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【退職エントリ】フリーランスのデザイナーが事業会社で働いてみて、

2024年3月にYappliを退職したプロダクトデザイナーのムラカミです。
Yappliでの経験は自分にとってかけがえのない3年半でしたし、はじめて週5日働いた会社であったので、あたたかく受け入れた皆さんにはとても感謝しております。

今回は備忘録もこめて、自分が3年半Yappliに入社したきっかけ〜退職までのことをここに書こうと思います。

Yappliに入社したきっかけ。

前回の転職活動は自分が週5で働いたこともなかったので(実質フリーランス)今回の転職活動よりもかなり苦戦しました。
フリーランスから事業会社のデザイナーになろうと思ったのは、一人でできることがしれているや大きいなことをするにはチームでやる方が良いと当時感じたからです。
最初に作ったポートフォリオではまったく書類が通らなかったので、UXデザイナーとして転職するのであれば、プロセスを見られるというところだったので、プロセス重視のポートフォリオに改修したところ、一気に書類は通るようになりました。

当時の転職軸は3つありました。
ある程度小規模のデザインチームが形成されている。
エンジニアと密にプロダクトを作っていける。
インターネットサービスを主事業にしている。
という部分でした。

Yappliはスカウト経由でご連絡をいただき、選考に関してはかなりスムーズに進み、内定をもらった段階で内定承諾しました。

決めてはプロダクトに自信を持てそう。
汎用的かつ多様な業界に向けて、モバイルアプリを制作している。
勢いがあり、企業として成長している。というところでした。

また10月に入社して2ヶ月後に12月に上場すると聞いてびっくりしましたがそのタイミングに立ち会えたのは自分にとって上場まで駆け上った人たちがキラキラしていてとてもかっこよく、何も貢献していない自分がそこにいていいのかというジレンマもありました。

何も貢献していなかったが、その場の空間にいれたことは印象深かったです

入社直後

UXデザイナーとして、入社してまずやったこととしては当然プロダクト理解であると思います。
Yappliには機能が多くあり、機能ごとのユースケースが無限で例えば、本来の目的はミュージック機能として作ったが、社内報やポッドキャストとして使われているなどデザイナーやディレクターが新しい使い方を発見するといったことはかなり日常的にありました。
それらを円滑にキャッチアップするためにやったことは、下記のようなことでした。

  • 実際の各業界でのユースケースはなにか?

  • 実際に管理画面を利用するユーザーは誰か?

  • 実際に利用するエンドユーザーは誰がどのように使うか?
    といった、上段の整理になります。
    また当時のプロダクトは大規模のリニューアル直後で、なぜこのような設計になっているのかやリニューアルした直後にもかかわらず、コンポーネントがカオス、実装とデザインファイルが違うなど結構ちゃんと整っているのかなと思いましたが意外とそうでもなかったというのが現実です。(このあたりは後に入社してきてくれたデザイナーがかなり推進して現在ではだいぶ整って来て入ると思います。2024年2月現在)また使っていたツールもsketchをメインで使っていたので、当時はデザインシステムなどがどの企業もどういうふうに管理しているのが正解かと模索していたフェーズかなと思っています。ただ自分が入社した直後にFigmaに移行したのでツールに関してはストレスなく業務ができたと思います。
    そのFigma以降のタイミングでデザインファイルを調整したり、改善を行ったりして、さらにプロダクトの理解を深めていきました。

フリーランスで働いていたときとのギャップは10時〜19時とフレックスであったが、ある程度決まった時間に働いてた、これに関しては始業が10時でリモートであったのでそんなに苦ではなかったです。なのでヤプリに入ってめっちゃ適応するのに苦労したかと言うと自分はそんなに苦労せず、スムーズにプロジェクトに入ることができたと思います。

オフィスは絶景で晴れていたら富士山が見える

一番印象的だったプロジェクト

自分が最初に担当したAtom(現Block UI)プロジェクトというアプリ基盤の改修のプロジェクトを紹介したいと思います。

機能の詳細についてはこちら

開発の経緯についてはつよつよエンジニアの田実さんの記事を見ていただける幸いです。

このプロジェクトは、Flutterで作られたアプリのプロトタイプ(Yappliは基本的にSwift, Kotlinで動いている)しかなく、管理画面に関してはレイアウトの設定をさせるかという部分について考えられていませんでした。プロジェクトも9ヶ月が過ぎており、成果が求められていたフェーズにもかかわらず、プロジェクトチームの各メンバーは、それぞれ異なる方向性を追求しており、全体の方向性はまだ定まっていませんでした。このカオスな状況の中で、自分に課せられた任務は二つあり、一つは、この機能をどのように形にするかを具体化すること。もう一つは、これまでに整理された課題を解決するための管理画面のUX/UIを設計することでした。

