんだろう。

この映画はネタバレNGだと思うので濁そうとする努力をするが、、
全然違う一家が図らずも一堂に介したあのシーンは、自分達はひとつの社会の中で過ごしているんだと思わされるものがあった。決して、一生交わらない、無関係な世界の人間では無かったんだと。
皮肉にも、私たちは切り離すことのできない同じ世界にいること、まざまざと見せつけられた。

だからこそ、世の中には"自分にとって関係ないから"と遮断できる問題なんて無いのだとも思った。何もかも、他人事じゃないのかも。だから、知りたくないようなことも知る必要があるように思う。
(この映画とは少しズレるが、シンドい映画を観るとこの感想になる。なんでわざわざシンドくなるような映画みちゃったんだろう、知らなくても、いや、知らないほうが楽に生きられるのに。と思った末、毎回この結論に至る。)

作品自体にはテンポ感もあって娯楽性が高い印象を受けた。が、そのポップさ(重厚感も兼ね備えてる)とは裏腹に、救いがどこにもない映画だった。。

あのシーンのソンガンホの絵力、今もまだ心を引っ掻いてくる。自尊心を傷付ける・傷付けられることの恐ろしさ。
自尊感情なんて、赤の他人の態度や一言で簡単に脅かされてしまう脆さがあるのだということ。誰しもが理解しておく必要がある...。(自戒も込めて)

救いがどこにも無い映画だと言ったが、一緒に観に行った友人の「キム家族は当初自分たちの生活を悲嘆せず家族仲良くやっていた」というような感想を聞いて、すこしの救いを見つけた気がした。

あの後も、それでもギウは生きていくしかないんだ。ギウの人生もこの先何十年と続くのか。。それでも、家族のかたい絆が消えることはないキム一家には、他の家庭にも勝る強さがあるように思えた。強さというか、それって幸せだな、と思った。

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以上!

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