見出し画像

噺を撮る【あくび指南 / 長屋の商売】

江戸時代には様々な商売があり、また、稽古をしてくれるところがあったようです。
モテたい一心で、何かを身につけようと、嫌がる友達を誘って、入り口に「欠伸指南所」(あくびしなんどころ)と書かれた家を訪ねた男。
入門を許され、早速あくびの稽古が始まる。
「あくび」といっても「あ~ぁ」という「駄あくび」(というんだそうです)ではなく、「四季のあくび」があるという。
習い始めたのは「夏のあくび」。
入り口で稽古を見ていた友達はその馬鹿馬鹿しさに大あくび。

/ 長屋の住民たちの中には自宅で何らかの商売をしていた人も多いようで、入り口の障子に何をしているかが書かれていました。
写真の「政助」の商売は「むきみ」。
アサリやシジミの殻をとったものを売り歩いていたようで、むいた後の殻を籠に入れて外に置いてあります。
「於し津(おしづ)」さんは三味線のお師匠さん。
障子に描かれた杵の絵は三味線の家元である「杵屋」を表したもののようです。
「秀次」の障子には何も書かれていないので通い職人であることが想像できます。
戸にかかっているのは桟俵(さんだわら:米俵の蓋)で、疱瘡(天然痘)除けのおまじないだそうです。