ドイツから日本へ帰国する方へ -PCR検査予約から陰性証明書発給まで-
皆さん、ご無沙汰しております。前回のnote記事から、だいぶ間が空いてしましましたね…更新するのって大変ですが、気が向いた時に書く感じでいきますので、皆さんもその感覚で待って頂ければと思います。
さて、今回の記事はホストマザーからの依頼もあり、コロナ検査における陰性証書を取得するまでの過程を書きました。(なので、ナンバリングは外しています)
ドイツから日本に一時帰国する際に必要な事や注意しないといけないとこなどを書きましたので、皆さんの一時帰国・本帰国の際の参考にした頂ければなと思います。(思った以上に長文になってしまったので、PCで見て頂くことをお勧めします。)
はじめに
本記事は、現在住んでいる家のホストマザーより依頼があり、このような形でまとめることにしました。
結論から申し上げますと、厚生労働省が推奨している検査証明フォーマットへの記入はしてもらうことは出来ませんでした。そして、出国当日に搭乗カウンターで書類不備による搭乗拒否を食らいました。かなり精神的なダメージはありました。金銭的にもシャレにならないです。
しかし、そこまでに至る過程などを記載することで、何かしらの役に立つと思い、記録として残すことにしました。同じ思いを皆さんにしてほしくないと思い、僕の行動を反面教師として捉え、同じ過ちを犯さないように役立ててほしいと思います。
PCR検査を予約する
現在、日本へ入国する際に、全ての国・地域からの入国者,再入国者及び帰国者は(日本国籍者を含む),現地出国前72時間以内に実施したコロナ検査の陰性証明の提出が必要となっています。
当然ドイツも例外ではなく、出国前72時間以内に実施した、日本が指定した検査方法を用いたコロナ検査(ここ、ドイツの場合は大事)の陰性証明書が必要となります。病院や診療所、コロナ・テストセンターなど、多くの場所で検査することが出来るようになりました。
ただ、ドイツの多くの検査がAntigen-Test(抗原検査)の為、RT-PCR法で採取するコロナ検査で無ければ、日本に入国する際に必要となる陰性証明書として使うことが出来ません。
なので、まず、PCR検査が可能なコロナ検査機関を在ドイツ日本国大使館などで調べます。自分のかかりつけ医(Hausarzt)や街のコロナ・テストセンターでもRT-PCR法を用いたコロナ検査をしているところもありますが、これはそれぞれの自治体で異なるので、各自確認する必要があります。
ドイツにおけるコロナ検査機関(在ドイツ日本国大使館)
ここで紹介されているコロナ検査機関は、基本的に厚生労働省が推奨している日本のフォーマットへの記入をしてくれるとのことです。
ただし、ここが日本でないことを覚えておいてください。
ドイツは州や地方自治体が活発である背景もあり、銀行なども支店によって融通の利き方が変わりますので、注意が必要となります。
僕は大使館のサイトに記載してあったMEDICARE Testzentrumの「Stuttgart Mitte」を選択し、そこでPCR検査を予約する事にしました。
まず、MEDICARE Testzentrumの各支店の中から、Stuttgart Mitteを選択します。すると、以下のようなスタート画面が出てきます。
この画面を下にスクロールしていくと、3つの選択肢が出てきます。
・Bürgertest(市民向け抗原即時検査)※検査費用が無料
・Antigen-Schnelltest(抗原即時検査)
・PCR-Test(PCR検査)
の中から、PCR検査を予約(JETZT BUCHEN)する。
(前述した通り、抗原即時検査は日本の検査方法に該当しない)
そうすると、PCR検査の希望日と希望時間を選択することができます。(約1ヵ月先までの予約が可能)
出国が5月8日13:30なので、72時間以内(5月5日13:30より後)の日時で予約できるかを確認した。今回は5月5日17時に予約する事にした。
「続ける(weiter)」をクリックすると5分単位の予約画面に変わります。
ここで、17時の枠を選択し、予約を続けます。
続いての画面は、PCR検査の購入者(Käufer)とテスト被験者(Teilnehmer)の入力画面になります。
チェック項目を読み、チェックを入れ、予約を続けます。続いては、支払い画面に入ります。
クレジットカードやPaypal、GooglePayなどの支払い情報を記入し、予約を完了させます。
予約が完了し、チケットが無事に発行されると、上のような画面が出てきます。
検査情報が記載されたチケットを印刷し、テストセンターに持っていくか、登録したメールアドレスに送られてくるQRコードを提示する形で、テスト会場で受付をします。
検査証明を日本のフォーマットへの入力を依頼する
日本へ入国する際に、厚生労働省が推奨しているフォーマットに入力する事が求められています。(詳細はこちら)ただし、このフォーマットに記載の全ての情報が英語表記で明記されていれば、「検査機関所定の任意のフォーマットでも可」とされています。
