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ヴァイオリニストのいるロックバンドとは

バンド界の絶滅危惧種に指定されてもおかしくない、ロックバンドにヴァイオリニストという編成。そんな二組の共演が昨日、渋谷のライブハウスでありました。

何故希少か、はたまた絶滅寸前なのか、パッと思いつくだけで3つくらい心当たりがあります。

1.そもそもクラッシックな楽器のイメージがあるヴァイオリンを弾く人と、ロックバンドが出会うこと自体が難しい

どうやって仲良くなるねん的な

2.曲作りの過程において、常駐しているヴァイオリニストに、その役割を持たせることが難しい

曲の中でここ暇なんですけどみたいなこと起きがち

3.そしてそれ自体を互いに飽きず飽きさせず継続させることがもっと難しい

金井政人調べ

と言った具合でしょうか。
今も尚、アルバム製作中で睨めっこしながら向き合っている部分ですし、
それらを成立させるには、奇跡的なというか、もはや運命的なバランスが必要不可欠なのだと思います。


当時自分が高校生だった頃、YELLOW CARDというバンドに出会いました。

BIGMAMAの元ネタというとほぼ身も蓋もない話ですが、
当時のCDショップの視聴機のPOPに貼られていた、ロックバンド×ヴァイオリンの文字は刺激物のように僕の目に飛び込んできて、半信半疑のままヘッドホンを耳に装着。爆音の中に、ヴァイオリンの弦の旋律を探しながら、
しばらくその場所を占領していたような気がします迷惑ですよあなた
そして、その時、脳みそのまだ眠ったままのどこかに電撃が走っていたのだと思います。すぐにライブ映像を探して、ヴァイオリニストのショーンが曲の間奏で華麗にバク宙を決めている姿を見た時にはもうときめいてましたそこっ?

そして3年の学園祭、バンドのステージで何の曲を演奏しようかという時、
隣のクラスにどうやらヴァイオリンを弾ける奴がいるらしい、という情報をキャッチ。これはもしかしたらYELLOW CARDのコピーが出来るかも知れない。
そこまでたいして仲良く無かったにも関わらず、やると決めたらやり切るスタンス、速やかに彼を拘束し(言い方)、半ば強引な形でそのままスタジオに軟禁し(言い方に気をつけましょうね)、実際に音を出して合わせた時に、再び電撃が走ったのだと思います(2回目)。

そして、学園祭を終え、ま、結果楽しかったよね、と。
うっかりとても仲良くなってしまって、じゃあ次どうする?一緒に曲でも作ってみようか、なんて初代ヴァイオリニストが爆誕し、そのままでは終わらなかったのが、ヴァイオリニストのいるロックバンド、BIGMAMAの始まりです。
のちにYELLOW CARDのJAPAN TOURに帯同させてもらったのは良き思い出。

シンプルさの際立つ3ピースバンドや、
王道とも言える4人組のバンドを羨み、憧れる場面は多々あります。
ステージ上のスペースもそうですけど、スピーカーから出てくる音もそうです。
メンバーの数が増える、即ち音の数が増えると、
その分譲り合わなければいけない部分がどうしたってあってしまうのです。
(削り合うとも言います)

もしももう一つ、他のバンドをやるとしたら、
間違いなく今とは違う編成のものを選ぶと思います。
ただ、もしも過去にタイムスリップして、もう一度バンドをやるとしたら、
それでも僕は、今と同じ、ヴァイオリニストのいるロックバンドを選ぶような気がします。

なんだかこの編成には、とても夢があるような気がするというか、絶滅危惧種なりに、全く新しい場所に辿り着けるんじゃないか、みたいなことを、
今だに心のほぼど真ん中の部分で、信じてやまないのだと思います。

昨日のステージを終えて、そんなことを分かち合えていたら、なんて思いながら。



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褒められても、貶されても、どのみち良く伸びるタイプです。