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TS-520レストア(9) 古の遺産?「ソリッド抵抗」を交換

電子機器に欠かせない抵抗器ですが抵抗器にはいくつかの種類があります。昔の電子機器には「ソリッド抵抗」という種類の抵抗が使われています。ソリツド抵抗は
高耐圧高抵抗のものを作ることができるため、おもに電源回路などの大きなストレスがかかる回路に使用されます。しかし、精度が悪いため、精密な用途には適しません。また、ソリッド抵抗はコストや精度面で難点があり、徐々に炭素皮膜抵抗に置き換わっています。」

https://detail-infomation.com/resistor-type/

 古い電子機器のレストアには、このソリッド抵抗の経年変化による抵抗値の変化(増加)が問題となってきます。TS-520でも電源回りを中心にソリッド抵抗が使われています。おそらく高耐圧に対するメリットから使用されたのだと思います。

 抵抗値が増加すると電流が低下し、それが原因で送信出力が低下することが考えられます。私の520もこの可能性も高いので交換してみたいと思います。ソリッド抵抗は製造を打ち切る国内メーカーが多く、入手性が悪いため炭素被膜抵抗に置き換えていきます。

HVユニット

例えばHVユニットですが、ここは電源トランスからスクリーングリッド電圧を作り出すなど分圧を担っています。左の3つがソリッド抵抗です。57KΩ×2、12KΩです。手持ちの抵抗でちょうどのものがないので2本抵抗を直列や並列にして対応します。

例えば直列だと数値を足せばよいので6KΩ+6KΩで12KΩです。並列だと電源部の10Ωは20Ωを並列にすると10Ωとして対応できます。

特にファイナルの真空管S2001Aのあたりの10Ωは、消費電力1Wになっています。私の手持ちの炭素被膜抵抗のワット数は、1/2Wですので並列にすることで1Wとして対応できます。

HVユニットのものです。ちょっと不細工ですが、合成抵抗はうまく使うと便利です
57KΩは70.64KΩになってました!ここまでとは!
ファイナル基板も取り換え
TS520の前期型のデータしかなかったのですが、電圧を測ってみたらおおむね出てました

劣化が指摘される電解コンデンサですが、まだ何とか生きてるようでしたので今回はそのままで。

送信出力もなんとか10W得られました。

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