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#11 荒波に降ろすキャリアの錨

こんにちは!
毎週水曜日開講の【キャリアデザイン学超入門】へようこそ!
以前確認した「キャリアの語源」を踏まえた、代表的な研究者のキャリアの捉え方紹介第6弾!
今回は大学に入って自分の進路に悩んだ際に大変参考になった、シャインの理論を5分くらいで読めるようにまとめました。

目次
1.8種類のアンカー
2.僕のアンカー
3.さいごに
4.参考文献

1.8種類のアンカー

まずキャリア概念についてですが、シャインは、キャリアを「人の一生を通じての仕事」「生涯を通じての生き方、その表現」としました。

まさに「生き方そのもの、人生」っといった感じでしょうか。

このキャリアを広い視点でとらえているところも僕のお気に入りポイントなのですが(笑)、僕自身の進路に活かした理論は「キャリア・アンカー」というものです。詳しく紹介します。


「キャリア・アンカー」とは直訳すると「キャリアの錨(いかり)」となります。「錨」は船から鎖を使って海底に降ろし、船を固定するためのものですね。そう、こんなやつです。

これをキャリアとして考えると、「キャリア・アンカー」とは、様々なキャリア選択の荒波に揺れる、自分という船を固定させておくための拠り所となるもの、価値観、軸のようなものを指しているといえるでしょう。

シャインはこのキャリア選択の軸となる「キャリア・アンカー」は以下の8つの種類に分かれるとしています。

①専門コンピタンス
特定の分野で能力を発揮し、自分の専門性を高め活かすことに意義を感じる。

②経営管理コンピタンス
スケール・責任の大きい仕事に取り組むこと、リーダーシップを発揮し組織を動かすことに意義を感じる。

③安定
リスクを回避し、将来への安定性を重視する。

④起業家的創造性
新しいものを生み出すこと、リスクを恐れず行動することに意義を感じる。

⑤自律・自立
組織のルールや規則に縛られないことを重視する。自分のやり方で進められる、裁量権が大きいことを大切にしたい。

⑥社会への貢献
社会の課題解決につながる、他者の役に立つことに意義を感じる。

⑦全体性と調和
個人的にやりたいこと、家族との時間、仕事などのバランス(ワークライフバランス)を大切にしたい。

⑧チャレンジ
困難な課題に立ち向かう、他者と競争することに意義を感じる。状況・環境の変化も積極的に受け入れる。


どうでしょうか?

ざっと読んだだけでも、「自分はこれが強いかなー」とか、「これは全然理解できない」というようなアンカーがあるのではないかと思います。

まさにその感情を持つことが大事で、自分のニーズに応じたキャリアの方向性を決めるために、自分が何を重視したいのか明確にしておこうという理論が「キャリア・アンカー」なのです。


2.僕のアンカー

ここからは、僕が実際に「キャリア・アンカー」という理論と出会って、どうキャリア選択に活かしたのか書いてみたいと思います。


僕がこの理論に出会ったのは大学2年生の春学期でした。

ちょうどこの時期、学校の教員になろうと大学に入ったものの、教育以外の領域も横断的に学ぶキャリアデザイン学部のカリキュラムの中で、「あれもおもしろそう!」「これもおもしろそう!」というものにたくさん触れ、教員以外の道もぼんやり考えていました。

一方で、きちんと自分の中でロジックがあって教員への道を歩み始めたし、家族や友人など周りの人に「あいつは教員になるために頑張っている」と思われていた(?)のもあり、「こんな簡単に教員への道をやめていいんだろうか」と思うこともありました。

こんな悩みがあったときに、自分の「キャリア・アンカー」を考えてみるという講義があり、自分なりに考えてみました。

すると、「社会への貢献」「チャレンジ」「専門コンピタンス」が自分の中で強いのではないか、とワークに取り組んだ結果、思ったわけです。

自分が教員をやりたかったのは、好きだった世界史を教えたかったのではなくて、「社会への貢献」つまり、誰かの役に立っていると直接感じることができることに意義を感じているからなんだなという気づきが得られたのです。

さらに、2つ目・3つ目に出た「チャレンジ」「専門コンピタンス」を発揮できるのは本当に教員なのか?という疑問も持ち始めました。

最終的に多くの他の理由も重なって(詳しくはまたいつか)、教員になることをやめるのですが、「キャリア・アンカー」という理論が自分の背中をそっと押してくれたわけです。

「お前のアンカーを満たすのは教員だけじゃないし、もしかしたら全く違うものかもしれない。」と。


もう僕にとってはシャインは神様のような存在ですね。

※ちなみにブログでは「シャイン」と呼び捨てにしてますが、口語ではついつい「シャイン先生」とか「シャイン博士」という敬称で呼んでしまいます(笑)。


3.さいごに

さて、今日はシャインの「キャリア・アンカー」という理論について簡単に解説してきました。

みなさんも自分のキャリアを考える際に参考にしてみてはいかがでしょうか。


そして、今日で一旦、大学で学んだ代表的なベースのキャリア理論の紹介は終わりとなります。

次回からはもう少し発展的な内容にも触れていきたいのですが、僕の仕事のインプットがもう少し進んでからの方が、これまで学んだことと絡めて、少し質の高いアウトプットになるかと思ったので、一度【キャリアデザイン学超入門】は水曜不定期投稿とさせていただきます。

社会人になって限られた時間の中で、ブログに書ける内容(キャリア関係)のインプットの時間を増やしたいなと。あと、単純に仕事をするうえで学ぶべきことがとても多く、そちらにも力を入れたいなと。思ったわけです。

【Vivid Books】はジャンルを決めてないので、自由にコンスタントにアウトプットできるんですけどね(笑)。

どうかご理解ください。


今日はここまで!

次の定期投稿は月曜日【Vivid Books#9】です。
それではまた。


4.参考文献


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