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シュートは「ファー」に「低い弾道」で打つのが正しい6つの理由

高校の時のサッカー部の恩師がこう言っていた。

「シュートはファーに打て」

この教えを自分なりに噛み砕いて深掘っていく。

先に論題と結論を書こう。

Q.「サッカーにおいてシュートをゴールのどの場所に打つのが正しいのか」

A.「シュートは「ファー」に「低い弾道」で打つのが正しい」


■統計的に低い弾道の方が決まりやすい

ある統計データによると、ゴールが決まった場所の位置を6つに分けて収集した結果は以下の図のようになる。

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なんと、ゴール全体のうち62%がゴールの低い位置に打ったシュートであるのだ。

よって、この統計的データからシュートは「低い」弾道で打つのがデータ的にゴールになる確率が高く正解だということが分かるだろう。

*この統計結果ではシュート数の母数が考慮に入れられていないので、完璧なデータとは言えないことだけ言及しておきます。
もし全体のシュート数の62%がそもそも低い弾道のシュートであり、ゴールの62%が低い弾道のシュートであったならば低い弾道のゴール確率が高いことにはならないので...

(参考)

■キーパーが弾いたらこぼれ球のチャンスになる

シュートをニアに打った場合とファーに打った場合で、もしキーパーが弾いた後のこぼれ球が転がる位置について考えてみよう。

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ニアにシュートを打ってキーパーが弾いた場合、こぼれ球が転がる可能性の高い範囲は上のようになる。

サッカーをやったことがある人なら体感値で分かると思いますが、このピンクの範囲に味方が詰めている可能性は低い。

なぜなら、ピンクの位置にいてもボール持っている選手のシュートコースやドリブルコースの邪魔になるからだ。

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一方、ファーにシュートを打ってキーパーが弾いた場合、こぼれ球が転がる可能性の高い範囲は上のようになる。

このピンクの範囲に味方が詰めている可能性は高い。

なぜなら、クロスボールや逆サイドへの展開を待つ場所として適しているからだ。

上の2つの例を見て分かる通りシュートを打ってキーパーが弾いた場合、味方が詰めて押し込んでゴールになる可能性が高いのは、ファーへのシュートなのだ。

よってシュートを打ってキーパーに弾かれた場合について考えると、ファーにシュートを打つべきであると言える。

■シュート性のクロスになる可能性がある

選手の届く範囲の低い弾道であれば、例えシュートが外れても味方が詰めていて結果的にシュート性のクロスになり味方が詰めれる可能性がある。

ではまたニアへのシュートとファーへのシュートが外れた場合を比較してみよう。

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ニアへのシュートが外れた場合、味方がシュートに対して合わせてゴールすることはまず考えられない。

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一方、ファーへのシュートが外れた場合、味方がシュートに対して合わせてゴールすることは多々見られる。(フットサルで特によく見られていて、フットサルではもはや「ファー詰め」という名前で戦術化している)

以上を見て分かる通り、シュートがもし外れた場合を考えると、ニアへ外すよりファーへ外す方が味方が詰めたり合わせたりしてゴールに繋がる可能性が高いと言える。

よって、シュートが枠を外れた場合を考えると、シュートは弾道が低いものをファーに打つべきだと言える。

■バウンド時にイレギュラーする可能性がある

キーパーの手前でバウンドするシュートはイレギュラーまたは雨の日に限りスリップする可能性がある。

また、そもそもキーパーの手前でバウンドするシュートはキーパーにとってとても取りづらい。

さらに、ボーナスポイントとしてグラウンドの環境によってはスリップしたりイレギュラーしたりする。

よって、低い弾道でシュートを打ってキーパーの手前でバウンドした場合のキーパーの対応の難しさを考えるとシュートは低い弾道で打つべきであると言える。

■キーパーは低い弾道のシュートの方が取りづらい

これはほぼ感覚的な話になるが、キーパーは高い弾道のシュートより低い弾道のシュートの方がセーブしづらい。

ぜひ自分のチームのキーパーにも聞いてみて欲しいが、僕が会ったキーパーはほぼ全員低い弾道の地を這うようなボールがセーブしづらいと言っていた。

一応自分なりに感覚値に頼らず解説してみると、以下のようになる。(分かりづらいことをご了承ください)

まず、一流のキーパーであるクルトワのシュートを打たれる瞬間の構えを見てみよう。

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(写真はhttps://www.aoitori.be/news/belgium/thibaut_courtois.htmlより引用))

重心を低く保ち膝を曲げているのが分かる。

膝とは、バネのようなものだ。ジャンプするためには膝を曲げる。

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ここで重要なのが、膝のバネは膝が足から垂直方向に上に伸びているので上方向(上へのベクトル)へのジャンプに適しているということである。よって、膝のバネを使ってジャンプする時には横方向より上方向へ飛びやすいのである。

(上向きのバネを縮めて離した場合をイメージして考えていただきたい。上方向に飛ばすのは簡単だが、横方向へ飛ばすのは難しいことが分かるだろう)

例えば、左上に飛んできたシュートに対してキーパーは上方向のベクトルのジャンプに強い膝のバネの力を存分に使ってジャンプすることができる。

しかし、左下に飛んできたシュートに対しては膝のバネを十分に生かしきれないのである。

さらに、左上のシュートに対してキーパーは右足と左足のバネを使いジャンプできるが、左下のシュートに対しては右足のバネしか使うことができない。

これは自分で実際に上のキーパーの画像の姿勢を取った後に左上に飛ぶ場合と左下に飛ぶ場合をその場で試して欲しい。

左上のシュートに対してキーパーは右足と左足のバネを使いジャンプできるが、左下のシュートに対しては右足のバネしか使うことができず、左足は添えているだけだということが分かるだろう。

これは体の重心とバネの位置、ジャンプの方向などが関係している難しい話なので、ここまでにしておく。

よって、キーパーの感覚値と僕のとても分かりづらい説明を理由にキーパーは低い弾道のシュートの方が取りづらいので、シュートは低い弾道で打つべきだと言える。

■シュートは上には外れるが下には外れない

これはおまけである...

やけにゴールの右上や左上を狙ってシュートを打つ選手がたまにいるが、その選手に言いたいのはシュートは上には外れるが下には外れないということだ。(ここまで説明してきた5つの理由についても言いたいが笑)

例えるなら、ゲームセンターのUFOキャッチャーだ。

右上や左上を狙う選手はUFOキャッチャーで左右のコントローラーと上下のコントローラーを2回操作しなければいけない。

一方、低い弾道を狙えば左右のコントローラーだけで済むのだ。

自分でさえも分かりづらいUFOキャッチャーという例えを使った反省も込めて一応下に図解しておく。

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よって、シュートは上には外れるが下には外れないというこじつけのような理由でもシュートは低い弾道で打つべきだと言える。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

もちろんサッカーは不確実性が高すぎるスポーツなので絶対に正しいマニュアルなど存在しませんが、ある程度はあらかじめ思考してマニュアル化して対応できるというのが私の考えです。

分かりづらいところや間違っているところがあるかもしれませんが、その場合ぜひコメントや質問を頂けると嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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