とは言え、日本のフォーマットへの記入が一番安全なので、MEDICARE Testzentrumに問い合わせする事にしました。事前にFAQsで書かれているかも確認しておきます。
「自分の国が指定しているフォーマットがあり、それに記入してほしい」
問題ありません。ドキュメントに可能な限り記入して、私達テストセンターにメールで送信してください。私達は現地で行ったテストの結果を付け加え、ドキュメントに署名、そしてスタンプを捺印いたします。皆さんはオリジナルを私達テストセンターで受け取ることが出来ます。
なるほど、メールを送ればよいのですな。相仕った。
という事で、テストセンターにメールを送りました。
いまだにドイツ語で書くメールは緊張するし、正直書きたくない(笑)
慣れないドイツ語で、情報が見やすいようにメールを書きます。送信後、営業時間内だったのか、2時間後に返信が届く。
拝啓 込山様
ご質問して頂き、ありがとうございます。
残念ながら、我々はフォーマットに記入しません。
あなたのテスト結果がどのような形で得られても、(私たちの)フォーマットは国際的に有効です。
あなたは旅行をする上で何も心配する事はありません。
私たちはあなたの質問に答えられたことを願い、あなたにとって良い1日になることを祈っています。
敬具
いや、待て待て待て。
んじゃあ、なぜFAQsにフォーマット記入出来ることを書いたのよ?
納得が出来ないので、翌日11時半頃に、再度メールをテストセンターに送りました。
MEDICARE Testzentrumチームのご担当者様
回答ありがとうございます。
貴研究所の証明書が国際的に有効なのは理解しております。
ですが、日本は残念ながら日本のフォーマットしか有効になりません。
それに、目的地の国のフォーマットに記入すると貴研究所のWebsiteのFAQsで見つけました。
それ故に、貴研究所に日本向けの証明書に記入して頂きたく、再度依頼させて頂きます。
ご理解いただき、ありがとうございます。
敬具
前回は2時間ほどで返信が来たのに、このメールを送った後は返信が全くない…
「あれ、俺、なんか爆弾踏んだかな?」
結局、検査当日までも連絡が来なかったので、不安を抱えながら書類だけはプリントアウトして、テストセンターに向かう事にします。
PCR検査当日の動き
自分の個人情報などを記入し印刷したフォーマットを持ち、Stuttgart Mitteのテストセンターに向かいます。今回は、S-Bahnを利用し、StuttgartのStadtmitteからテストセンターに向かいました。
Stadtmitteの駅は、Hauptbahnhof側の出口から出ます。出口を右に曲がり、市内に向かいます。
このまま坂を上がり、真っすぐ歩きます。
右手には、スイスのチョコレートで有名なLindt(リンツ)の直営店がありますが、そのまま真っすぐ歩きます。
メインのストリートとなるKönig Straßeと交差しますが、それも越えて、真っすぐ歩きます。
ビルの間の道を真っすぐ下ります。Stuttgartは現在、中央駅の改修に伴い、街も再開発が進んでおります。(ゆえに所々で工事しています)
商店街を抜けると、目的地が見えてきます。
左手にあるファストフード店NORDSEEとキオスクの間に、テストセンターがあります。あまりにもひっそりとありすぎて、見過ごしてしまいそうですが、ちゃんとあります。
ものすごくシンプルな入口…
という事で、テストセンターに入ります。(予約時間より前に行っても、受け付けてもらえませんでした…)
受付でプリントアウトしたチケットを見せます。この時に日本のフォーマットへの記入も再度依頼。
「うちは国際的に有効なフォーマットだから問題ない。」
と言うので、日本は日本のフォーマットしか有効でないことを申し出し、フォーマットも見せる。すると、急に黙り込む…
「分かった。記入してもらうように伝えてみる。」
と言ってくれたので、フォーマットとフォーマット記入例の紙を渡します。
実際のPCR検査は2分も経たずに終了しました。
最初に綿棒で喉の奥を拭い、そのまま右の鼻の穴、左の鼻の穴を拭って終了。自分でやる即時検査よりも痛くなかったので、逆に安心しました。
担当者2人と帰る直前まで、フォーマットの記入について確認したり、結果の受理方法について確認しました。
検査結果の受理方法
翌日、同じようにテストセンターに向かいます。今回は、Stuttgart中央駅からの道順で向かいます。
König Straße方面の出口からKönig Straßeに向かって歩きます。
階段を上がれば、そこはもうKönig Straße
そのままKönig Straßeを真っすぐ歩きます。
様々なブランドショップが立ち並び、ショッピングストリートで賑わっていました。今はほとんどの店が営業しておりません…
左手に、Neues Schloss(新宮殿)が見えてきます。ここはStuttgartでも人気のインスタ映えスポットです。
映えるか映えないか、そんなことも気にせず、真っすぐ進みます。
