見出し画像

【フェルミ推定】もできない経営者の店舗は開業後1年以内に潰れる

店舗商売は難しい。
個人的には、toC、つまり個人相手の商売は難しいと思っている。
だから、新しく登場しても松茸のようにアッという間に刈られて消えていく。
今回は、個人相手の店舗商売について書き綴っていく。


個人相手の商売はなぜ難しいのか?

個人相手に商品を売るのは難しい。
例えば、会社としての買い物であれば100万円の交渉を即決することもあるだろう。
しかし、個人の買い物で100万円となったらどうだろうか?

売上の規模も変わってくる。
個人相手の商売は、個人の金銭感覚の中で売上を上げなければならない。
その中から、事業所の利益、設備投資費、教育費など、あらゆる数値を上げなければならない。
あなたが個人として買い物する時、相手に利益や設備投資費や教育費を振る舞う気になれるだろうか?

個人相手の商売だと、どうしても個人相手の価格となってしまう。
そして、販売する側も個人の金銭感覚でビジネスをするようになってしまう。
付加価値をつけて高く売るよりも値引き、増量、追加サービスなど、自身の負担のみを高くする戦略に走り勝ちだ。

なぜ個人相手の店舗商売を選んでしまうのか?

個人相手の店舗商売は、新しく登場する数が多い。
しかし、すぐに消えていく可能性も高い。
それなのに、なぜ個人相手の店舗商売を選ぶのか?

まず、夢を見るからだろう。
一国一城の主になって自分の国をつくるような感覚だ。
かく言う私も個人相手の店舗商売を経営しているのだが、新しく店舗を立ち上げるのは本当に楽しい。
特に、実働無しで一国一城の絵だけを描いている時期が一番楽しい。
店舗が建設され始めた時が夢のピークで、建設が終わって営業がはじまると一気に夢は覚める。
しかし、未経験者はそれをまだ知らない。

店舗商売は、参入障壁が低いことも大きな原因だ。
特殊な能力やスキルが必要ない業種も多い。
一番の障壁は資金だろう。
事前に貯めるやら国庫や銀行から借りるやらで資金させ得てしまえば、参入は容易だ。

最近では「夢を見させてくる人」もたくさんいる。
失敗した先輩が残した居抜き物件。
多くの先輩たちを失敗に導いたコンサルタント。
売上にならないフォロワーをたくさん纏った先輩経営者。
こういうものに魅かれて夢を見てしまう。

脆弱な店舗経営者に足りないもの

例えば、カレー屋をはじめようと考えたとする。
あなたは、年間何回カレーを食べる習慣があるだろうか?
世間一般では、年間何回カレーを食べるか調べたことがあるか?
店を構えようと考えている街の人口は何人か?
商圏を店舗から半径何kmだと考えているか?
そこから、集客できる見込み数はどのくらいだろうか?
その見込み数で利益は出るだろうか?
店舗の席数や駐車場の数は見込み数に対応した数になっているだろうか?

こういったことを考えるのが「フェルミ推定」だ。
開業後1年で閉じる店の経営者の多くは、こういったことを全く考えていない。
もしくは、自分の頭の中だけで描いた脆弱なイメージだ。
すぐに調べられることを調べようとしない。
そして、自分に有利になるように美化された計画となる。

開業後3年以内に店を閉じるケースまで含めると、そんな店の経営者は「ペルソナ設定」ができていないことが多い。

どんな年齢層に商品を売るのか?
性別はどちら向けか?
見込み客の年収層は?
どんな性格の人が商品を買ってくれるのか?
買ってくれる人の年収層はどのくらいか?

こういったことを考えるのがペルソナ設定だ。
そして、狙った客の心に商品が刺さるように店舗、商品、価格、接客方針などを決めていくことが重要となる。

なお、「フェルミ推定」「ペルソナ設定」など、単語を知っている必要は全くない。
それらの単語を知らずにやっている経営者も多い。
重要なのは考え方と鍛え抜かれたセンスだ。

優秀な店舗経営者がやっていること

正直これは店舗商売に限らない。
重要なのは「PDCA」だ。
これもまた覚える必要はない単語なので詳細は割愛する。

簡単に説明すると「考え無し、反省無し、改善無し」ではダメだということだ。
毎日の営業から反省をする。
そして、その反省点を改善することを考える。
これを繰り返すだけだ。
こんなに簡単なことなのに、これができていない店舗や会社は多い。

小さなことをコツコツと改善していく。
逆に良い評価をもらった部分は、より良く伸ばす努力をする。
これを日々繰り返すことで強い店舗をつくっていく。
優秀は一日にしてならず、ということだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?