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[レビュー]Token Bass (Timmy Bass Mod)

■サンプル音源

■Feature

•Handmade in Hungary
•重さ 240g
•サイズ D×W×H= 11×6×3
•2band EQ
 Bass, Treble
•Gain , Volume
•電源電圧 9V center-
•ゲルマニウムダイオード
•Paul Cochrane/ Timmy のBass Mod

■使用感

Timmyが原型ということを忘れてはいけない。TimmyはTreble とBassが反時計回りに回し切った状態がフラットの設定。
そこからゲインを上げて行き、歪みによって尖った高音や暴れる低音をEQでカットしていくのがTimmyを使用する際の王道の音作りの仕方。このエフェクターも同様に音作りを行う。ただ、気をつけないといけないのがこのエフェクターはEQを時計回りにまわし切った状態がフラット。本家のTimmyと逆である。
肝心なサウンドはEQフラットでゲインをゼロの状態にするとクリーンでほぼフラットな音が出る。ほぼというのは50Hz以下が少し削れる。ただ、聴覚上ほぼ問題ない落ち方。ブースターとしても使える。
ゲインを上げていくと、さすがトランスペアレント系の改造ペダルでナチュラルな飾らない歪みが得られる。本家のTimmyをベースで使った際の少し篭ったような音もこのBass Modされたペダルからは感じられない。微かな歪みからディストーションのような歪みまでカバーしていて、ゲインを上げるに連れて本家のTimmy同様高域の尖り低音の暴れが見られる。
ゲインを上げても低音がスポイルされずにしっかりとベースの立ち位置が定まる。
また、このペダルはちゃんと歪みの種類の切り替えSwitchまで再現している。そこもこのペダルの魅力となっている。

■歪み切り替えスイッチについて

上から非対称歪み、対称のコンプレッション感の弱い歪み、コンプレッション感の強い歪みと三つのモードを切り替えることができる。多分この記事を読んでいる方の中にはピンとこない人もいるだろう。デモを聞いて頂ければ感じ取ることができると思うが、ざっくり説明すると、
>対称のコンプレッション感の弱い歪み
これからの他のモードの説明をこれを基準にして考えていただくことになる。
このモードでは歪みの粒が一番大きく一番弱い歪みが得られるが、もっともナチュラルでレンジ感が広く、使用するに十分な歪みもきちんと得られる。
>対称のコンプレッション感の強い歪み
基準としたモードよりレンジ感が狭くなるが、歪みの粒が細かくなりよりディストーションに近いサウンドが得られる。高域がやや抑えらているようなサウンド。
>非対称歪み
上2つのモードをミックスしたサウンドになっている。いいとこ取りのようなモード。
よーっく聴くとそれぞれのモードのサウンドを独立して認識することも不可能ではない。


■後書き

KaslederFX と私の出会いはこのペダルから始まりました。
実はこのメーカーのことは全く知りませんでした。クリスマスプレゼントにハンガリー人の彼女から頂いたのがこのペダルとの出会いでした。音楽に疎い彼女がプレゼントに何がいいかハンガリーのエフェクターコミュニティで相談したらしく、そこでKaslederさんをお勧めされたようでした。
Timmyの再現性が高く、且つしっかりとしたベースmodがされており、すぐにこのペダルの虜になりました。
私自身すぐにビルダーさんに興味が湧いてコンタクトを取るようになり、今では少量ながら日本に卸している次第です。
Höfnerの限定ペダルを手掛けたり、MXRと喧嘩してみたり、ポールマッカートニーにペダルを提供したり、幅広く面白いことをしている魅力的なビルダーさんがこのペダルを作り、彼の彼女でもあるデザイナーが奇抜でアーティスティックなイラストを提供しているようです。
年末にハンガリーに行く予定なので、そこでチャンスがあれば色々なエフェクタートークを魅力溢れる彼と楽しんでみようと思います。もちろん地ビールを飲みながら。


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