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雨の日に思う

なんにも確からしさのないこの世の中で、
確かなことって、なんだろうか?

自分だよ

と言いたいけれど、まだそんな自信はないや。

小学生のときに、夢中になって読んだ本や、教室の窓の外に見えた椎の木や、講堂でみんなで見た映画や、初めて聴いたバッハの楽曲や、

今でも昨日のことのように思い出すことができるあの瞬間、私は、なにと繋がっていたんだろうと思う。一体なにを見ていたんだろう。

あの瞬間の私のほうが、未来みたいだ。

今、自分のアパートの窓からは、まあまあ大きくてきれいな夜景が見える。冬の澄んだ空気の中、光は、ゆらゆら揺れている。

先人は、宇宙に瞬く星を見て、それと同じものを地球に作りたくなったのかな、とまた思った。

そう、「また」思ったんだ。

子どものころから、夜景を見る度にそう思ってきた。不思議だよね。知識がついたり、いろんな人の意見を聞いたり、いろんな経験してもなお、やっぱり、また、そう思うんだ。

これから先も、ずっとそう思うのかな。

今日は雨が降っている。
久しぶりの雨は、ホコリやチリを流し落とし、ついでに人の意識の働きを少し止めたように感じた。
余計なことが、考えられなくなった。

そんな日も悪くないね。