この左側に見えるのも、コロナ・テストセンターですが、基本的に市民向けの抗原即時検査(Antigen-Schnelltest)なので、陰性証明書の効力が発揮されません。なので、そのまま、真っすぐ歩きます。
Stadtmitteから歩いてきた時に交差する場所はこの辺りになります。あとは、Stadtmitteから歩いてきた時と同じように、坂道を下り、テストセンターに向かいます。
テストセンターの受付で証明書の受け取りを聞くと、なんとWeb上からしか受け取れないとのこと。「いやいや、日本のフォーマットを紙ベースで欲しいんです。」と言うと、
「僕らも日本のBotschaft(大使館)に5、6回聞いて、OKもらっているから、問題ないよ。」
と、なかば強引に言われ、結局日本のフォーマットを受け取ることは出来なかった。Webで確認できたものも、MEDICARE Testzentrumが検査依頼をしている業者のフォーマットだった。
この時点で僕は日本のフォーマットを手に入れることが出来ていない。それは、出国日に空港の搭乗カウンターで交渉しなければならないということでもある。あー面倒くさい(笑)
ひとまず、Negativ(陰性)だったので良しとする事にした。
トラブル発生1:検査時間が実際と違う!
さて、テストセンターで貰った陰性証明書。書かれた内容を再確認していたところ、少し違和感を感じた。
「何かがおかしい…」
もう一度確認してみる。
ん?待てよ?
検体を採取した日時(予約日時)は、5月5日の17時だったよな…
なぜ、Probenentnahme(サンプル検出日)の時刻が13:45なのか?
これでは(人によっては)飛行機の搭乗時間に間に合わない可能性があるぞ?
これに気付き、帰宅して(19時半頃)、すぐさま陰性証明書を発行した業者にメールで問い合わせをした。
このメールに対して、翌日朝5時(!)に返信が入った。
おはようございます。
(お問い合わせ頂いた)時間の方を直しましたので、約1時間弱の朝6時過ぎに、情報が更新されたかご確認ください。
敬具
おー、ありがたい。
朝早くにもかかわらず、対応してもらって助かった。実際に確認もしてみる。
よし、検出した日時は正しいものになっている。ひとまず、これで安心。
ついでに、日本のフォーマットに記入する事が出来るか確認もしてみる。
そうするとメールを出して1時間後に連絡が入った。
残念ながら、私たちの証明書は指定されたフォーマットの為、頂いたフォーマットに私たちは入力することが出来ません。
私はその旨をあなたに昨日お電話して、それらの情報についてお伝えしようとしていたのですが、残念ながら連絡できませんでした。
敬具
そうか、いちよ電話しようと試みてくれたのか(着信履歴などは一切なかったが…)
ドイツ人としては丁寧な対応をしてもらえた。ここまで粘ってみても、日本のフォーマットは手に入れることが出来なかった。
仕方ないので、テストセンター発行の陰性証明書を持って、フランクフルト空港のカウンターで交渉するしかないのか…
MEDICARE Testzentrumのなぞ
しかし、どうも引っかかる。MEDICARE Testzentrumの人たちが、実際にBotschaft(大使館)に確認したかどうかなのだ。
気になったので、仕事の合間に在ドイツ日本国大使館に確認の電話をしてみた。大使館内でその対応をした者がいるか確認するとのことで、仕事が終わった後、再度確認の電話をしてみた。
すると、大使館側は、そのような電話を受け取った者がいないという事実が判明。MEDICARE TestzentrumのStuttgart MitteがKonsulat(領事館)に電話したこともあり得るとの事だったが、すでに領事館の受付時間を過ぎていたので、連絡するのを断念した…
※ドイツの場合、大使館と領事館が管轄する州が違うので、対応が出来ないことがしばしば生じる。
結果的に、大使館側の意見とMEDICARE Testzentrumの担当者の意見に相違が発生してしまった。問い合わせするにも時間が遅くなってしまったので、空港でのぶっつけ本番となることに…
トラブル発生2:テストセンター発行の陰性証明書にまさかの記載不備が…
ついに出国の日となり、8時過ぎには家を出た。今朝のStuttgart近郊の街の天気は驚くぐらいキレイな青空が広がっていた。
「きっと今日は運があるんだろうなぁ…」
そんなことをこの時は思っていた…そう、搭乗カウンターに到着するまでは…
予約したICEでFrankfurt空港駅に降り立つ。時刻は10時半過ぎ。出国時刻は13時半。まだ時間に余裕があったので、ドラッグストアでFFP2マスクやコロナの簡易検査キットなどを購入。その後、ANAの搭乗カウンターへ。
ANAの搭乗カウンターでいつも通りの出国手続きを行う。預け荷物を渡し、パスポートを見せる。そして、陰性証明書を渡し、日本のフォーマットで貰えなかったことを説明する。
…が、ここで係員から待ったが入った。
「お客様の書類に記載している検体の検出方法の表記に不備がございます。」
…はい?マジですか?
