外資系に移って前職JTCと比較した感想②

タイトルが①に比べ簡略化されています。(きっと③になるともっと省略が入るかと)

はい、そんなこんなで転職してフレッシュなうちに過去の記憶を遡りながら記録していきます。あ、JTCというのは典型的日系企業という意味です。

外資系はハラスメント研修が手厚い
ハラスメントだけじゃなく研修全般がeLearning化されて手厚いのだけど、業界の詳しい事情や社内規定については業界違いのJTCと比べてもしょうがないのでやっぱりどの会社にも通ずるものといえばコンプライアンスとかハラスメントとかのあれです。

まず思ったのは、外資はホットラインが機能していそうに見えること。匿名報告OKだし、第三者機関が受け手になっているので、聞かれたら困るセコイ話や法に触れるようなことが社員の誰かの耳に入れば即刻ホットラインに通告されて処分されるでしょう。驚くなかれJTC時代のホットラインは、受け手は社内の人間でした。人事部です。内部に密告しても握りつぶされるだけでしょう。。。しかも、匿名の報告は許されていませんでした。そんなホットラインだったので社員はほぼ誰も使っていませんでした。やっぱり外に出て気づく、JTCの変なところ。だけど、まだ外資のホットライン使ってないのでとりあえず機能しそうに見えると言っておきます。

セクハラは問答無用で全懲罰だが、パワハラの取り扱いは慎重
比べてみてすぐわかるくらい、セクハラについてのガイドラインとパワハラのガイドラインの量が違います。私のいる外資では圧倒的にパワハラについての定義や条件、例外などを説明する部分が多くありました。セクハラに関しては「受け手が嫌と感じたら100%セクハラです。他言無用」感があれど、パワハラは「上司はそんなつもりで言ったんじゃない可能性がありますよ」と諭す方向性のケーススタディが多々。
これはもしかしたら社内からも意見がたくさん出て、深く規定するほかなかったのかなとすら思います。ちなみにグローバルの研修材料でなく、あきらかに日本支店の人事部がつくっていました。作成時に色んな部門マネジャーから意見を吸い上げる際、セクハラについては触れないでおきたい(墓穴掘りたくない)という意識からパワハラの方ばかり議論が膨らんだ可能性もあります。とりあえずは、これはパワハラだけどこれくらいはパワハラじゃない、の線引きをするための基準を徹底的に叩き込まれたようなeLearningでした。

それに比べるとセクハラやファミリーハラスメント(マタハラやパタハラや介護系)は見て明らかに問題となるような事象を100%ハラスメントですね!と定義する(超絶シンプル)ような研修内容でした。ちなみにJTCにいたときは真逆で、セクハラとファミリーハラスメントに関して非常に慎重で、パワハラはサラっとしか扱っていませんでした。セクハラは、サンプル事例でも女性社員が「これはハラスメントじゃなくて私の考え過ぎだったかもしれない・・」とただす場面が往々に出てきていましたよ。さすがこれは痴漢冤罪と同じように女性に自責と寛容さと求めるザ・ジャパン文化ですね。JTCのパワハラに関する研修は記憶がありません。私の記憶力が弱いせいでしょう、はい。

そういうJTCと外資の研修の違いの差を感じられて勉強になりました。

女性管理職の多い部署はほぼ決まっている
これも悲しきかな現実、と言っていいのか、女性管理職の総数だけで言うとJTCよりはるかに多いので喜ばしき現実に含まれるのか微妙なところだけど、女性管理職の多い部署はほぼほぼ決まってます。そしてその部署は本部長(トップ)も女性です。
これは、JTC時代では見かけなかった光景で、JTCは管理職の女がいても管理職の中の一番下っ端に固まっていることが多かったです。例えば役員や部長は男だけどその下にいる中間管理職に大量の女、など。部長や役員に女性がいることに珍しい!と感じてしまうあたり、私がJTC出身ということがバレるかもしれないけど、でも純粋に入社したての頃はびっくりしました。女性の本部長・部門長がちらほらいて、その部の中間管理職はほぼ全員女性だったりします。

