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WGIP(War Guilt Information Program)の暴挙

WGIPを知らないという人が案外多いこと、そして「WGIPは陰謀論」が今だに喧伝されていることを知ったので、一度整理しておきたいと思いました。

WGIPとは今から80年近く前にGHQによって行われた占領政策で、第二次世界大戦に関し日本人に対して戦争犯罪者としての罪悪感を植え付け、日本人は悪い人間なのだという贖罪意識を持つよう洗脳する為に行われた占領政策であり、具体的にはプレスコード(検閲)、焚書、公職追放(左派の伸長)、「真相箱」「太平洋戦争史」のようなプロパガンダなどの悪行であるが、その毒は2024年の現在でも多くの日本人、特に大学教授、メインメディア、政治家、経済人など、指導層の思考を奪っています。憲法9条(国軍で国を守るのは当たり前)、靖国神社(国家が国の為に命を捧げた英霊を祀るのは当たり前)、極端な政教分離(慣習・伝統に含まれる宗教心やそこから生まれる価値から1つに共同体である国家が独立できるわけがない)、歴史教科書問題(勉強科目としての歴史は史実を忠実に教える以上に、「良き日本人」に育てることが重要)などの議論が今も続いています。
自虐的に考えて「日本が悪い」と吹聴している人は一度冷静に見直した方が良い。日本軍にも悪いところは当然あろうが、大部分において西洋諸国や中国・朝鮮よりは相当マシであって、そんな連中から罪を一方的に問われる理由はないと考えてみてはどうでしょう。

日本人は、物事がうまくいかなかった時、自分が悪いと考える(自責思考)ように教育されていることが多いと思います。私のサラリーマン時代はそうでした。それは問題点を探るというよりも「自分で出来るアクション」を探すという方法論だったはずで自虐思考とは違います。正しい価値判断は別のところにあるようです。

これまでに明らかにしてきたように、共同体が長年育んできた価値観は真善美の判断基準ですが、WGIPは正にこれを強制的に破壊する行為、即ち国家を破壊する行為であって、戦争の勝者だからと言ってこんなことが許されるわけではなく、このWGIPはまさに「アメリカによる戦争犯罪」と言っても良い内容です。
ポツダム宣言の第13条は、あくまでも「Japanese armed forces(日本軍)」の「unconditional surrender(無条件降伏)」であって、政府でも国民でもないことは改めて強調しておく必要があります。

We call upon the government of Japan to proclaim now the unconditional surrender of all Japanese armed forces, and to provide proper and adequate assurances of their good faith in such action. The alternative for Japan is prompt and utter destruction.

WGIPは内容も多く、とてもNoteの投稿でカバーできるものではないので、この稿ではまず現在判明してるGHQの7つのPDFの抄訳をご案内します。検閲、焚書、東京裁判に関しては、また別の投稿でご案内しようと思います。
その前にいくつか概要をご説明します。

<WGIP概要>
■概要
担当はGHQ内の民間情報教育局(CIE:Civil Information and Education Section)であるが、実際の運用は日本人がさせられていた為、あたかも日本人自身が自ら反省して動かしているかの如く錯覚を与え、GHQの(違法で強制的な)占領政策という面がカモフラージュされている。この辺りが巧妙であったので事情を知らない日本人が洗脳されやすい仕掛けが施されている。当時はGHQに逆らうと追放されること(戦争直後では路頭に迷ってしまう)で従った人々もいれば、これを機会にのし上がろうという野心家もいて、そんな人はGHQの命令を喜んで推進していたようです。

■主な出来事:
(1945年09月) GHQによる占領開始
(1945年09月19日)
  ・「プレスコード」の発令⇒検閲、言論統制の開始
(1945年10月2日)
  ・公職追放⇒保守系の大量追放と左派・共産主義者の伸長
(1945年12月)
  ・NHK「真相箱」が放送開始、全国新聞で「太平洋戦争史」の連載開始
     ⇒日本が非道の国であったというプロパガンダが開始
  ・神道指令⇒国家から精神という背骨を奪う
(1946年05月~1948年11月)
  ・東京裁判
(1946年11月)
  ・日本国憲法発布

■推進体制

では、7つのPDFの抄訳に移りますが、これを見るとGHQは東条英機のと東京裁判での発言「これは復讐劇である」ということと、「広島・長崎への原爆投下は残虐行為である」という言説に気を使っていたことがわかります。それは正鵠を射ていたからですね。
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(1)1945年12月21 覚書(民間情報教育局:CIE)

【発信日】1945年12月21日
【発信】GHQ/CIE
【署名】Kenneth Reed Dyke(陸軍准将/CIE局長)
【宛先】GHQ各局長
【内容】以下の通り
戦犯容疑者の逮捕及び公判では以下の広報プログラムが使われる。

①    背景:日本の戦争犯罪は次の3つに分類される。
ここではA,B、Cは単なる区別であって、AがBより重犯罪というというわけではないことにご注意ください。

戦犯の3分類

② この広報プログラムの目的:

