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【下請専門】量産型フリーランスの未来を予想する

私の会社には毎日数えきれないほどの営業メールが届く。
特に最近はフリーランスからの営業メールが多い。
2020年頃~2023年現在において、フリーランスが量産されている。
これが量産型ザクなら、ガンダムもさぞかしビックリするだろう。
今回は、そんな量産型フリーランスについて書き綴っていく。


フリーランスを量産している輩がいる

「〇〇するだけで月収100万円」
「3か月で〇〇をマスターして年収1000万円」

こういった謳い文句に簡単にノックアウトされる人と言うのは一定数いる。
そして、そういった陳腐な情報商材の流行がフリーランスを勧めている。
だから、税務署へ開業届も出していないようなフリーランスが量産される。

例えば、2020年頃からは「プログラミングを3か月で取得してフリーランスになる」という目的の教育サービスが流行った。
3か月で数十万円以上の費用を払って学習を進める志は素晴らしい。
しかし、3か月でどうやってプロフェッショナルになるのか?
新入社員の実技研修レベルでしかない。

2023年現在においては「2日でYouTube動画の編集マスターしてフリーランスになる」というような謡いの教育サービスまである。
2日でマスターしたものにそれほど価値が付くだろうか?
その先、生計を立てるレベルの売上を上げられるだろうか?

もちろん、一部の優秀な人は、そういったサービスを踏み台にして、その先へ進んでいくだろう。
むしろ、優秀な人にとって、きっかけは何でも良い。
何をやっても優秀な人はそれなり上手くいってしまう。
しかし、優秀でもなく、適性もないままフリーランスになった人の未来はどうなってしまうのだろうか?

量産型フリーランスは新しい仕事を生み出さない

量産型フリーランスの特徴は以下の通り。

1.営業メールが誰かから授かったテンプレート文
2.営業メールは間違いなく同じ内容の一斉送信
3.屋号がない(ただ個人名)
4.なぜか自己紹介を生い立ちから記載する
5.非常に細かい保有スキルを列挙する
6.非常に小さい単位の作業を請け負いたがる

私には、このような営業メールが「バイトや入社の面接を希望」しているようにしか思えない。
そして、自分自身で案件を丸ごと請け負って仕事をしようとする気概が感じられない。
そんな人が「自分で自分の仕事を生む出す」ような気がしない。

量産型フリーランスは派遣社員の次に使う

一般的に外部に仕事をお願いする側の優先順序は以下の通り。

1.優秀な企業、もしくは優秀なフリーランス
2.派遣社員
3.量産型フリーランス

仕事を発注する側というのは、外注先をしっかりと評価して管理している。
基本的には、クオリティ、価格が安定していることが分かっている外注先に仕事を依頼する。
それでも間に合わない時には、仕事内容に見合った派遣社員を検討する。

それでは、量産型フリーランスに舞い降りる仕事はどのようなものなのだろうか?

1.普段の外注先だけではリソースが足らない
2.急な依頼で納期も短い
3.重要度が低い
4.低予算

上記4つを満たしていなければ、わざわざ勇気を出して量産型フリーランスと新規で取引をする必要はない。

なお、優秀なフリーランスを発掘するためには、時間と金を掛ける必要がある。
自社内にその余裕がないタイミングで新しい外注先を開拓するリスクは負わない。

量産型フリーランスは年収を調整される

非常に細かい作業単位で仕事を請け負う人は、利益を調整されてしまう。
なぜなら、元請はその作業に掛かる手間を完全に把握しているからだ。
元請は、信頼している人とそうでない人で発注価格を分ける。

信頼される人というのは、元請にとって手の届かない点までフォローしてくれる人であったり、煩わしい点を取り除いてくれる人だ。
単純に納品物のクオリティだけの話ではない。
3話せば10理解して動いてくれたりする。
こういったことが付加価値として働き、信頼されている。

一方、信頼されていない人は、作業量と価格のみで検討される。
元請側が良しとした見積価格を出さなければ、受注はできない。
つまり、元請側に利益と年収をコントロールされてしまうということだ。

量産型フリーランスの未来を決めるもの

量産型フリーランスが素晴らしい未来を獲得するにはどうしたら良いのだろうか?
私は、以下の2つしか思い浮かばない。

1.元請から厚い信頼を得る
2.自分自身で仕事(案件)を生み出す

元請から厚い信頼を得て未来を切り開くならば、量産型は卒業しなければならない。
量産型に高い利益をもたらしてくれる元請はいない。

自分自身で案件を獲得するためにも量産型は卒業しなければならない。
量産型の企画、提案、見積を許してくれる企業など、仮に居たとしてすぐ倒産して単発で終わるだろう。

結論、量産型のままでは素晴らしい未来は期待できない。
テンプレートなどという恥ずかしいものは絶対に利用しないという気概を持つべきだ。


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