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HSCのはなし

HSC(Highly Sensitive Child)という言葉を聞いたことはありますか?
テレビやSNSなどでもHSPという言葉を目にすることが増えてきていますが、そのこども版と言われています。
HSCのこどもは、名前の通り、感覚や人の気持ちに人一倍敏感で、繊細です。

「不登校のはなし②」という投稿で、私と娘をまるごと受けとめてくれた先生のお話をしましたが、その先生を通して、娘がHSCであることを知りました。
それまでHSCという言葉をあまり聞いたことがなかった私は、時間を見つけてはHSCについて調べました。
すると、娘のことを観察して書いているのではないかと疑うほどに、特徴があてはまりました。


①人の気持ちや場の空気に敏感で、不穏な空気を感じたり他の人が怒られているのを見るとダメージを受ける

「優しくて良い子です。どんな子とも仲良くできるので安心です。」
娘が小学校に入学してから中学校を卒業するまでにもたれた担任の先生は、口をそろえてそう言いました。
家にいても、幼い頃からわがままひとつ言うことなく、反抗期もありません。
「少しくらいやんちゃをしたり、友達とケンカしたり、家でわがままを言っても良いんだよ。」
何度か娘にそう言いましたが、娘はほわほわと笑うだけでした。
また、私や家族の機嫌が良くない時は、一段とおとなしくなり、機嫌を伺うようにしていました。


②自分の気持ちをなかなか言えない、本音を言うと涙が出る

「何が食べたい?」
「あなたはどうしたいの?」
娘に聞いても、返ってくるのはいつも同じで、
「なんでもいい。」
進路を決めるなど、どうしても意見を言わなければいけないとき、娘は決まって話しながらぽろぽろと涙を流していました。


③感覚が敏感

初めての場所、初めて体験すること。
救急車や消防車のサイレン。
自分自身の体調不良すらも怖がり、手に汗をびっしょりかいて震えていました。

HSCの特徴は他にもいろいろあるようです。

娘がHSCだと知るまで、私は娘のことを、ただ臆病で、自己主張が苦手な子だと思っていました。
なので、食べたいものややりたいことを聞いても「なんでもいい」と言われることにイライラしたり、娘のマイペースさにこちらの方が焦ったりしていました。
「〇〇(娘)のことなんだから、ちゃんと聞かせて」と、追いつめるようなことを言ってしまったことも何度もありました。


「子育て=こどもを知ること。」
今になって、そう思います。
こどもがどういう性格で、何が好きか。
兄弟であっても、ひとりひとり違います。
親はこどもの成長を見守りながら、こどものことを深く知っていく。
そして必要なときだけ、その子に合わせて導いたり後押しする。
手や口を出したくなっても、とにかく耐える。
子育てって、親が一方的にこどもを育てるようなイメージですが、実際は親もこどもに成長させられているんだよなぁ・・・とつくづく思います。

私は今まで、娘に対して精一杯の愛情を注いできましたが、子育てをちゃんとできていたかというと、自信がありません。
娘の基準ではなく、私の基準で娘に接したことが数えきれないくらいあるからです。
余計な手出しや口出しも、たくさんした自覚があります。

大事な幼少期はとっくに過ぎ去ってしまったけれど、娘がいくつになっても、親子であることに変わりはありません。
遅ればせながら子育ての本質に気づくことができたので、これから時間をかけて、娘を見守っていきたいと思っています。




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