見出し画像

TS-520レストア(11) 受信部・送信部の調整

マニュアルをみるとTS-520の各部調整にはマーカーユニット(MKR-3)が必須であるということです。520S(100W)は標準装備らしいのですが、私の520V(10W)にはついていませんでしたのでヤフオクで2000円前後で出物があり入手しました。これを本体に取り付けて発信させて、ユニットやコイル類の多くを調整することになります。

マーカーユニットは、25kHzごとにピーっという発信音が出てそれをもとに校正するしくみです。基板についているクリスタル(横長の部品)ですがそれ自体も40年以上前のものですので信頼性がどのくらいあるかは疑問です。

マーカーユニット自体の校正は、左端のトリマをいじってJJYという短波電波局が発信する信号を拾って校正するように、とマニュアルにはあるのですが、JJYも20年以上前に閉局したようでこの方法は使えません。しかたなく、あっているだろうという前提でいきます。

受信部と送信部、その他の箇所をSメーターなどを参考に調整していくのですが、機器としてはその他、テスターとシグナルジェネレーター(特定の周波数を発信する装置:SG)などが必要です。テスターはAmazonでベストセラーの普及品で、周波数カウンタのついているものです。

問題はこのSGなのですが写真のようにTRIOのSG-402という1970年代のもので100KHzから30MHzまで対応しています。アナログなので一応目盛を周波数カウンタで確認しました。しかし40dB出力など信号強度の調整ができません(カタログデータでは最大20dBみたいですが)。結局はマーカーの方を主体に調整をかけました。

SG-402 ダイアル部などがかっこいい

あとコイルのコアや半固定抵抗を回すのにコアドライバーが必要です。これを使わず金属ドライバーで回すとコアを傷つけたり壊したりしてしまいます。

コアドライバセット
マニュアルに従って調整 各バンドごとの順番に注意

受信部、送信部とその他をマニュアルにしたがって一通り調整してみましたが、送信部のドライブコイルの28.5Mz帯は調整しても出力が得られませんでした。原因はクリスタルか、ドライブ管12BY7Aの出力不足が考えられるらしいですが28MHzは諦めました。

FET交換とこの受信調整と合わせて520の受信感度は飛躍的に向上したように思います。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?