さて何部ですか?という肝心な点に入りますが、それは私の見る限り、人事部と法務部です。私の今いる外資でも、人事部長と法務部長は女性で、その部全体的に女性管理職ばかりという印象です。若い男がたまにいるけどおじさんはいないという雰囲気。私のオファーレターにある人事部長サインも女性でした。

逆にネガティブな視点を言うと、これらはいわゆるバックオフィスです。コーポレート部門とも言いますね。男性がわざわざその部門の仕事に入って戦いを挑まないという事象が故、女性にとって昇進しやすいポジションになっているともいえます。特に人事部なんて多様性を売りにするような部署なので、男性がジョブ型としてその仕事を選んだりでもしたら、「あんた何を語れるの?」となってしまいそうですし、人事の根幹の仕事は外資本社に置かれ、日本支社はあくまでトップからの指令を受ける立場にいるため、その中で日本市場の典型的特徴をつついていれば仕事になり、結果としてマイノリティこそ求められていたのかもしれません。でも男性がいないわけではありません。ジョブ型キャリアで人事部に入るとすれば高い確率で採用担当ではないでしょうか。私を採用した人事担当も男性でした。

また、この十数年でジョブ型としての人事の仕事の給与はかなり上がったと言われています。言い換えると、以前は低く見積もられていた仕事です。ダイバーシティインクルージョンの考え方が浸透するにしたがって確固たる地位へたどり着いた、いわゆる「化けた」職種の一つが人事部の仕事のように思います。ほんと、女性にはうってつけでおススメの部門です。男性との競争で疲弊することもなく、純粋に実力で評価される世界でしょう。

次に法務部ですが、外資だとリーガルは有資格者かどうかと英語が話せるかが重要なため、それらを合わせもつ人が男女どちらに多いかとなるとやはり女性に軍配があがり、有力候補になりやすかったのかなと考えられます。純粋に能力主義で戦ってこれなので、優秀な女性にはとにかくおすすめな部門。これもバックオフィスの立ち位置ですが、誰でも参入できる区域ではないので、英語に抵抗がなく、人と差をつけたいと考える女性には米国の法学部留学が一番人生を変えるのではないかと思います。

ちなみに資格と言えば会計も世界的に見ると女性の仕事です。会計士の男女比率で男性の方が多いのは日本と韓国だけで、日本と韓国以外のBig 4では社員も役職者も圧倒的に女性の方が多いのです。日本においての会計や経理部は男性が介入しやすい部門(なぜでしょうね・・・)のため、人事や法務に比べて競争激化のレッドオーシャンとなっています。USCPAは巷で話題で、取得すると確かにBig4に入って高い給料をもらえますが、でも日本のBig4に入社すると結局男社会なので、CPAを持っているなら早々に外資系のファイナンスポジションの仕事に転職することを勧めます。これから勉強という立場であれば、男が簡単に入ってこれないリーガルがいいですよ。(と言っても誰でもすぐ取得できる資格ではないんですけどね。。。)ちなみに日本の司法試験を取るくらいなら米国を取りましょう。イマドキはオンライン司法留学もあるかもしれないし(すまぬ調べておりませぬ)。

ちなみにバックオフィスと言っても普通に管理職の年収は1000万円超えますし、単純作業はすでにBPOされてるので残された仕事は非常に高度です。いわゆる派遣社員の巣窟みたいなことはありえません。バックオフィスも立派なキャリアで転職先も多く、プロフェッショナルです。完全リモート希望で営業周りなんてしたくない、という人はフロントオフィス(いわゆる営業とかマーケ)よりバックオフィスで固い地位を築くという人生もおすすめです。

そんなこんなで、JTCと外資系の違いその2でした。まだまだ続きます。