学生の本分

学生の本分は勉強。

中学生以上の方であれば、教師や両親から言われたことがある方も少なからずいるかもしれない。
#よく言われたなぁ

今、まさにお子様がいらっしゃる方であれば、お子さんに対してこの言葉を投げかけたことがある方もいるかもしれない。

もし、この言葉が子どもたちの可能性を狭めてしまっているかもしれないと言われたら、みなさんはどう感じるのだろう?

私自身の学生時代。
正直、勉強に関してはそれなりにできた方だと思う。けれど、決して真面目な学生ではなく、金髪にピアス、タバコに無免許運転などなど。今となっては時効だと思うので、言えることではあるけれど控えめに言っても単なる「不良」だった。

そして、極めつけは指導をしてくる教員に対して、「やる事やってんだから、黙ってろ。悔しかったら、俺が満点取れないテストを作ってみろ」なんて言葉を吐いていたことが今も忘れられないでいるw

その節は、大変ご迷惑をお掛けしましたwww

そんな学生だったから、地元ではそれなりの大学に進学したものの、「つまんないから辞める」と言って、2年で中退。

あの頃は、本気で『人生の夏休み』なんて周りが言っている大学生活の4年間という時間が、無駄でしかないと考えていた。

退学を止めようとする周りの大人たちに対して、「日本の大学は入学さえ出来れば誰でも卒業出来る。入学する学力があれば、4年もの時間を無駄にすることの方がもったいないでしょ」と、クソ生意気な発言をして、制止を聞かなかった。

まぁ、最終的には、高卒(大学中退)で終わらず、社会人になってから大学院に通い、修士まで納めたのだから、両親も含め許してください。
#私の話は恥ずかしいからもうやめて

こんな少し変わった経歴だからこそ、学生の本分は勉強であるという言葉には人一倍、違和感を感じる。

誤解されないように、お伝えしておくと、勉強をしなくても良いと考えているわけではない。

私が思う勉強を頑張ることの明らかなメリットは2つ。

①将来の選択肢を増やす可能性があること
②必死に努力する経験値を貯めることが出来ること

この2つ。
その他に「将来のリスクを下げられる」という考えを持っている方もいるとは思うが、この考えにはあまり賛成しない。それは、リスクを避ければ大きな失敗がない一方で、大きな成功も成長も無いと考えているから。

話を戻すと、
これまで当たり前だと信じられていた良い学歴からの大手企業への就職という、いわゆるエリートコースみたいなものの価値が明らかに下がってきていることは事実だと思う。
#エリートって響きいいよね

大学生に対して、キャリア教育の講義を担当していた際にも感じたことだが、大手企業への就職を望まない生徒が明らかに増えてきている。

そして、これに呼応するように、多くの優秀な大学が「起業家教育」のカリキュラムをスタートしている。

確かに、超一流と言われる大学であれば、企業とのコネクションも強く、最先端の研究を行っている企業の役員クラスと交流を図る機会が設けられていたり、インターン制度が充実していたり、メンターとして指導してくれたり、時には資金援助があったり、、などなど起業家としてスタートダッシュを図るために様々な支援を受けられる可能性はある。

けれど、正直これらの支援をどれだけ厚くしたとしても、結局「起業」という選択を取った場合に、本当に信じられるのは自分だけだという瞬間が必ず訪れる。
#立つんだジョー

というより、それを経験し、乗り越えられなければ長続きしないというのが実態だと思う。

では、ここで質問。

高校にも進学せずに15歳から社会に出て現場で学び、生きてきた22歳と、大学に進学して社会の援助を受けながら起業を学んだ22歳。

今から起業するとなった場合に、どちらが上手くいくと思いますか?
#松下幸之助の学歴は小学校中退

おそらく、前者の方が上手くいく可能性が高い。

それは起業という選択をしたからだ!と言われそうなので、就職という視点から考えてみる。

あなたが企業の面接官だったとして、この22歳の2人が面接に来たら、どちらを採用したいですか?

もちろん、企業にもよるとは思うが、事実だけを客観的に伝えると、7年間実際に社会で学んできた22歳と机上で学んできた22歳の比較。

即戦力は前者ですよね。
この先、人口がどんどん減少して、人員確保が難しくなっていく中では、時間をかけて育成するという今までのやり方では、企業側が疲弊してしまう。

特に、変化の早い中堅以下の企業では、これからの時代、これまで以上に「即戦力」が求められる。

この証拠として、転職回数が多い≒悪という評価が、(理由さえしっかりしていれば)転職回数が多いことはプラスの評価になっているということは、どこかで聞いたことがあるかもしれない。

このように、社会が変化し、企業を取り巻く環境も目まぐるしく変化している中で、教育だけが戦後から大きく変わっていない。

けれど、企業がいつまでも「ハズレが少ない」というだけの理由で、人件費の高い大卒を求め続けるとは到底思えない。(むしろ、プライドだけ高くて扱いにくいという声すらあることはここだけの話w)
#当たりも少ないぞ

色々と書きましたが、
結局のところ学生の本分は何なのか?
を今日のまとめとする。

私の考える学生の本分は
自分自身の未来を生きる力を身につけること

そのための手段は勉強であってもいいし、スポーツでも、芸術でもゲームでも。(実際、eスポーツという世界が広がっており、小中学生が世界のタイトルを獲得していたりする)

つまりは、何でも良い。得意なことや、好きなこと、時には現時点で苦手なことであっても良い。

そして、私達大人に求められるのは、夢や目標など、本人の望む未来を明確にして、ここに近づくためのサポートをしていくこと。

自分達が言われてきた「学生の本分は勉強」という言葉に縛られて、子どもたちの可能性の芽を摘んでしまうことだけは避けなければいけない。

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