<A>侵略戦争の計画・準備・開始・遂行、あるいはそれらを達成するための共謀による有罪の為の十分な道徳的根拠を示すこと。
<B>戦犯へのすべての措置が全人類の為であることを示すこと。
<C>戦犯の処罰が平和な日本の建設や世界の安全に資することを示すこと。
<D>現在の日本人の苦しみの主な責任は戦犯にあるが、国民も軍国主義を許容したという意味で共同責任があることを示すこと。
<E>戦争犯罪を是とする制度の再建の防止責任が日本国民にあることを明確にすること。
<F>政治家・産業資本家・報道関係者など、日本の多くのグループに戦争責任があることを示すこと。
<G>戦犯は公正・公開の裁判を受けることになることを示すこと。
<H>量刑の言い渡しに関し、残虐行為には名誉的配慮を受ける資格がないことを明確にし、山下(奉文)裁判の時のような批判が出ることを防ぐこと。(※マニラでの山下裁判では法律家である裁判官なしに死刑判決が下されたことで、アメリカ国内からも批判があった)
<I>日本国民の間での戦争犯罪と戦犯に関する議論を促進させること。

③    メディア向け計画:


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(2)1946年06月03日 一般命令27号

【発信日】1946年6月3日
【発信】GHQ/CIE
【署名】Paul John Mueller(GHQ/参謀長)
【内容】以下の通り

(1)1945年10月2日の一般命令4号は廃止する。
(2)CIEは日本と朝鮮における広報・教育・宗教・その他の社会学的諸問題に関する政策に関して最高司令官に助言する為の専門スタッフである。

(3)CIEの職務は以下の通り
a)以下の事項に関する提言を行う
・連合国の広報・教育目的達成
・すべての公的メディアを通じて、民主主義の理想と原則を広めることで、信教の自由、表現・言論・報道・集会の自由の確立を促進する。
・敗戦の真実・戦争犯罪・現在や将来の日本の苦難や窮乏に対する軍部の責任・連合国による軍事占領の理由・目的をあらゆる階層の日本人に対して明確に示す。
b)広報プログラムを日本の公衆に届けるため、その推奨を行う。日本と朝鮮の政治的・経済的・社会的復興の為の政策・計画を公衆に理解させること。
c)以下の組織との連携を維持すること
・日本の情報教育省(文部省 and /or 逓信省)
・日本の新聞・ラジオ・映画・その他情報チャネル
・教育機関
・宗教団体・政治団体・商業団体。これらは最高司令官の情報・教育政策の目的に対する理解・協力を確実にするため。
d)世論調査に関する提案
・占領・復興プログラムに対する反応について最高司令官に正しい情報を上げるため。
・政策・計画を変更する際の正しい基礎情報とするため。
e)最高司令官の情報・教育目的の実行に必要な計画・資料・プログラムの作成・政策を指示する。
f)以下の内容を確実にするための提案を行うこと。
・日本の教育システムから、軍国主義・超国家主義の教義・演習を排除する。
・民主義的思想や考えの適切な普及を目指す新しい教育カリキュラムを加える。
g)芸術作品・骨董品・文化財・宗教的文物・歴史的遺物の保護・保全・救出・その他処置に関する提言を最高司令官に行う。

以上はマッカーサー将軍の命令による

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(3)1945年10月~1946年06月 第一次戦争責任広報計画の実施について

第一次戦争責任広報計画の実施(1945年10月~1946年6月)

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(4)1946年06月~1948年02月 第二次戦争広報計画の実施について

第二次戦争責任広報計画の実施(1946年6月~1948年2月)

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(5)1948年02月08日 覚書(民間情報教育局:CIE)


局内メモ
【発信日】1948年2月8日
【発信】CIE政策計画担当将校
【宛先】GHQ/CIE局長
【標題】War Guilt Information Program(戦争責任広報プログラム)
【内容】以下の通り

1)本メモは、CIEの戦争責任広報プログラムの経緯を辿りつつ、新しい段階を提案するG-2(CIS)(参謀第二部内CIS)へのドラフトである。

2)これまでに実行されたプログラムは2つのフェーズに分けられる。
a)フェーズ(1):1945年後段から1946年初め
b)フェーズ(2):1946年初めから現在

3)広島・長崎における原爆投下、東京裁判での東條の超国家主義的証言に関してのある種の日本人の態度やあり得ると想定される態度を鑑みて第3フェーズを提案したい。

4)この文書は執筆・編集・要約の過程で長くなってしまったので、CIE局長が読むには長すぎると思われる場合は、著者に返却し、第3章・4章に含まれているサマリーを抽出して、別途差し入れるように求める。

5)6ページと8ページに「教育(作成中)」の青字コメントがある。この部分はCIE局長の机に届く前の2月9日に提出される予定である。

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(6)1948年03月03日 第三次戦争責任広報プログラム提案書

戦争責任広報プログラム(第三フェーズ)の提案
1948年3月3日

【本プログラムの目的】

1)現状(又は将来起こり得ると疑われる)、ある種の日本人にある態度、それは広島・長崎に投下した原爆を残虐行為と見なし、アメリカによる広島の復興計画がその贖罪のために実施されるべきとする考え方に対処するため。

