森男おがわの

森が好きです。

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最近の記事

「砂漠」と「失踪」~「砂の女」をより楽しめるキーワード~芸術新潮 2024.3 号より

安倍公房生誕 100 周年を記念して、芸術新潮 2024 年 3 月号では安倍公房特集が組まれている。 ここでは、早稲田大学院教授鳥羽先生が書いた「 キーワードで開く安倍文学の扉」から、僕が読んだ『砂の女』の感想を「砂漠」と「失踪」の二 つのワードを取り上げて書こうと思う。 キーワード~砂漠 『砂の女』では、何といっても砂に囲まれた集落が印象的だ。 安倍公房が持つ砂のイメージとは何だったんだろうか。 そんな疑問を考える手助けになるキーワード。 この記事を読んで印象

    • 読書ノート『壁とともに生きる』ー わたしと「安部公房」 第一章「自由」の壁ー『砂の女』

      この本はヤマザキマリが安倍公房の作品に対する思い入れ、解釈を集めたものだ。今回の読書ノートでは先日、僕が読んだ『砂の女』を取り上げる。 この章『「自由の壁」ー砂の女』では、安部公房の長編『砂の女』で語られる自由、アイデンティティをヤマザキマリの視点から語っている。 この『砂の女』には、明確に「壁」という単語は使われていない。 しかし、村の存続の為、無理矢理閉じ込められた男はまさに村の外の社会と壁で隔てられたと考えることができると思う。 話は、変わるがヤマザキマリさんが

      • 読書ノート振り返り

        今回はここ最近noteに書いた読書ノートを振り返ってみる。 下記がここ最近の読書ノートに書いた本です。 『民藝四十年』著:柳宗悦 民藝という言葉の生みの親、柳宗悦が民藝運動について、また朝鮮美術について自身の思いを書いた本。 『記憶する体』著:伊藤亜沙 障害当事者11人をインタビューし、それぞれの体の感覚との向き合い方を考察した本。 ケアや対話に興味がある人におすすめ。 『防災イツモマニュアル』著:梶谷牧子 被災、防災の備えをイラストで読みやすく、楽しく書かれた本。 『家

        • 読書ノート「なぜ、読解力が必要なのか?」

          『なぜ、読解力が必要なのか?』 著:池上彰 この本では、読解力を「不条理な世の中を生き抜くために欠かせない力」と書いている。 日常生活のコミュニケーションにおいて、読解力が活かされる場面が多々あることに気づかされた。 情報をただ取り入れただけでは、もったいない、どうせなら活かしたい。その為にもただ読むだけではなく、読解力を身につけると表現や理解の幅が広がることをわかりやすく伝えてくれる。 本を読むと新しい体験をした時と同じ気分を味わえる。それが楽しい。 本を読んで理

        「砂漠」と「失踪」~「砂の女」をより楽しめるキーワード~芸術新潮 2024.3 号より

          第4回 読書会『ゆるく読書家になる時間』、終了!

          第4回 『ゆるく読書家になる時間』、終了しました! 2名の方にご参加いただきました。 紹介された本 『ろまん灯籠』著 太宰治 新潮文庫 5人の兄弟が一つの小説を書き紡いでいく。 長男が太宰治に似ていると感じたそう。 『「待つ」ということ』 著 鷲田清一 角川選書  日常に溢れる「待つ」という行為。 「待つ」は、相手に反応を期待するという行為でもあることと書いていて、はっとさせられた。 『丹精で繁盛』 著 瀬戸山 玄 ちくま新書 丹精に仕事を積み重ね、常識を脱し、未来

          第4回 読書会『ゆるく読書家になる時間』、終了!

          家族で備える防災対策―『家族でそなえる防災・被災ハンドブック』

          この本は、家族で考える災害への備えや被災後の暮らしで役立つ情報が満載だ。何より、ストレス対策、ケア、お腹に子どもがいる人や高齢者、障害を持つ人など要支援者が家族にいることを考えた対策まで扱っている。 170ページやわらかいイラストを交えて、優しく解説しているのでとても読みやすい。 家族を持つ人にとくに読んでほしいのは、チャプター5 「被災後の暮らしとお金の話」 だ。 公的支援を受ける為の「り災証明書」の扱い、必要になる場面から備えておきたい保険のことまで網羅している。

          家族で備える防災対策―『家族でそなえる防災・被災ハンドブック』

          読書ノート 『防災イツモマニュアル』

          読書ノート『防災イツモマニュアル』 文:梶谷牧子 ぼんやりした知識はあるけど、どう動き始めたらいいのか、わからないって時ありませんか。 すぐに始めたいけど、効率良く準備したいって時、ありませんか。 そんな人に手にとってほしい1冊です。 「備えることは、きっと社会も変えること」(防災イツモマニュアル P.139 1行目) 「在宅避難」に備えるー『防災イツモマニュアル』 被災した際、避難所に行かなくても生活も営むことができる備えをすることを目的として書かれた本。文を書いた

          読書ノート 『防災イツモマニュアル』

          読書ノート「記憶する体」

          読書ノート『記憶する体』著 伊藤あさ 「そうした切断や喪失を含め、自然と人為が混りじ合う記憶の場として、体を語ること。それが本書の目的でした」(P.274 2~3行より) ~読んで思うこと~ 「身体と向き合った記憶の物語」 これは、著者の伊藤亜紗さんが、十一人の当事者にインタビューし、その体が当人にとって、どんな感覚で向き合ってきた記憶を語り、それがどんなものか考察している。 ここで語られる当事者は、全盲の人、吃音を抱える人、左腕に障害を持つ人など、様々だ。 個人的

