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円安進行で介入警戒感高まる中、注目されるPCE価格指数とFRBの動向

米ドル対円相場が過去最安値水準の151円台前半で推移する中、29日の東京外国為替市場では方向感に欠ける展開となった。

欧米での祝日休場や、円安進行で財務省による為替介入の警戒感から、実需の取引をこなしながらもみ合う場面が多かった。

USD/JPY 週足チャート

市場の注目は、神田真人財務官が「今の円安の動きについては強い違和感を持っている」と発言したことに集まった。

円安が151円台後半に乗せば、日本政府による為替介入の可能性があるとの見方が高まっていると言える。


一方、29日には米連邦準備理事会(FRB)が重視する個人消費支出(PCE)価格指数の発表が控えており、データの内容次第ではドル高円安が加速する可能性もある。さらに、パウエル議長の講演にも注目が集まる。

大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは「政府が電気・ガス代負担軽減措置の終了を決めたことで、これ以上の円安を許容しない姿勢を示している」と指摘。152円台に乗せば介入が実施されるとの見方を示した。

イースター休暇と重なる23年度末で、日本の金融市場は為替変動リスクに直面する。リスク回避の狭間で、円相場は上値が重い展開となることが予想される。

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