自分はプロダクトデザイナーとして、チームが一つの共通言語を持てるように努めました。そのために、新しいモバイルアプリのデザインエディタを作成するところから始め、さまざまなデザインツールとWebビルダーサービスを調査し、現在の課題を洗い出しました。そして、最初のプロトタイプを作成しました。このプロセスで心がけたのは、初稿をあまり細かく作りすぎず、早い段階でチームに共有してフィードバックを受けることでした。


特に苦労したのはアピアランスの設計です。私はHTML/CSSに関する知識もあったため、デザインの設定には特に注意が必要でした。「必ず必要な(MUST)要素」と「あればよい(WANT)」「将来的には(WILL)」の部分をチーム内でどう区分けし、合意形成を図るかが難題でした。

プロジェクトは長期間にわたりました。初期メンバーにとっては、途中で成果が見えにくくなる時期もあり、リードエンジニアやAndroidエンジニア、UXデザイナーなど何人かがプロジェクトから離れてしまいましたが、何とかリリースにこぎつけることができました。

初期のリリースでは、デザイナーが目指していたレイアウトを完全には実現できませんでした。その結果、当初の利用率は期待ほどには伸びませんでした。しかし、その後、プロジェクトチームはレイアウトを形作るパーツ(ブロック)を次々と追加し続け、今ではその機能はYappliの主要な機能の一つに成長しました。

この一連の経験は、プロジェクトの初期段階からリリース、そしてそれを超えた成長までを経験した、自分のYappliのキャリアの中で特に印象深く、いかにクライアント・制作者が実現したいレイアウトを汎用的なユースケースを実現できるよう作れるかという部分と簡単に作成できる課題を解決できた経験になります。

今では多くのブロックが追加されYappliのメジャー機能になっています

その他取り組んだことや得ることができたスキル

Yappliではその他にも新規プロダクトのリードデザインや最後にはプロダクトマネージャーやUXリサーチ周りの業務を経験させてもらえました。
特に最後にしたPMで立ち上げたプロジェクトではいかに売れるものにするか?ユーザーを獲得するかなどデザイナーとしてのゼロトゥワンでは味わえなかった、難しさを感じました。
UXリサーチなどについてはほとんど経験はなかったですが、ある程度社内でナレッジなどがあったので調査計画からインタビュー・分析まで一通り経験はできたと感じます。

なぜ退職したか?

Yappliでの働き心地は素晴らしく、チームメンバーとの関係もとてもフレンドリーで自分が関わった機能やプロダクトについては思い入れがありました。しかし、転職を決意したのは、新規事業プロジェクトのプロダクトマネージャーとして、プロダクトの成長を促進する上での難しさを身をもって経験したからです。目の前の課題を乗り越えられなかったことで、自分自身のスキルに限界を感じました。

Yappliでの経験は豊かなものでしたが、退職を決めた最大の理由は、プロダクトデザイナーとしてプロダクトと企業の成功にどのように貢献できるかという点について、深く考えさせられたことです。この気づきは特に、自分が考えた新規事業について2年半前くらいに現CTOの佐藤さんとディスカッションした時に強く感じました。その時、デザイナーとしての視点ではなく、プロダクトの品質、コスト、納期(QCD)のバランスや会社への影響力という観点で考えることの重要性を気づかされました

今後は、プロダクトを市場で成功させる方法、そして成長しているプロダクトに関わることで自分の視野を広げることに注力します。これにより、より多くのユーザーの生活を豊かにし、クライアントのビジネスの成功に貢献できるプロダクトを創り出していくことを目指しています。今回学んだ教訓を活かし、次の会社でもより良いプロダクトを作っていきます

あたかかく送りだしてくれたお別れ会

最後に

プロダクトデザイナー・UI/UXデザイナーとして働くにはとても裁量権がある職場であると思うので、退職した自分が言うのもなんですが多くのモバイルアプリをつくるアプリプラットフォームに興味があるデザイナー・プロダクトマネージャーの方はぜひ応募してください。
UNITE(社内アプリサービス)や新規事業をどんどん立ち上げフェーズだと思うので楽しいと思います。

プロダクトデザイナーの採用

プロダクトマネージャーの採用

今注力しているUNITE

あとめちゃくちゃ趣味の話になるのですが、サウナがめっちゃ好きで自宅にもあったりするので、デザイナーやIT業界で働いている友達が少なかったりするのでぜひお誘いください。

自宅サウナ

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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