          読書ノート「記憶する体」

          読書ノート『〈聞き上手〉の法則』

          読書ノート『〈聞き上手〉の法則』著:澤村 直樹 NHK出版 生活人新書 こんな人におすすめ 自分のことを話すのって気持ち良いって感じたことないですか。 相手と何でもいいから分かちあいたいって思ったことないですか。 「そういう自分との対話が上手くいっているから、自然と相手にも安心感を与えることができるのではないかと思います」(P218.3-4)より ~自分のクセに気づけるといいな~ 話を聞き、会話を続ける上でのコツを15個、紹介されている。 このコツとは、傾聴のコ

          読書ノート『〈聞き上手〉の法則』

          読書ノート『民藝四十年』

          読書ノート『民藝四十年』著:柳 宗悦 岩波文庫 こんな人におすすめ お茶碗って味があるって思ったことないですか。 美しさと醜さの違いって言葉で説明できますか。 美の考えを持ちたいって考えたことありませんか。 「使いよく便宜なもの、使ってみて頼りになる真実なもの、共に暮らしてみて落ち着くもの、使えば使うほど親しさの出るもの、それが民藝品の有つ徳性です」(P161.4-5)より ~感想~ この本は章ごとに扱っているテーマがまるで違っている。なので、全体的な本の内容に対して

          読書ノート『民藝四十年』

          『ゆるく読書家になる時間』終了しました!

          シェア型本屋「センイチブックス」にて、夜イベントとして、開催した『ゆるく読書家になる時間』終了しました! この読書会は、話してアウトプットするだけではなく、本を読んで感じたことを書いてから話すことでいったん、頭を整理してから話します。 その場で用意した本を読み、その後、読書ノートをつけ、感想を話す会です。 第一回となった今回は一名の方に参加してくださいました。 持ちよった本は、「母という呪縛 娘という牢獄」と「利他とは何か」です。 親子の殺人事件を負ったルポと利他と

          『ゆるく読書家になる時間』終了しました!

          本を実践する~「ゼロからできる 自治体の財政分析」ー市町村税の構成比率と聴取率編

          今回は、神奈川県の政令指定都市である、川崎市、横浜市、相模原市の市町村税の構成比率と徴収率をまとめてみます。 まずは、横浜市です。 次は、川崎市です。 最後に相模原市です。 今回は、ここまでです。 次回からは歳出をまとめていきます。 これは、実際に本の手引きをしてみて、書かれている知識を身につける試みです。

          本を実践する~「ゼロからできる 自治体の財政分析」ー市町村税の構成比率と聴取率編

          本を実践する~「ゼロからできる 自治体の財政分析」―歳入編

          かなり間が空きましたが、前回のブログの続きです。 今回は、自治体の歳入ついて、本に沿ってまとめてました。 1. 自治体の現状を把握するー歳入編ここでは、総務省の地方財政状況環境調査関係資料である、令和元年度市町村決算カードと総務省の報道資料「地方財政の状況」(地方財政白書)もとに神奈川県の政令指定都市である川崎市を例にして歳入の状況を見ていきます。 まず、ここでいう決算カードと地方財政白書とは何か書いていこうと思います。 決算カードとは、年度に実施した地方財政状況調査の

          本を実践する~「ゼロからできる 自治体の財政分析」―歳入編

          本の内容を実践する~「ゼロからできる 自治体の財政分析」

          0.初めにここでは、一冊の本を参考にして市町村の置かれた状況を見ていこうと思います。 手順をわかりやすくし、気軽にやれるようにまとめていきたいと思います。 自分の住む市町村がどんなは財政状況で一市民としてみんな気になっているではないかと思い立ち、今回、やってみようと思います。 また、「こういった実践系の本は手に取ったいいけど、一度読了しただけであとはほったらかし」っていうことが僕だけではないのでは、と考え、みなさんと読書で得た情報を共有したいと思い、ブログを書きます。 1

          本の内容を実践する~「ゼロからできる 自治体の財政分析」

          いいんじゃない?っていうよね

          今日もふと思ったことを書きます。 振り返ってみたら、自分が関心のない二択の質問を 知人からされた時、よく「そっちでいいんじゃない?」と適当に一方を選択する。 そして、その後の雑談に付き合うか、考えずに答えたことがなんとなく伝わり知人を不快にさせる。 こんな流れをかなり繰り返してきた。 これからもこの回答をやめるつもりはない。時には、「俺には興味がないからどっちでも君の好きな方を選べばいいと思う」と正直にいう、かもしれない。わからないが、別に質問してきた人を不快にさせても

          いいんじゃない?っていうよね

          「しかたない」ってことは

          今日は、ふと思ったことについてです。 「しかたない」という言葉が好きだ。 自分に対しての諦めだったり、人と同調する時にもたくさんこの言葉を使ってきたように思う。 複数人で物事に取り組み、失敗した時、場の雰囲気を和ませる力があると思ってる。 もちろん、諦めるか、次に挑戦しなくちゃいけないんだろうけど、何かに失敗した後、いきなり反省に入ると、緊張したままになって心を体も強張ったままになってしまう。 周りと自分に対して、合間を入れる為に「しかたない」を使うことが多い。

          「しかたない」ってことは