2)東條の役割及び日本国民の侵略政策を正当化するような間違った感情の高まりを、正確に解釈するため。

3)占領の終了後の超国家主義的思考が復活し、占領中の民主主義の進展を否定する事態が起こることを未然に防止するため。

【基本的留意事項】

1)直接的・攻撃的な広報プログラムはブーメラン的逆効果を生む可能性があるが、多数派の世論を扇動し固める手段となることもある。現在書類で判明している限りでは、少数派にとどまっているとは言え、超国家主義や(原爆投下が)残虐行為と考える意見がある。

2)政策にコンフリクトがあるかについての問題も広報プログラムに関連させて考慮する必要がある。現政策が示すのは、日本は経済的に再建され速い平和条約締結が望まれているということである。この点に関して正面攻撃的なプログラムを始めることは、アメリカ国民に対して占領軍は戦術的に、日本人は信用できないとか、経済支援の是非がはまだ議論の余地があるとか、平和条約は望ましくないといった認めることになってしまう。

3)東條裁判や広島・長崎の悲劇は戦争責任計画の冒頭に来ることとして考えられるといことが合意されている。とは言え、実際の取扱い方法は次の計画の概要によって変わる。

【採用される一般的な方法】

1)超国家主義の解毒剤として、政治情報や教育に重点を置く。(このことは既に広く行われているが、さらなる集中プログラムが進化し、承認待ちになっている)

2)超国家主義の再興やその背後にある虚偽的思考、更にその運動の避けられない帰結につながる具体的な動きついて十分伝えること。

3)影響力のある編集者や労働現場・農業・教育・政府等における指導者との接触では自由社会vs全体主義について強調されること。

4)進歩的・リベラルなグループの開発を進めること。

【具体的方法】

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(7)1948年03月03日 覚書(民間情報教育局CIE局長宛)

局内メモ
【発信日】1948年3月3日
【発信】CIE
【宛先】GHQ/CIE長官
【標題】War Guilt Information Program(戦争責任広報プログラム)
【内容】以下の通り

【提示されている「問題」】

以下の目的の為に企画された優先度の高い広報計画の適正さと実行可能性を決定する。
a)広島での原爆投下を残虐行為と考える一部の日本人やアメリカ人が増えつつある傾向を抑制する
b)東京裁判の判決の向けた日本人の心の準備

【「問題」に関連する事実】

1)1945年10月17日付のSCAP一般命令14号、1945年10月2日付のSCAP一般命令4号(6月3日付け同一般命令の27号の修正版)による、CIEの任務は次のようなものである。

-----QUOTE-----
a)次の目的のための提言を行うこと
(3)あらゆる階層の日本人に対して、敗戦の真実・戦争の罪・現在や将来の苦難に対する軍国主義者の責任、連合国による占領の理由・目的を明確にする。

----UNQUOTE----

2)その使命を果たすため、CIEは第一次戦争責任広報計画を1945年10月~1946年6月の期間実施した。これは日本におけるすべての公共メディア、即ち、新聞(付表B)、書籍(付表C)、雑誌(付表D)、ラジオ(付表E)、映画(付表F)を通じて実施された。

3)1946年に初ねに、第一次と少し時期が重なるが、第二次広報計画が開始され現在に至っている。これは更に前向きのトーンを帯びていて、民主化や将来の平和的な国際社会の一員としての日本への希望という内容である。とは言え、戦争原因・日本の戦争責任・戦争犯罪への言及は何度も行われた。これらは新聞(付表G)、ラジオ(付表H)、映画(付表I)、書籍(付表J)を通じて実施された。

4)最近G-2及びその他の情報源から入手した情報によれば

a)アメリカのとある科学者・聖職者・作家・ジャーナリスト・プロの中傷扇動者の文章や発言に触発されて、日本のいくつかの個人や団体では、広島・長崎の原爆投下に残虐行為という汚名を着せようしているようだ。そんな日本人の感情を反映してか、どのような教育的・博愛的運動がアメリカの資金で広島において、残虐行為への贖罪の気持ちでなされるべきとの感情がアメリカ人の間にも高まってきている。

b)ある日本人の間、特に日本の侵略行為や超国家主義を世界や日本の人々に正当化しようと考える連中の間では、東條が東京裁判で述べたには説得力があり、日本人の勇気は称賛されるべきものという感情が高まってる。東條の死刑は殉職と見なされる可能性もある。

c)これらの点は、現在はなりを潜めている超国家主義が占領終了後の国家再建時に頭をもたげる時の土台となり可能性がある。

【結論】

1)CIEは今日まで広報プログラムを実施してきたが、今の事の成り行きでは更なる広範囲かつ集中的な広報プログラムが必要であることを示している。それは広島・長崎の原爆東京裁判・東條の役割に対する誤解から生じる風潮やその誤解がもたらす全体主義に対抗するためにデザインされる必要がある。

2)そのような広報プログラムを実施すべきかどうかは、望まれている結果や占領目的を損なわない為には、細心の注意を払って決められるべきである。

【提言】

添付Kとして添付した広報プログラムのドラフトをご承認されたし。


■参考文献:
◇日本人を狂わせた洗脳工作 いまなお続く占領軍の心理作戦