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17 人はなぜさみしさに苦しむのか?

2023年12月。脳科学者の中野信子さんの著書『人は、なぜさみしさに苦しむのか?』を読みました。「さみしさ」とうまく付き合うためのヒントが書かれた本でした。


集団生活を前提とした人間の脳は「孤独な状態は危険である」と知らせるもので、孤独感(=さみしさ)は人間の本能であるとのことです。だから、「さみしさ」をネガティブに捉える必要はなく、うまくコントロールすれば良いと述べられています。

対処法としては、大切な人を失ってしまい心が傷ついている状態をそのまま受け入れるよう努めてみることだそうです。「マインドフルネス」。今、この瞬間の自分の心身・周りの状況に集中し、自分の思考・感情・行動などについて善悪の判断や評価をせず、ありのままを観察する方法です。

過去に一緒に過ごした時間を大切に抱えながらも、自分の置かれている今を客観的に捉え、もう一人の自分が自分の心の傷を癒すイメージを持つことで、「さみしさ」をコントロールするのだそうです。


さみしいと 感じるほどに 大切な 人との出会いに 感謝する日々


以前読んだ『喪失学』(坂口幸弘著)はタイトルどおり、「喪失」について客観的・網羅的に整理している本でしたが、『人は、なぜさみしさに苦しむのか?』は、「喪失」とどう向き合うかについてよりシンプルでわかりやすく書かれたものでした。

いずれもグリーフケアにとって「自分自身が置かれている状況を客観的に見る」ということがとても重要なことだと感じた本でした。

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