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(1分読み)ユニバーサルデザイン(UD)の教科書98 定量調査と定性調査:使い分けと注意点

定量調査と定性調査:
使い分けと注意点

定量調査は、
対象の現状や傾向を把握するのに有効です。
例えば、商品の人気度や顧客満足度を調査する場合に有効で
仮説を検証したり、
効果測定を行う際にも有効と言われています。
◾️紙やWebでのアンケート調査
◾️電話調査
◾️会場調査
➡️(私は)
定量調査はバイアスがかかるので(後述)、
定量調査🟰シンプルな事実確認調査として扱うのがよいと思っています。

定性調査は、
対象の意見や考え、行動の背景などを理解するのに有効で
仮説を構築したり、
潜在的な課題や原因を探る際にも有効と言われています。
◾️行動観察調査
◾️デプスインタビュー
◾️グループインタビュー
➡️(私は)
定性調査🟰潜在課題を発見する調査として扱うのがよいと思っています。


定量調査と定性調査は、それぞれに得意とする分野があります。
そのため、両者を組み合わせることで、より深い洞察を得ることができます。

例えば、
定量調査で現状や傾向を把握したうえで、
定性調査でその背景や原因を探る、
といった組み合わせの使い方もできます。

ただ、
人間は合理的な思考と行動をしているつもりでも、
不合理になってしまうことがあり
注意が必要
です。

定量調査の注意点

人は「お利口さん」であろうとすることで、「本来思っていない回答をする」ことがあります。


商品の満足度を調査するアンケートで、実際には不満を感じているのに、それを正直に答えてしまうと、自分の評価が下がってしまうのではないかと不安を感じ、満足しているような回答をしてしまう。

これは
社会的望ましさバイアスと呼ばれる認知バイアスに該当します。

社会的望ましさバイアスとは、
自分を良い印象に見せたい、あるいは、周囲の人に良い印象を与えたい、という欲求から、

自分の本当の考えや感情を隠して、社会的に望ましい回答をしてしまう
、というバイアスです。

バイアスに対処する方法
以下の点に注意することが有効です。
* 質問内容を明確かつ簡潔にする
* 質問内容を回答者の社会的評価に影響を与えにくいものにする
* 回答者の匿名性を保つ


定性調査の注意点
グループインタビューの場合は要注意
グループインタビューとは、複数の被験者を集めて、自由に意見を出し合う形式の調査方法です。

この調査方法の特徴として、被験者同士のコミュニケーションによって、新たな発想や意見が生まれやすいという点が挙げられます。

しかし、この特徴が逆に、発言に影響力のある被験者(インフルエンサー)がいる場合、自分の意見がインフルエンサーの意見に影響を受けてしまうこともあります。

例えば、インフルエンサーが強い意見を主張した場合、他の被験者は、インフルエンサーの意見に賛同する傾向があります。

その結果、本来は異なる意見を持っていた被験者も、インフルエンサーの意見に影響を受けて、同じ意見を述べてしまうことがあります。

このように、グループインタビューでは、インフルエンサーの影響力に注意する必要があります。

インフルエンサーの影響力に対処する方法
以下の点に注意することが有効です。
* インフルエンサーの人数を少なくする
* インフルエンサー以外の被験者にも、発言の機会を与える
* 調査員がインフルエンサーの影響力を抑えるような質問やコメントをする

また、インタビュー結果を分析する際には、インフルエンサーの影響力を考慮して、慎重に判断することが重要です。

以上のように、
調査にはさまざまな注意点があり、
文章も多くなってしまいましたが、

それらを乗り越え、
ユーザーインサイトを深く理解することができたとき、人の人としての魅力・奥深さをとても感じ取ることができるのが調査の最大の醍醐味だと私は思います。

もちろん良い調査ができれば、
ビジネス上の解決策の精度も上がります。

調査は楽しい!


Think Universality.

Think Difference.


m.m

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