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驚いたこと。

文化の違いとかを比較する、その手の動画が好きでよく見るのだけれど、こないだ驚いたことがあった。

それは、アメリカの母親とフランスの母親の自分の子供に対するリアクションの違いを比較してくれている動画だった。
その人の動画が好きなのだけれど、細かいディテールまで凝ってくれてる。例えば、着てるものや飲み物や。

アメリカの母親はグリーンスムージーを飲み、パソコンを開いていた。フランスバージョンでは、ワインを飲みながら母親は本を読んでみた。

コメント欄を読むのも好き。海外の人のリアクションが気になるし、英語の勉強にもなるからよく読む。

その中に、「フランスではワインを飲みフィジカルブックを読んでいるのがいいね!」といったコメントがあった。

Physical book。物理的な、本。

どういう意味かと思って調べたら、電子書籍などの登場により、紙の、本のことを「physical book」というのだとそうだ。

驚いた。物理的な、本、という言い方。

手にとれる、触れるという点でphysical、という言葉が使われているのだろうか。
私にとっては完全に新語だった。

納得できる部分もある。
電車の中で本、、つまり、フィジカル・ブック?を、読んでいる人は少なくなったと感じている。
でもスマホで漫画や電子書籍を読んでいる人達はいるだろう。

しかし、本は紙であるところも含めて私は好きなのだ。というか、電子書籍のことは勿論知っていたし購入したこともあるけど、やはり本は、本屋か図書館に行って読むものだと思っていた。

あまりに思い入れのある本は、背表紙のタイトルをしげしげ眺め、著者の名前を見て感慨に浸り、その背表紙を外して、中の文庫だったらクリーム色で装丁された本のタイトルを眺め、その厚さを見てこの物語であったりエッセイであったりが、原稿用紙なりに紡ぎ出され、こうやって私の手元に本となって在ることに、しみじみ感動したり、感謝したりした。

それに、紙の匂い。本屋は何だか落ち着く。静かな芸術や知識が、そっと、沢山佇んでいる。

それを物理的な本、というようになったのだなと驚く。区別をしてだろうけど、何だか不思議な感覚は消えない。

でも確かに、触れる、匂いや佇まいがある。お気に入りならばそのうちにボロボロになっても、読む。
そういう本に対する新語が生まれたのは、不思議な気もするけど喜ばしいことなのかもしれない。

この後は本屋に寄る予定だ。

静かに待ってくれてる彼らのもとに行こう。紙の匂いを吸ってみようかな。


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