【読書録120】致知2024年4月号「運命をひらくもの」感想
致知の感想をnoteに書いて、今回が31回目となる。
本号の特集は、「運命をひらくもの」
表紙は、さだまさしさん。
今回、さだまさしさんの記事には触れないが、お人柄が感じられ、いかに一回一回のステージに賭けているか伝わってくる良い内容であった。さださんの生き方も「運命をひらく」生き方であると、つくづく思った。
総リード 運命をひらくもの
「運命はどこから来るのか?」
この問いに対して、致知四十五年の経験を通じて、「運命は人の心が創る」と痛感していると言う。
人間の心は、庭のようなもので、放っておくと雑草が生い茂る。というのは、ジェームス・アレンの言葉であるが、心の雑草を取り除くためにどうすればよいか?
私が、致知を毎月読んでいるのは、読んでいて、惹かれる人が多いからであるが、いい人、いい教え、いい言葉に接し、心が洗われる感覚は非常に強くある。
そんな、良い言葉を総リードの中からいくつか取り上げたい。
心の在り方の大切さが伝わることばである。
起きている事象は同じでも、どう捉えるか?自分次第。自分の人生を生きよう。
一念三千 仏教と量子力学の融合が世界平和をひらく
九十五歳とは思えない力強いたたずまいが印象的な泰門庵住職の堀澤祖門老師と量子力学をベースとしたセミナーを行う村松大輔氏の対談。
異分野のお二人が、仏教と量子力学の接点、融合について語り合う対談。非常に印象的であった。
量子力学では、「フォトン」という、素粒子が人間の意識や感情をつくっているという。
そして「幸せだ」という思いを抱けば「幸せだ」という周波数を帯びたフォトンが、「悔しい」という思いを抱ければ、「悔しい」という周波数を帯びたフォトンが発振されていくという。
非常に興味深かった。
この量子力学の理論とわれわれが従来から感覚として持っている「言霊」という考え方があまりに似通っている。
周りの目は気にせず、プラスのフォトンを発振すること。それが自分をより幸せにしていく循環の源になるのである。
また、話は、世界的なシステム理論学者のアーヴァン・ラズロ博士が唱えているという「ゼロポイント・フィールド」仮説へと展開する。
これは、すべての現象や物質のもとになる素粒子は、莫大なエネルギーに満ちた場である「ゼロポイントフィールド」から絶えず生み出されているという仮説である。
このゼロポイントフィールドという一元の世界と、悟りの世界、「空」の世界が一緒であると、堀澤老師は言う。
般若心経の「色即是空、空即是色」の世界観をこう表現する。
一元絶対の世界に気づいたとしても、われわれは、二元相対の世界で生きていく。なので、生老病死は当たり前。これを「無常」という。
続いて、堀澤老師がいう言葉が印象的だ。
先週のnoteで取り上げた横田南嶺老師の「はじめての人に送る般若心経」に通ずる。
無常なればこそ、それを受け容れ、自分にできることに集中する。そのためには、プラス志向が重要なのである。
繁栄するものと廃れゆくものの道
富士薬品工業会長の今井博文氏と、今井氏が師と仰ぐ東洋思想研究家の田口佳史氏との対談記事。
田口氏が、今井氏を対談相手として選んだのは、「徳」をベースにした経営をしているためとのこと。もう少し具体的に言うと、富士薬品工業では、「徳目」を評価基準にするというユニークな仕組みを持っているという。
「徳」について、今回の対談で興味深かったのは、以下の点。
そして、田口氏は、こう言う。
この徳=いきおいとする考え方は、はじめてきたが、以下の田口氏の話を聞くと、徳とは、力強いもの感じられる。また徳とは、当事者意識をいかに持つかと言い換えられるのかなとも思った。
運命をひらくとは、いかに当事者意識をもって物事に取り組むかなのかなと思う。今月号のどの記事からもそう感じさせられた。
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