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白昼夢【エッセイ】六〇〇字

 夢の十億円年末ジャンボ、夢のまた夢ではあるが、年に一回は買っている。しかし、番号発表があっても、すぐにはチェックしないようにしている。次のクジを購入したときに、確認するのだ。夢を年中、見続けられるから。
 宝クジとは違って、ベッドで見る夢は、「夢物語」ではないことが多い。ニタニタの夢なら、許されるならそのままずぅっと寝ていたいのだけど、いいところで覚めてしまう。映画のように観たい作品を選ぶわけにはいかないし、ニタつく夢を見ていてトイレで起きた後、続きをと思っても、ネトフリのようには、いかない。全く「夢のよう」ではない。
 ゴルフ好きで、関連の夢をよく見る。「いや~参った。きのう見た夢。全ホール、バーディーだったよ」なんて、冗談を言うことがあるけども、真逆なのだ。ほとんどが、スタートの時間に間に合わないとか、到着しても車に積んだはずのクラブがないとか、ティにボールを乗せようとするのだけれども、乗らないとか、なかなかスタートできないのだ。
 そんな夢ばかりだけど、コロナ禍の暮らしはでてこない。いま、ニタニタの夢になっているのは、コロナ後の日常なのかもしれない。
 宝クジは、布団に包まって見る夢と違って、まさに昼間見続けられる。であるのに、換金しなかった金額が、昨年、七億円で二本、一億五千万で四本あったという。「あれは夢だったのか」とならないように、次のクジを買うときには、忘れずに、チェックしよう。

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