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18 「ありがとう」という日本語

2023年12月。

20年来お付き合いしているシンガーソングライターのリピート山中さんの年忘れコンサートに参加しました。

懐かしい昭和の歌の数々を聴き、コンサートの後はお客さんもスタッフさんも一緒に持ち込みの食材やドリンクで焼肉パーティー。初めてお会いする方も多かったですが、楽しいひとときを過ごすことができました。

そこで記念品としていただいた本のタイトルが「『ありがとう』という日本語にありがとう」。

コラムニストの山本孝弘さんのエッセイ集で、心温まるエピソードが集められていて、軽く読めるものでした。

「ありがとう」という言葉は、妻にがんが見つかってから、家族みんなが意識してお互い声に出してかけ合うようにしてきた大切な言葉でした。

「ありがとう」は「有り難し」。この本では、私たちが今生きているということは「ありえないことが起こっている状態」であり、有り難きこと、奇跡なのだと書かれていました。

この本には、小学1年生の男の子がお母さんの流産をきっかけに「僕の当たり前の毎日はありがとうの毎日なんだ。お父さんとお母さんがいることも、笑うことも食べることも話すことも、そんな当たり前だと思っていたことは全部ありがとうなんだ」と綴った作文が紹介されていました。

また、「あの世へ持って行ける唯一のもの」という項では、魂の存在があるとする考え方も死後の世界などないとする考え方もあることを紹介しながら、あの世があろうがなかろうが今、徳を積むことが大切だと書かれていました。

私自身は、魂や死後の世界の存在を信じてはいませんが、「亡くなった人がいつも見守ってくれている」「自分も死んだら亡くなった人と再会できる」と考えれば、これからの生き方も前向きになれると思います。

亡くなった人は、現実には姿かたちは存在しませんが、心の持ち方次第で、いつまでも心の中に存在しています。妻は亡くなってしまいましたが、出会えたことが奇跡であり、有り難きことだったのです。そして、私は今日も生きています。私の心の中には妻がいます。だから今も心の中で「ありがとう」とつぶやいています。

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