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読書メモ【まず、ちゃんと聴く。】を読んで、コミュニケーションの質を変える傾聴力を鍛えないと、と思った日。

はじめに

ビジネスのみならず家族や友人も含めて、他者とのコミュニケーションスキルは、人生の質やウェルビーイングを高める上でとても大切だと考えています。基本的な傾聴スキルを理解しておけば、これポータルスキルとして一生使えるはず、、

ということで、社外人材によるオンライン 1 on 1を行なっている株式会社エールの代表でもある櫻井 将さんの傾聴スキル研究の集大成である
まず、ちゃんと聴く。 コミュニケーションの質が変わる「聴く」と「伝える」の黄金比を読ませていただきました。

※ちなみに筆者はYellのサポーターでもあり、たまに1 on 1のサポーターとして協力させていただいてます。


そもそも「聴く」とは?

  1. 一般的に「聞く」と「聴く」の違いってなんでしょうか?

イメージでは「聞く」は割と聞き流すイメージで、「聴く」はより能動的に耳を傾けるイメージでした。

著者によると(この本の定義では)
聞く」:意識せずとも耳に入ってくる時
「聴く」:自分の解釈を入れることなく、意識的に耳を傾ける行為
と見事に言語化されています。

そしてこの「自分の解釈が入らない状態」を「without ジャッジメント」と明記されています。

例えば下記のBさんは自分の解釈を入れているので「withジャッジメント」「聞く」です。

Aさん:やっぱり子どもには小さな頃から外国語を学ばせるべきですよね!
Bさん:そうですよねー!私もそう思います。
or
Bさん:そうですかねー?私はそうは思いませんが、、

本文より

かたや、下記のBさんは自分の解釈を入れずに「withoutジャッジメント」「聴く」です。

Aさん:やっぱり子どもには小さな頃から外国語を学ばせるべきですよね!
Bさん:ほほう、そういったお考えなんですね!そう思った背景を教えてください!

本文より

もちろん私たちは無意識に上記の「聞く」と「聴く」を使い分けていますが、おそらく圧倒的に「聞く」を使ってしまっているのではないでしょうか、、、

分かりやすい比較表はコチラ

本文より

最後の関係の項目ですが、「聴く」は横の関係になりやすいというのが肝かなと思いました。マウントは取らない、伴走して一緒に答えを探すイメージですね。

「withジャッジメント」だと、自分の意見を押し付けていることになる、つまり自分のために、自分主体ってなりますね、、反省。

ちゃんと「聴く」とは、相手に肯定的意図あると信じること

この本のタイトルは「まず、ちゃんと聴く。」ですが、ちゃんと聴くってどんな「聴く」なのか?明確に著者は

“相手の言動の背景には、肯定的意図があると信じている状態で聴く”

と定義しています。

善悪を判断するでのはなく、全ての人の全ての言動の背景にはその人なりの肯定的意図があると信じること。これが一番重要。

これはつい正解を探し求めてしまう態度や、相手へのバイアスを持っている状態とは明らかに異なりますね。

この信念・前提を忘れないようにしないと。
「聴く力」を公式に置き換えると、

聴く力=あり方(信念)×やり方(非言語スキル×言語スキル)×コンディション

本文より

と言語化されています。

  • 相手の言葉には肯定的意図があると信じ

  • 傾聴のテクニカルスキルを使いこなし

  • しかも聴くことに集中できる、コンディションを整えておく

なんか、競技に向き合うアスリートみたいです。

ちゃんと「聴く」とは、なんでも話してもらう力

著者は

聴く力=「なんでも話してもらう力」×「解像度をあげる力」

本文より

という公式も紹介されています。

コミュニケーションにおいて、どんなボールでも受け止めてもらえる安心感ですね。この辺りはリーダー感や人間力が問われるところかと。

なんでも話してもらう力=あり方(信念)×やり方(非言語スキル)
になります。なんか信用できる人、話したくなる人ってこんな構成要素で出来てるのかと驚きました。

そして「解像度をあげる力」は

「もう少し詳しく教えて」

「具体的にはどういうことかな?事例を教えてもらっていいですか?」

本文より

このような問いかけが重要。
これもうまくやらないと、嫌な尋問みたいになるので、相手や状況によって変えていく意識が必要ですね。

※筆者は声質や声の大きさ、トーンなどの非言語スキルが課題です。あまり感情を出さない人間なので、、



なんでも話してもらうには、相手の話を一緒に体験しようとする。

メラビアンの法則では、メッセージが伝わる割合は

言語情報(言葉)が7%
聴覚情報(話し方)が38%
視覚情報(表情)が55%
とされています
この視覚情報が非言語スキルの大部分を占めるわけですが、わかっちゃいますがなかなか私には難しいです。ついつい忘れてしまうんですよね。そして話がつまらないと感じると、つい顔に出てしまうことも、、

著者によれば、「楽しい話を相手よりも楽しく」「真剣な話を相手よりも真剣に」聴くべしとのことですが、、難しい。

多分、相手の話を自分の中で映像化し、その世界に入り込み、あたかもVRのように体験しようとする、、そんな連続的な想像力が問われるのかなと思いました。

相手の好き・得意を予想する

例えば部下と1 on 1での場面。部下の発言は、

①「来週クライアントにプレゼンする企画書には、データをたくさん載せました。」

②「きちんとデータで裏付けされた提案が刺さると考えています。」

③「この提案書を見たお客さんに、『君にお願いして良かった』と言われることを想像したら嬉しいと思う。」

④「やはり私は、新規のクライアントとの信頼関係を作っていくのが好きなんですよね。」

本文より

だとします。

これはそれぞれ
①「来週クライアントにプレゼンする企画書には、データをたくさん載せました。」・・・言動

②「きちんとデータで裏付けされた提案が刺さると考えています。」・・・思考

③「この提案書を見たお客さんに、『君にお願いして良かった』と言われることを想像したら嬉しいと思う。」・・・感情

④「やはり私は、新規のクライアントとの信頼関係を作っていくのが好きなんですよね。」・・・価値観/信念

とカテゴライズできます。
この場合、①②はwithジャッジメント、③④はwithoutジャッジメントで聴くのが向いています。

事実の説明等はwithジャッジメント、その人なりの感情や想いにはwithoutジャッジメント、という向き合い方ですかね。

もちろん実際の会話では、このようにキレイな順番で話し手が語ってくれるわけではないですが、「相手の発言はどのカテゴリーなのか?」「相手はどの領域の話が好きなのか?得意なのか?」を意識すると、より「聴く」のスキルが上がり、聴くが楽しくなってくるとのこと。

まとめ

聴く技術=あり方(信念)×やり方(非言語スキル×言語スキル)×コンディション
聴く力=聴く技術×コンディション
聴く力=「なんでも話してもらう力」×「解像度をあげる力」

本文より

※個人的には聴く技術もさることながら「なんでも話してもらう力」が重要かなと思っています。そのためにはオープンマインド、つまり自己開示をすること。そして、普段からコミュニケーションの頻度を高め、心理的安全性の高い人間になることが大切かなと。

※若い人からすれば(自分が当時そうだったように)中年男性はデフォルトで話しかけにくい立場だと思います。そこをどう払拭して行くか?を常に忘れないようにしたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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