落語に関心がなくても【うるさい】
最近、といってももう数十年になりますが、寄席や落語会に行かなくなった理由はいくつかありますが、そのうちの一つ。
うるさいんです。
なんであんなにわーわー叫ぶんだろう。
声がひっくり返るくらいの大声を出さなくたっていいのに。
でも、大声を出せば出すほど、叫べば叫ぶほどウケる。
客が喜ぶ。
客がそれを求めている。
あぁ、今はこういうのがウケるんだぁ。
ということで行かなくなりました。
落語にはケンカや言い争いの場面がいくらでもあります。
悪徳大家のところに怒鳴り込んでヤカンで頭を引っ叩く若旦那。
きったない太鼓を買ってきた亭主に呆れて怒鳴るおかみさん。
例えば、そういうところで叫ぶわけです。
志ん朝だって、小三治だって、そういう場面を演じている。
もちろん、それ以前の名人たちだって。
でも、うるさくないんです。
これらの噺家さんたちだってそういう場面で大声を出しているんだと思います、多分。
でも、うるさくない。
うるさく感じない、私は。
でも、喧嘩の激しさや強い怒り、亭主に呆れるおかみさんの様子、ときには、クスッと笑ってしまう滑稽さ、は十分すぎるほど伝わってきます。
なんででしょうね。