もう一度、MEDICARE Testzentrumの陰性証明書を確認する。
一番上の項目になる「Probenmaterial(検体検出)」の欄には、「Abstrich(拭き取り)」の記載がある。これではダメなの?
そう聞くと、日本のフォーマットの一ヵ所を指差され、こう言われました。(下記の図左の検査方法のところ)
「はい、ダメなんです。Nasopharyngealer Abstrich(鼻咽頭ぬぐい)か、Speichel(唾液)か、どちらかの正式名称が記載されていないと証明書として受け付けることが出来ないんです。」
…Acht, Du, Scheiß!
そう、MEDICARE Testzentrumの陰性証明書には、鼻咽頭ぬぐいの「鼻咽頭」の単語が書かれていなかったのです。テストは前述した通り、喉と鼻、両方に綿棒を入れた検査だったので、検査方法としては問題はなかったはず。しかし、書類上には「Abstrich(拭き取り)」のみしか記載されていない。
土曜も(いちよ)開業しているMEDICARE Testzentrum、検査を委託されていた業者に電話するも繋がらず…フライトの時刻は既に2時間を切っていた。ここでANAの係員の人にこう告げられました。
「…恐れ入りますが、お客様を飛行機にお乗せする事が残念ながら出来ません…」
…Acht, Du, Scheiß, Mann!
そうです、人生初の搭乗拒否を受けました…
いや、とは言え、そこは少しは融通が利くと思っていたが…ダメでした。いつもは曖昧な国ニッポンだったのに、今回ばかりは白黒ハッキリしていました…
元を正せば、MEDICARE Testzentrumの発行した陰性証明書に問題がある。それにMEDICARE Testzentrumの担当者が実際に大使館に確認したという根拠もものすごく薄い。いずれにしても、ほぼ不可抗力によるもので搭乗する事が出来ず、5月8日に出国の一時帰国が閉ざされた…
という事で、再検査となり、Frankfurt空港併設のコロナ・テストセンターで再度検査してもらう事になりました。幸い、翌日の便が空いていたこともあり、無料で翌日の便に振り替えて頂くことが出来た。
そこはさすが安定のANA様です。
おわりに
以上が、今回のコロナ検査の珍道中の一部始終となります。
コロナ検査の予約から、日本のフォーマットへの記入交渉、そして、検査機関の出したフォーマットで搭乗拒否を食らうという、あまりにも笑うしかない状況でした。笑ってでもいないとメンタル的に辛くなるだけだとも思います。再検査の費用、ホテルの宿泊費…まぁまぁな値段になりますが、安全に変えられるものは無いので致し方ないのかな…
皆さんは、僕のことを反面教師として覚え、同じ過ちを繰り返さないようにお気を付けて、日本にご帰国されてくださいね!
ドイツにおける検査機関、他
今回PCR検査をする際に参考にしたWebsiteです。参考にして頂ければ幸いです。
ドイツにおけるコロナ検査機関(在ドイツ日本国大使館)
水際対策にかかる新たな措置(全ての入国者に対する出国前検査証明の導入)(厚生労働省)
検査証明書の提示について(厚生労働省)
MEDICARE Testzentrum
余談ですが…
もう外を出歩く気力もなかったので、空港直結のHilton Garden Inn Frankfurt Airportに泊まる事にしました。
今回案内されたお部屋はこちら↓
キングベットのシングルルーム
元々ネジが外れている人だが、もう色んな意味で吹っ切れたのでしょうね(笑) 贅沢の仕方が雑になってきています…
こんな部屋で作業用BGMを流しながら、オードリーのANNを聴きながら、このnoteを書き上げました。日本に帰ったら温泉に入りたいな…
皆さん、この後また、夢でお会いしましょう、アディオス!
リトルトゥース見習い 込山優
ここでサポートして頂いたものは、ドイツでのジュニア指導ならびに選手としての活動費として使わせて頂きます。 皆様からのサポートに応えられるように、日々精進して参りますので、よろしくお願いいたします。