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東大寺1300年の歴史と受け継がれる意志

公務員発祥の地、奈良。
そんな奈良の東大寺で5年ぶりのリアルの「よんなな会※」が開催された(奈良に来たのは大学の友達を訪ねた時以来、約15年ぶり。奈良公園内に東大寺があるが、こんなに鹿って多かったかな、、?)。

本会では、東大寺の森本さんの講話をお聞きする機会をいただいた。
東大寺ができたのはおよそ1300年前。
当時も今と同じように災害や疫病に苦しむ時代だったという。
そこで、時の天皇、聖武天皇はこれらの災難は誰のせいでもなく、自身の信仰心が足りないことが原因だと考え、大仏像を造ることを決した。

自分には権力も財力もあり、大仏を容易く造ることが出来るかもしれないが、それでは心が伴ったものにならないと考えた(自分には権力も財力もあるって、言えることもすごい!!でも、やっぱり自分の知らないところで勝手に出来た施設に想いって入らないよなぁと共感)。

「事成り易く、心至難し」

そのため、聖武天皇は
「ひとりひとりの小さな力を集めて大仏を造る」
こととし、

「一枝の草、一握りの土であっても、仏像を助け創ろうと情(こころ)に願えば、恣(ほしいまま)に聴(ゆる)せ」
と語り、決して強制はせず、僅かずつでも多く人の協力を得ようと考えた。
強制したものは処罰するというルールも作ったという(強制した人を罰するルールを作るところまでやるのは本気でやろうとしているのが伝わるし、徹底しているなぁ)。

このように多く人に役割を持たせる方針により、当時約500万人だった全国民のうち半数がこの一大プロジェクトに関わったという記録が残されている(普通に全国民の半数が参加してるプロジェクトって凄すぎる!今だったら約6000万人が参加か、、)
最後の大仏に眼を入れる儀式では、筆に長い紐を結びつけて、東大寺に集まったおよそ10万人の方が握ったと言われている。

みんなにオーナーシップを持ってもらう工夫は、現代にも活用できるものである。
よんなな会の一人一品持ち寄りはまさに同じ考えだと感じる。どんなものを持っていったら喜んでくれるだろうと、その会を一緒につくることに繋がっている。
地域に戻った際のまちづくりも同じで、誰もが何かしら役割を持って、自分たちでどんなまちにしたいか考えてもらいながら一人ひとりが動くことが大切ではないか。

一人ひとりが無理強いされるものではなく、主体的に想いを込めて造ることで、超人的な力が発揮される。最後には当時で最も大きい立派な大仏像が出来上がった。
実際に現地でその荘厳な仏像の姿に先人の偉業を肌で感じながら、多くの人の心を動かした聖武天皇のリーダーシップは本当に凄いと改めて(ちなみに、この精神は、後の鎌倉時代にも受け継がれ、東大寺南大門にある金剛力士像2体はたった69日で創り上げられたそう。あれだけの大きな像をたった69日は凄すぎないか!?)。

最後に、
「先人たちの想いを受け継ぐこと」
「記録を残すということ」
「想いを伝えるということ」
の大切さを伝えていただき、講話は締めくくられた。

人としてはもちろん、公文書という記録を大切にし、先人の想いを受け継ぎながら仕事をする公務員として共感することが多く、大切にすべきものを改めて教わった。

また、講話後の参加者からの意見や質疑のなかで、民間の方だけれど「地域課題に向き合ってる俺のほうが公務員だ!」という話が出たが、公に務める心を持っている人が公務員で、そこには官も民もないという話は自分も腹落ちした。

そして、森本さんからは
人の命は日数にするとおよそ「30,000日」
1日1日を大切にということもおっしゃられた。

日数にするとより実感させられる(自分はこれまででおよそ37年生きてきたから、37×365≒13,500日、残り16,500日か)。

自分たちはどんなことを記録していくのか、未来のために何ができるのか。
そんなことを考えながら1日1日大切に生きたい。


※よんなな会とは、47都道府県の地方公務員と中央省庁で働く官僚をつなげることで、日本全体を有機的につなげることを目的とした会。

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