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[レビュー]Goliath Preamp

■サンプル音源

■Feature

•Handmade in Luxemburg
•重さ 960g
•サイズ D×W×H=9×12×6cm
•PCBを使わないP2P設計
•3.5band EQ
 Bass, Treble, Middle, Deep SW
•ground lift SW
•真空管
  ECC86 24V低電圧真空管
•電源電圧 12V Center+
•高品質トランス
Lehle LTDI-L
•内部電圧 24V
•入力ゲインノブ
  (筐体の上部に飛び出て付けられている)

■使用感

まず奇抜なデザインが目を引く。
今までに見たことがないタイプのデザインで、手が混んでいる。
インプットとアウトプットが両方とも筐体の上部についていて、インプットがアウトプットの左側に位置している。なんの意図があるかは不明。気をつけないといけない。
肝心な音はNobleと比較すると、どの設定でも全体的にドライな音。
ただ、それがこのプリアンプの個性になっている。真空管による艶やかさと言うものは少なく感じるが、Deep SWをオンにした時の低域の自然なファットさはブルーミーとでも言うのかドライな音の中でも膨よかさを感じる。


■EQについて

Bass, Middle に関してはかなり緩やかに反応する。Trebleに関しては13時以降急激に耳に痛いところがブーストされるが、カットの方向に関しては緩やかに反応する。またTrebleに関してはブーストするとサーというノイズが目立つが、実際そこまでブーストをして使うことがないように思えるので問題ない。


■真空管について

このプリアンプは真空管特有のハイミッドからハイにかけての艶やかさや音の張りは少なく感じる。
ただ、低域をよりカラフルに膨よかにしてくれる付加は感じ取れる。そこにこのチューブプリアンプとしての味がある。
単純なEQでのBassの追加とは異なる,複雑なBass成分がローにまとわりつく。


■後書き

何故ルクセンブルクからこんな奇抜なプリアンプが製作発表されたのか調べてみました。
このペダルの作者のRoland WeilandさんはRMIの創設者のJacques Ruppertさんと仲が良く、彼の依頼でペダルを製作を始めたそうです。RMIはドイツのLehleから高品質で独特な形のプリアンプ、ブースターやコンプレッサーを出しているメーカーです。
そこで、当初はRMIのペダルとしてGoliathの製作をしていたようですが、テスト基準等の統一と希少パーツの在庫による少数生産、各パーツのマッチングによる工数等によりRMI工場内での生産に対して割りに合わずWR独自に生産販売を行ったようです。
このGoliathを開発と同じ段階でRMIから発表されたSonic SparkというペダルはGoliathのサウンドを元に製作されたペダルだそうです。
また、WRさんのサウンドへの自信とベーシストへのいい音の提供をしたいという情熱から利益を考えない低価格での提供を実現したそうです。常に通すプリアンプとしてオンオフのSwitchや起動時のledインジケーターを無しでオーダーすると5万5000円程で購入できる物になっています。
大手メーカーからも信頼が厚く、ヨーロッパのベーシストからも評価が高いこのプリアンプを一度試してみる価値はあると思います。


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