コンサルタントは潤滑油であり、改革を成功に導いたのは「会社への深い愛情」と「不退転の覚悟」だった
笠間たちのアプローチは功を奏した。一時は低迷した海外事業はかつての活気を取り戻し、プラス成長へと転じた。
大島は、笠間と浦田を銀座の小さなイタリアンレストランに招待した。オーナーシェフとその家族で経営するこの店は、大島の30年来の行きつけだった。常務となった今でも飾り気のないこの店を選ぶ大島の人柄に対し、笠間は安心を感じた。
「やっとこの日が来たね…長かったような、短かったような。二人ともよく頑張ってくれた。お疲れ様でした」
ワイングラスが交わる柔らかな音がテーブルに響