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歳が上なだけの先輩

最近、忙しい。
特に、夜。
宴席が続いている。
そんな中で久しぶりに「歳が上なだけの先輩」と遭遇してしまった。
疲れから来る若干のストレス、生来の性悪、そして何よりも微塵の寛容さもない未熟者の私は先輩に意地悪をしてしまった。
今回は、この辺りのことについて書き綴っていく。

私の中の先輩の定義

仕事のことしか考えていない若い頃は、先輩の評価基準は「仕事の成績」に大きく寄っていたと思う。
30代半ばくらいからは「何かしら興味を惹かれることがある」というのが評価基準になった。
仕事もしかり、プライベートもしかり、何やら良く分からない点もしかり。

生活に全く関わらない人は、歳に関係なく、先輩とも思わない。
嫌いな人も先輩とは思わない。
つまり、「歳が上なだけの先輩」というのは「接点はあるが特別に興味はない人」ということになる。

あと、今回の先輩は、その中でも「少し面倒」な部類に入る人だ。
「後輩の上に自分を置く」ことで、自分を持ち上げようとする。
あと、話が長い。
宴席に遭遇した時は、若い人5名が餌食になっていた。

そんな状況下での「歳が上なだけの先輩」の話だと認識して欲しい。
おそらく、経営者なら一人は周りにいるタイプの先輩だろう。

私がした意地悪

その先輩は、建築会社を経営している。
その関係業者と思われる30代前後の若い人たちを連れてラウンジで遭遇した。
良くあるボックス席の光景だ。

私はそこへたまたま遭遇した。
目が合ってしまったので、しぶしぶ挨拶だけと近寄った。
(目が合わなくても、挨拶だけはすると思うが)

問題は、私を捕まえての昔話が始まったこと。
若い人たちは、頑張って相槌をしているが、本心とは思えない。
そういうことは、少し観察すればすぐ分かるものだ。

そんな時、私は「全力で話に幕を下ろす」ことを考える。
その話が続く限り、私も同伴者を待たせてしまうからだ。
そのついでに、少しばかり意地悪をした。

――― まずは若い人たちに右目でウインク

先輩にはバレないように。
これは、合図だ。
ここから、私の意地悪が始まる。

「昔は本当に大変でしたよね」
と先輩を煽る。

「週8で吞んでましたよね」
とさらに煽る。

「今でこそ、この店で ”6人分の支払い” くらいは何ともないですけど、金のない頃は本当に苦しかったですね」
と本命の釘を刺す。

――― もう一度、若い人たちにウインクを送る

若い人たちは、少しだけ笑みを浮かべる。
きっと、意味は伝わった。

残念ながら、私たちの方が先に店を出たので「意地悪の結果」は確認していない。
間違っても「割り勘」などしていないことを祈る。

意地悪の意外な効果

意地悪は良くない。
全ては私の未熟さから来る幼稚な行動だ。
しかし、少しだけ良いこともある。

こういった対応をすると、その宴席に居た人から
「以前〇〇でお会いしましたよね」
と声を掛けてくれることが多い。

先輩には申し訳ないが、今回の件もおそらくそうなる。
そして、私は「意地悪の結果」を確認するだろう。
きっと、その話で盛り上がる。

先輩に、感謝。


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