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[川崎戦] 乗り越えなければならないもの -第6節-

第6節。富山vs川崎。
GAME1、84-87。GAME2、74-87。
天皇杯を含めて4連勝中の富山だったが今節は川崎の2連勝となり、シーズン成績は1勝10敗となった。

GAME2の配信映像ではものの見事に絵面の悪い敗戦となったが、この試合はどちらかというと川崎が流石だった内容であり、現地の富山は最善を尽くしていた。

とどろきアリーナでの富山はコミュニケーションの声がよく出ており、自分達の精度を上げることに前向きに取り組む様子が見られた。

今回の記事では川崎の対応と富山のトライ、現地で見たチームの雰囲気と乗り越えなければならないものについて解説していく。


1、川崎のスミス対策

当然だが川崎は天皇杯の3連戦をしっかり分析してきたような対応を見せた。
川崎は序盤から2-3ゾーンを行い、マブンガがハイポストへ入るとマンツーへチェンジする変則ゾーンでスミスを対策。

これは富山が昨シーズンから行っている変則2-3とほぼ同じシステムだ。

対する富山はこれにアウトサイドシュートを選択。
結果、高確率でこれを決め、9-5とリードした。
(最初の15点は全て3Pシュート)

この試合でも先発上澤が当たり、これで琉球戦から6試合連続スタートダッシュに成功した。

しかし、序盤こそ確率の高かった富山のシュートも徐々に精度が落ちていく。
この川崎の対応は長いスパンで見ると成功し、持ち前の得点力が戻りつつある富山を1Q17点に抑えた。
(後述でも触れるが、浜口HCが中々宇都を出せないのはこの点もある)

2、富山の1つ目のトライ

DFに関しても川崎はこれまでのチームのようには行かなかった。
富山のDFにおけるベストオーダーは2-3ゾーンだが、この日はマンツーから入った。

ファジーカスを始め、川崎のインサイドはこのエリアが上手く、スリーもある。

ハイポストを打たせて取るスタイルである富山の2-3ゾーンは川崎に多用するのはリスクが伴うのだ。
逆に富山はスミスの性質上、マンツーでファジーカスに苦労した経験は意外と少ない。

故に川崎へはゾーンよりマンツーで守るトライを行った。
おそらく天皇杯でリードのある時にマンツーを行っていたのはこのための訓練でもあったのだろう。

しかし、1つ困るマッチアップが生まれた。
藤井祐眞である。

彼のピック&ロールから得点にクリエイトと好きにやられ、1QだけでFG6/6の14得点2アシストを許した。

9-5といつも通り快調な出だしだったがそこから10-0のランを決められ、9-15となってタイムアウトを取ることになった。

これによって富山はゾーンへの変更を余儀なくされる。


3、マンツー解除で次々に起こる問題

結果的にGAME1のスタッツでは富山はマンツーよりもゾーンの方がディフェンス成績が良い数字が出ることになる。

このことからわかるのは、今の川崎は藤井選手を好きにさせるのが1番まずいということだ。

それでも当然別の問題が発生する。
前述のとおりファジーカスのハイポストは普段より警戒が必要。
そして川崎はファジーカス・ヒース・アギラールのビッグラインナップである。

ファジーカスのハイポストにスミスやマブンガが対応すればリバウンド勝負はインサイドの選手が2対1になる。

ラモス対アギラールのリバウンド勝負の部分で押し込まれたのを何度か見たと思うが、これはそういうことだ。

課題である2-3ゾーン時のDFリバウンドが顕在化することは目に見えていた。
だからこそのマンツーだったが藤井問題で川崎の高さに付き合わなければならなくなったというわけだ。

なのでハイポストへは前線の2枚のガードが対応したい。
が、上澤のように高さがない選手ではファジーカスに対応できない。
しても単純にハイポストエリアで1on1のような形から背負った状態でフックシュートを決められるだけだからだ。

そこで宇都や水戸を入れながら運用するのだが、ここで川崎の厄介な選手が仕事をした。

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