真実を見る目

ジム·ジャームッシュの「ナイト·オン·ザ·プラネット」は、5つの短い話からなるオムニバス映画です。

その中の一つにパリが舞台になった話があります。

コートジボワール出身の男性が運転するタクシーに、白い杖を持った目の不自由な若い女性が乗り合わせます。

車中で運転手の男性が、女性の目について、気の毒がりますが、女性は余計なお世話とも言わんばかりの態度を取ります。

女性は、好きな人の気配は離れたところにいても、感じとることができると言いますが、運転手は信じることができません。

運転手は、「だったら、自分の出身地は分かるか?」と尋ねます。
すると女性は、見事に運転手の出身地を言い当てます。

川辺りに近い目的地に着くと、運転手は、女性を心配して、「お気をつけて」と女性に声をかけますが、女性から「あなたこそ気を付けて」と、告げられます。

女性が車から降り、しばらく行くと、先ほど降りたタクシーがぶつかる音が聞こえてきました。

女性には、運転手の未来が見えていたのですね。

本当のことを見極めるには、目が見えるかどうかは、関係ないことを、この映画は物語っていると思いました。

余計なことにとらわれて、大事なことが見えなくなってしまうことがあるのかもしれませんね。


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