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■<将来責任者になるあなたに贈る>「給与明細」から見えてくる「権利と義務」

新社会人になって一番最初に疑問に思うことの一つに「給与明細」に記載されている「額面(総支給額)」と「手取り(差引支給額)」の差だと思います。

雇用条件を確認するときに、最初に目が行くのは、やはりどのくらいの給料なのか?ということではないでしょうか。

以前、ネットで見たのですが、雇用条件にあった給料の額面(総支給額)を手取り(差引支給額)と勘違いした新入社員が大きな買い物をした後、給与明細の手取り(差引支給額)の金額を見て「お金が足りない!」「支払いができない!」と大慌てで親に助けを求めたという記事を見ました。
 ※雇用条件の額面(総支給額)がすべて支給されると勘違いして、額面 
 (総支給額)と同じ金額の買い物をしてしまった…という話。
新社会人にありがちな話かもしれませんね…

ただ、私たちも給与明細を見る度に、「額面(総支給額)がそのまま支給されたら良いのにな…」って思ってしまいますよね。
あらためて考えてみると、給与から天引きされている金額って、けっこう大きな金額ですよね。
どうしてそんなに大きな金額が天引きされているのでしょうか?


★会社員の給与・・・額面と手取り

■給与明細から見た「額面」と「手取り」の違い

一般的な会社員の給与明細を見ると手取り(差引支給額)は、次のようになります。

額面(総支給額)会社から支払われる金額の合計です。
 ➡基本給+通勤手当(交通費)、時間外手当(残業手当)など各種手当

控除給与から天引きされる税金や各種保険料の合計です。
 ➡税金(所得税、住民税など)、各種保険(健康保険料、厚生年金保険、
  雇用保険など)

手取り(差引支給額)実際に受け取る金額です。
 ➡額面(総支給額)から所得税、住民税、社会保険料などを天引きした
  金額です。

★何が給与から控除されているのか?

■「手取り」は、「額面」からどれくらい減るのか?

実際に給与から天引きされる税金や各種保険料の合計は、額面(総支給額)に対しどの程度の割合を占めるのでしょうか?
一般的に言われているのは、手取り(差引支給額)は、額面(総支給額)の75%~85%くらいになると言われています。
 ※「控除」される金額は、、扶養家族の有無などにより変わるため、
  「手取り」は10%くらい異なってきます。
大きな金額が給与天引きされているのですね。

ただ、控除されている各種保険料ですが、たちだけが負担しているのではないという事実があるのです。
会社の方も大きな金額を負担してくれている!ということを認識しなければいけません。
 ➡例えば、社会保険料は、会社と社員が分割して負担
      厚生年金保険は、会社と社員が半分ずつ負担
      40歳~64歳の方に限られますが、介護保険料は、会社と社員が
      半分ずつ負担
このように給与明細を見ただけでは分かりませんが、会社の方でも私たちの各種保険料を負担してくれているのです。
まず、こういう事実があることだけでも認識しておきましょう。

★権利と義務 ※会社が大きな負担を負っていることを認識する!

■「手取り」を試算してみる

上記でも書きましたが、一般的に「手取り」は、「額面」のおよそ75%~85%くらいになると言われています。
こう言われても具体的な数字で表さないと実感がわきませんよね。

例えば、「額面」24万円の場合
 ➡「手取り」は、24万円×0.75~0.85=18万円~20万4千円となります。
いくつか試算してみましょう。

この「手取り」金額は、給与明細をもらって初めて見る数字になります。
新社会人の多くは、こんなに多くの金額が「控除」されるという認識を持たないまま、給与明細を見ることになるのです。

給与から大きな金額が「控除」されている!と嘆くだけではなく、ベテランと呼ばれる社員も含め私たちは、次のことを認識しなければなりません。
私たちの給与から天引きされている各種保険料は、私たちのために欠かせないものなのです。
給与明細には、私たちが負担している各種保険の金額しか記載されていませんが、同時に会社も私たちのため大きな金額を負担していることを認識しなければいけません。

よく「こんなに頑張っているのに給料が少ない」「もっと給与を上げて欲しい」と話している人を見かけます。
 ※個人的な感想ですが、比較的に社会人経験の浅い人が話しているのを
  見かけます。
この言葉を聞くと、昔よく先輩に言われた言葉を思い出します。
当時は、その先輩によく「こんなに頑張っているんだから、もっと給料を上げてもらいたい」と愚痴っていました。
ただ、先輩からは、「お前知っているか?(各種保険料の会社負担や賞与や退職金の積み立てなどを考えると)社員にかかる経費は、給料の1.5~2倍らしいぞ。給料が低い、上げて欲しいと言っているけど、お前は、自分の給料と経費をまかなえるだけ会社に貢献しているのか?」と…
私は、何も言えませんでした・・・
今思えば、自分の要望ばかり話していたな・・・と思います。

■視点を変え「客観的に物事を見る」力を養う!

私たちは、自分を中心にした視点物事を考えがちです。
また、それが普通なのですが・・・
だから、会社に入って間もないのに多くの人は、「頑張っているのに給料が少ない」「もっと給料を上げて欲しい」という言葉を口にします。

一般的に入社して一人前(利益などで会社に貢献できるようになる)になるのは、社会人へのアンケートによると入社して3年以上かかるという回答が一番多いのです。
少なくとも入社後3年まで、会社は私たちに投資をしてくれているのです。
正直、その間は、会社は大切な資金を私たちのために持ち出してくれているのです。
前記にも書きましたが、私たちの健康や将来のための各種保険に関しても会社が大きな金額を負担してくれています。
会社に対して卑下する必要はありませんが、事実、そのように私たちに投資してくれている状況も認識する必要があると思います。

私たちは、社会人です。
仕事をすることにより、対価を給料という形でいただいています。
活動に見合った対価をいただくために、自分で考え自分で判断し、判断に迷ったら上司、同僚に相談し、自らが能動的に動かなければいけません。
仕事をするということはそういうことです。
それを実現するため大切なのは、私たち自身が「自立と自律」を実践することだと思います。
 ※自立と自律については別投稿で説明しています。
   ■これができたら、今すぐ「課長」だ!|丸ちゃん (note.com)

求めること、希望することも大切ですが、まずは、自分からの視点だけではなく、他の視点(自部署、会社、上司、同僚、家族など)から「客観的に物事を見る」力を養いましょう
様々な視点から物事を見る癖がつくようになると「ギブアンドテイク」の考え方が身についてきます。
求めるだけではなく、相手が求めていること実現するために行動する。
自分最適だけではなく、全体最適の考え方です。

先ほどから話をしている、給料に対する考え方も同様だと思います。
「私は、頑張っている、貢献しているからもっと多くの給料が欲しい」という気持ちと共に、「給与明細に表れない部分も含めて、会社は、私に多くの投資をしてくれている、その給料に見合う義務を果たせているのだろうか?」という視点を持つことも大切だと思います。

物事を俯瞰的に見る癖がつき、全体最適の考え方が普通にできるようになると、結果的に自分自身の能力を高め、自分の価値が高まって行きます
当然この考え方は、私たちが将来、責任者や経営者になる時に必ず役立ちます
責任者、経営者には、逆に社員の視点が必要となります。
人を客観的に見ることができる力も付くはずです。

今回のお話は、主に上司や責任者の視点に基づく考え方になりますが、
私が新入社員のときに、このような考え方、物事の見方ができていたら、
もっと自分を成長させることができたと、特に最近痛感しているので、
将来、責任者の立場になる皆さんに役立つことができればと思い書かせて
いただきました。
強制ではありませんが、是非とも参考にして頂ければと思います。

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