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[レビュー]Noble Preamp

■サンプル音源

■Feature

•Handmade in USA
•重さ 約1.36kg
•サイズ W×D×H=19×12.7 ×7.6cm
•アルミニウム筐体:スチールの30倍のシールド能力
•2.5band EQ
 Bass 150Hz 以下
Treble 3,5kHz以上
Low cut SW 90Hz以下
•ground lift SW
•2本の真空管
JJElectronic ECC82 (12AU7)
•電源トランス
 カスタムトロイダルコイル
(ピュアオーディオ界隈ではRコアトランスより低域が柔らかく、重心が低く濃厚と言われている)
•高品質トランス
Jensen/CineMag
•内部電圧 +350Vdc
•入出力ジャック
 SwitchCraft. Neutrik
•6つの9v電源出力
合計800-400mAの最大電流供給が可能
Maximum DC Output Current:
800mA @ 120/240VAC,
700mA @ 110/220VAC,
400mA @ 100VAC (Japan)
対応する国は下記で確認可能
https://www.denshi-trade.co.jp/documents/acplug/voltage-plug.html
•電源
使用する国に合わせて電源ソケットの中のヒューズSwitchを切り替えすることにより各国で使用可能。

■使用感

どんなベースを使う人にもお勧めしたい、過不足のないプリアンプ。ベースの音を力強く押し出してくれ、本来のベースの出すべき音をしっかりと整えてくれる。Bass trebleはブースト方向のみに働いて、カットすることはできないが、このプリの醍醐味的にはブーストで満足できる。醍醐味というのは絶妙なEQのポイントとそれをブーストした際のこの真空管アンプの持つ艶感と太さ(圧)の付加である。 真空管プリアンプとしての独特の艶感や音全体に絡みつく太さもとても上品で、EQと合わせて完成度の高さを感じることができる。個人的にはある程度気に入った音が出ている状態での補正に向いてると思われる。また、使用者の間でよく聴くのが、アンプやキャビネットがなくてもコレで満足できる音が作れるということ。私自身ベースのクリーンな音に関してはこのプリアンプを通したライン音だけで満足している。

■EQについて

Bass, Trebleの周波数域が絶妙で
ベースで出過ぎてしまいがちでボワッと膨らんでしまいがちな200Hz近辺を避けているBassのツマミでブーストしても嫌味のない低域補正ができる。
トレブルに関しても同様で耳につく2kHz周辺をずらしてのブーストになっている。より軽い金属感を感じれる高域の補正ができる。
Low cut SWについてはバスドラム等の低域と被りやすい領域をカットして、ギグ全体としての低音の出過ぎ等を整えてくれる。90Hzというのも軽くなりすぎないちょうどいい位置に感じる。

■真空管について

変に真空管っぽさを出しすぎておらず、原音のニュアンスをしっかりと残した上品な音に仕上げてくれている。私が気に食わないのが真空管を通すと音が良くなるという言葉。半分正解で半分間違いだと思っていて、極端な話、例えばグチャグチャと誰もが不快に思う咀嚼音を真空管アンプを通して聴くと良い音なのか。。。元の素敵な音があっての真空管。あくまでも部品の特性で、魔法じゃない。真空管を通すことで元の波形が変形し、そこに真空管を通した音と呼ばれる特有の倍音の付加が起こる。元からあるいい音にスパイスとして更に味を加えてくれるのが真空管プリアンプだと私は考えているが、このプリアンプはまさにそのスパイスとしての働きがとても良い。まず、自身でも満足のいく音を作って、オーディエンスからもいい音だと言ってもらえる音が作れたら最後の仕上げにこの真空管プリアンプなんて使い方がいいのかもしれない。

■後書き

偶数次歪みは善、奇数次歪は悪、というのをよく聞きます。トランジスタ は奇数次、真空管は偶数次の歪みが多く心地よい。そもそも誰が言い始めたのか。言い方や感じ方の違いはあれど適材適所。矩形波に近いファズをいい音として捉える人もいますし、激しい音楽にはマッシブで尖った奇数次の倍音を含む方が好まれていたりもしますね。そもそも楽器には両方含まれていて、ジャンルによってどの特性を活かすかが重要だと感じます。トランジスタ と比較すると歪み率等において劣る、もはや化石のような技術。その不完全さに翻弄される私たち。使う側としては、その音を肌や耳で感じ取って、理屈で押さえ込まむことなく素直に感じたままで良し悪しを判断した方がいいかもしれませんね。その方が聴く側にもその面白みがより伝わるのかもしれないですね。

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