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自腹文化から更新文化に2

前回、私はこう述べました。

更新を嫌う文化は、それを取り繕う文化を生む。
それがブラック自腹文化です。

何故自腹か

自衛隊の被服は、まず更新が遅いこと、そして、それが文化になってしまっていること、さらに、それを取り繕う文化で補ってしまっているということ。問題が山積みなのです。

更新自体はしてはいます。遅いですが少しずつ。
けれども行き渡らない。行き渡っていかない。
ゆえに自衛官が自腹で最新版を買い求める。
或いは類似品の使用許可を上官や先任に請う。
官品の性能のしょぼさを補うためです。
官品は所詮、無償貸与なので好きに扱えません。
貸与ですからね。国の備品ですから。
自腹だとそういうものを気にせずに扱えるので、性能面でも、そして、精神面でも、官品より自腹のほうが、任務遂行に良いのです。

制度上の瑕疵

おかしくないですか。
国が用意したものがしょぼいから自腹って。
しょぼくない最新のものを用意して然るべし。
そして最新のものを貸与でなく給付すべし。
被服は購入費を渡す方式にしたら良い。
営内の官品で凌ぐという発想が、そもそも更新を嫌う文化の典型であろうと思います。
また、最新版が無い時に自腹をさせるというのが弥縫策でしかありません。最善策でないのです。

購入方式にすると、サイズ毎に余剰が多くなり、在庫が増えはしますが、現状よりは良い。
余剰在庫は米軍のように、デッドストックの放出で良いわけです。
被服の機密情報なんてしれています。
機密情報がもし仮に多く含まれているなら、現在の日本の更新頻度では、余裕で分析済みになると推察できるはずでしょう。

どんどん更新をして、どんどん市場に出す。
このほうが機密を守れるし、命を守れるのです。
県防災や市防災、消防署や消防団、自主防災などの人間が、旧型被服を気軽に買える状態の方が、余程良いと思います。
旧型被服を使えるだけ使い、順次更新にしている現行のほうが余程危ないです。

武器輸出より被服輸出を

武器輸出よりも被服輸出が先じゃないですかね。
ミドリ安全も、ミズノも、アシックスもある。
プーマのOEMもあるわけです。
これで半長靴がしょぼいというのがおかしな話。
帝人も、旭化成も、小松マテーレもある。
インナーや雨具がしょぼいのがおかしな話。
自衛隊は、作業服や安全靴、或いは、インナーや雨具のフロントランナーになれるはずなのです。

防災ノウハウや復興ノウハウの輸出は、多方面でできるはずです。ありとあらゆる方面で。
道路や架橋に限定するべきものではありません。

日本は高速鉄道の輸出には力を入れていますし、今後武器輸出を可能にしてしまいました。
しかしながら、まずは自衛官一人一人のニーズを捉え、被服の輸出に力を入れるべきではないですかね。

日本もアルファ社やアヴィレックスのような被服を出せるはずです。
※日本国内で市販されているアルファ社のMA1は、エドウィンがつくっています。

自衛官の自腹で誤魔化すよりも、購入費を渡して被服の発展に繋げていくほうが、プラスであると思います。
国防、復興、労働環境、産業振興、あらゆる面で、プラスのほうが良いですから。

そのためには、現行品で粘るだとか凌ぐだとかの文化からの脱却を徹底的に図って、絶えざる更新を文化としていく必要があるでしょうね。

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