見出し画像

[レビュー]Valkyrie Spear / Violence Booster

■動画

■概要

仕様
・クリーンブースター
・電源:DC9~18V INPUT(センターマイナス)
    ※9V電池は非対応
・LED:ON(ボリュームノブ部が青色に点灯)⇔OFF(消灯)

■主な特徴とベースでのレビュー


 Violence Booster MK IIは独自回路とハイエンド&ビンテージパーツを含めた厳選した部品選定によって、分厚くパワフルで艶のあるサウンドを作り出すクリーンブースターです。
 ビンデージの名機ECHOPLEX系プリアンプのように、通すだけでサウンドが改善するという発想をベースとして独自回路設計にハイエンド&ビンテージパーツを加えることで太く、音抜けの良い独特なサウンドを実現しています。
ベースで使用しても確かに上記の特徴は出ています。比較動画で確認して貰えばわかるように、サウンドの艶と元気さは他のブースターよりしっかりと出ています。一般的にどのブースターを通しても、基本的には通してない時と比較して元気さが増すように感じますが、そのブースター同士を複数並べて比較してもその特徴は抜きん出ています。
その元気の良さも、EQでハイやミドルを出すのとは異なる、高品質なプリアンプを通したような艶と圧のあるサウンドになっています。
もう一点、このブースターの音質を特徴づけているのは仄かに感じることのできるコンプ感ではないでしょうか。限られたスペース内での厳選されたパーツによりダイナミクスや原音をしっかりと生かしつつ、独特の音圧を生み出しているのではと思います。比較動画ではルーパーを用いて同じ音源で全てピーク値を揃えていますが、大きな音に聞こえます。これはコンプをかけた際に生じるRMSの差によるものですが、それを感じることができます。

使用パーツとして、初段は数十種類の中から厳選して選び抜いたJFET(型番非公開)を、後段トランジスタにはビンテージFuzzfaceに搭載していた定評のあるBC183Lを使用しています。
 また、抵抗とコンデンサは回路の役割に応じてAllen BradleyまたはDALEを使い分け、電解コンデンサはOSコンとフィルムコンデンサーにトロピカルフィッシュの後継品を使用することで味に深みのある立体的な音に設計しています。
原音を活かしたコンセプトで設計しているため、音を太く力強くしたい、音抜けや音痩せの改善、艶感の追加、低域の締まりを良くしたいなどお使いのペダルボードの挿入位置によって様々な目的に対応することができます。
また、クリーンサウンドに限らず、お気に入りの歪み系ペダルと組み合わせることによってそのペダルが本来持っている潜在的なポテンシャルを更に引き出し、音の厚みやサスティンを強化することができます。
比較動画でもクリーンだけでなく歪みと組み合わせて比較を行なっていますが、微小ですが変化を感じることができると思います。チューブ歪みではスーパーローの辺りが、ダイオード歪みではハイのアタック感がより強調されてるように私には聞こえました。物により聞こえ方が異なるのは面白い点だと思いました。おそらく、他のところにも違いを感じる方はいるかもしれません。いつも使っている歪みペダルをこのブースターでゲインを稼いで歪ませてあげると、いつもと違った、スパイスの加わったサウンドを楽しむことができるかもしれません。

 一方でレコーディング目的としてもオーディオインターフェースの手前に入れることで原音を活かしたままパワフルにブーストさせる簡易プリアンプとしても活用することができますのでYoutube動画用の機材としてもおすすめです。
 本体機能としてはつまみにてゲインを調整できて、最大時はクランチブースターとして使うことができます。
オーディオインターフェイス内蔵のプリアンプを使うか、コンパクトペダルの単体ブースターを使うかを比較検討してみるのも楽しいですね。
基本的には、インターフェイス内蔵のプリアンプは比較的安く原音になるべく忠実にできているものだと思われます。また変な話ですが、例えば5万円で4入力のインターフェイスの入力に使われているプリアンプのクオリティーは如何程なのか想像してみてください。もちろんインターフェイスはプリアンプのみで作られていませんね。。。
内蔵の安価なプリアンプでそのプリアンプの個性が立ってしまうほど、そこでブーストするより、その手前でお気に入りのブースターやプリアンプで大好きな音を大きなエネルギーで入れてあげた方が良さそうなのは想像できますね。このブースターに限った話ではありませんが、そういう使い道もあります。
ノイズレベルも低いので、ノイズことプリアンプで大きくするよりは元から大きな音を入れることができるためS/N比の改善にもなります。
最近、インターフェイスの直前にÉPブースター等を通している人を見かけますが、ここにこのviolence booster を通すと。。。というように想像が膨らむと思います。

このブースターはゲインをゼロの位置にしても、原音よりもやや音が大きくなるため、もしボードに組み込む場合はヘッドルームの広いペダルの直前、もしくは歪みペダルの手前に置いてそのペダルのマスターボリュームにて音量をユニティに揃えてあげるのもありだと思います。もちろんこのペダルでアンプのゲインを押して歪みに変化を与えるのも選択肢だと思います。
エフェクターやアンプは入力ゲインで音色や音圧に変化が起きるが多いので、是非実験してみてください。

■後書き

ブースター。。。音大きくするだけじゃん。。。
違うんですよね。この音量を上げる過程で、どのように音色が変化していくのか。エフェクターを多く触ってきた人なら当然に分かる面白さのポイントでもあると思います。例えば普段合計400gのラーメンを3kg 食べてくださいと言われて、チャーシュー2.8kgで180gの麺,20gのスープが出てきたらどう思いますか?元のラーメンの原形が壊れてませんか?満遍なくバランスよく増量されてサービスに隠し味の調味料とか加えられていたら嬉しくないですか?そういうことです。。。はい。。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?