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福島第一原発:伐採木の貯留ピットで火災報知器鳴る

今度は火災報知器が鳴ったが原因が未だわからないという事件だ。


経緯

2024年2月22日午前3時37分、福島第一原発の「増設雑固体廃棄物焼却建屋」の「5階の廃棄物貯留ピット」で火災報知器が作動。東京電力によれば「監視カメラで現場付近を確認したところ、現場火元なしを確認していましたが、その後、水蒸気により現場確認ができなくなり、火災の可能性が否定できなくなったと判断」し、2時間後の午前5時38分に119番通報(第一報)。

約9時間後の午後0時03分に安全を確保したうえで(略)3階の防火シャッターを開け、当社社員により廃棄物貯留ピットの状況を確認しました。目視確認の結果では、水蒸気の量は多かったものの、廃棄物貯留ピット内に炎は確認されておらず、廃棄物貯留ピット近傍の温度についても約30℃程度であった」(第二報)。

約13時間後から4時間(午後4時8分から午後8時9分)をかけて、火災報知器作動で停止した排気設備を復旧。しかし、「水蒸気の滞留が解消に至らなかった」ので、準備が整い次第、「ピット内に注水」するとした(第三報

約21時間後、2月23日午前0時40分より注水を開始。しかし、水蒸気の滞留が解消していないので、注水を継続するとあるのが2月24日正午現在の最新情報だ。

2月26日、注水でピットが水没と発表(2月27日加筆)。

尋ねないとわからなかったこと(場所)

22日は木曜日、会見のある日だった。尋ねないとわからないことを確認していった。まず配置図(下図)を見ながら場所と状況を尋ねた。

2024年1月25日中長期ロードマップ進捗状況(概要版)より

わかったのは、「増設雑固体廃棄物焼却建屋」の場所は1F中央から見れば北西の下の紫色のところ。その北側に「伐採木」が積んであるが、それを野外でチップにして「増設雑固体廃棄物焼却建屋」に運び入れて廃棄物貯留ピットに積んである。

2024年1月25日中長期ロードマップ進捗状況(概要版)の配置図を抜粋拡大

増設」した「雑固体廃棄物焼却建屋」は伐採木を燃やす焼却炉。上地図の東側にある「雑固体廃棄物焼却建屋」は使用済みの防護服などを燃やす焼却炉だという。今回の現場は「増設雑固体廃棄物焼却建屋」だ。

未だわからないこと(火災報知器が鳴った原因、水蒸気の正体)

「水蒸気」の正体は、会見(リンク切れする動画)で新聞記者に問われて、「廃棄物クレーンで移動する際に、水蒸気が発生することがあるが、室内で発生したことはなかった」と言ったり、「微生物がいて、発酵するので、発熱したかも」と言ったり、いまだ東電広報担当者の「個人的な見解」に過ぎず、はっきりしない。

「火災報知器は煙を検知すると言ったが、映像か?熱か?個体か?」と聞くと、「光(光の遮り)で反応するらしいが確認する」ということで終わっている。

次々とさまざまなことがあるので、今回のことはその一つとして、単純に記録しておく。

【タイトル画像】

春雨が降り注ぐ東京電力本社ビル(2024年2月22日)。会見後に筆者撮影。


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