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≪スケッターレポ≫ KAIGOにはI(私・愛)が必要です

土光です。
私はスケッターサービスの運営メンバーですが、自分でもたまにユーザーとしてスケッター活動をしています。
過去のnoteはこちら。
https://note.mu/masayo63/n/na76e153069cb

本日は世田谷区にある特別養護老人ホーム 千歳敬心苑さんでお祭りの盛り上げスケッターです。
スケッターもなんと8人集まりました。みんなお祭り好きなのね。
こちらは世田谷区では老舗の特別養護老人ホームです。京王新線仙川駅より徒歩16分ほど。秋晴れの空を見ながらのんびり歩き、施設に向かいました。その施設は静かな住宅街の中にありました。

先ず通された控え室で、いきなりサツマイモの甘煮とおいもの混ぜご飯のおにぎりが準備されていました。
突然おいもが準備されているので「??」不思議に思っていると、スケッターと一緒にボランティアをする60代くらいの女性の方が説明してくれました。「これはね、ここの施設の屋上に菜園があって、そこで作ってるの」
屋上で利用者さんが『ちとファーム』という家庭菜園をしているそうです。
遠慮がちに少しいただくと、母の作ってくれる甘煮のような懐かしい味がし、そのおいしさに、勝手におかわりをする。持ち帰れるようにタッパー持ってくれば良かった・・・

定刻になり、お仕事開始です。
今日のお祭りは、千歳敬心苑さんで毎年行われている秋祭り。
その『秋祭りを盛り上げる!』というお仕事で、職員さんとおそろいのピンクの法被を着て、お祭りを盛り上げます。
私の仕事は外の道路に面した所で出店のお手伝いです。
カレーやラーメン、肉まん、フライドポテトなどがずらりと並び、それぞれのコーナーで出来たてをお客様にお出しします。
こちらは施設内の調理師さんが何時間もかけて、それぞれ数百人分の準備をされているそうです。
私はラーメンブースの前での食券切りの担当。
担当のラーメンは売り切れさせてやろうと張り切り、通りがかる方に目が合えば、全員に「ラーメンいかがですか??ラーメン。」と声をかけます。
“果たして盛り上げ役という仕事に合っているかしら・・・”笑

そうしていると、介護士さんに車いすを引かれて通りがかられた利用者さんと目が合いました。
同じく「こんにちは!ラーメンいかがですか?」と満面の笑みで声をかけると、こちらをじっと見て、口元が少し動いた気がしました。
近寄ってしゃがみ、利用者さまの口元に耳を近づけると、とっても小さな声でしたが「ごくろうさまです」と言ってくださいました。
労ってくださったことが嬉しくなり、「ありがとうございます。今日はあったかくなって良かったですね~」と言うと、うなずき、「ここにね、ずっとお世話になっているの。妹もこちらに来てるのよ。」「ずっとなんですね。みなさんお優しいから安心ですね」「うん。みなさん良い方でね」「わ~良かったですよね~」ゆっくりと、会話を交わしました。
認知症のある方なのか、私に対してだからなのか、表情はあまりありませんでしたが、笑顔のような嬉しそうな目の表情をされていました。ここにいる事を誇りに思っているように。
「もっとしゃべりたい~」と思いながらも、ラーメンブースで列が出来ていたので、しぶしぶ交通整理のお仕事に戻りました。

いつもボランティアに入ってご高齢の方とお話する時に気になる事。
「(私が見慣れない人だから)気を使ってしゃべってくださっているのではないだろうか。」数時間だけのボランティアで行くと、対峙した利用者さんの事もあまり知らないまま終わってしまう事も多く、そんな時はかえって気を遣わせてしまったのではないかと、少し申し訳ないような気持ちになります。だから、前職の時には、長期休暇の数日間をフルタイムでボランティアに入らせていただいていました。
千歳敬心苑さんの介護士さん達は、さすがプロです。本当に自然に利用者さんと大笑いされているのを見て、その信頼関係をちょっぴり羨ましく思いました。

色んな職員さんが忙しい合間をぬって、「交代で休憩どうぞ~」「喉乾くでしょ?あそこにあるドリンクはボランティアさんは飲み放題だから飲んでおいでよ!」と声をかけてくださり、お手伝いの私たちに対しても優しさが溢れていました。

そんなことをしながら、今日の任務終了です。
「イケメンリーダーさんと写真撮りたーい」という女子達の願いは叶えられず、後ろ髪を引かれまくる彼女たちと施設をあとにしました。
今回は利用者さんとお話する時間は短かったけど、逆に色んな利用者さんと言葉を交わせたお仕事でした。

“人に愛される施設(企業)って、きっと『いつも』『誰もが』あたたかい施設なんだろうな。”と改めて自分を振り返り、毎日優しくいようと前向きな反省と元気をもらった一日でした。
おいもごちそうさまでした。(^O^)

最後に、こちらは私の憧れの人の言葉

介護をローマ字表記すると「KAIGO」。
 介護の真ん中には「I」があります。
 真ん中、中心とは、いちばん大事なこと。

 I(私)
 KAIGOの真ん中にはやはり本人がいる。本人のやりたいこと、行きたいところ、逢いたい人、生き方、夢を無視した専門職主導の介護は介護じゃない。
 I(愛)
 KAIGOの真ん中にはやはり愛がある。知識、技術、エビデンスはもちろん大事だけれど、中心には愛があるべきで、優しさや思いやりといった愛をなくしてしまった介護は介護じゃない。
 I(私)もI(愛)もなくなった介護は、KAGO(籠)になります。
 本人の意思も尊厳も、愛もなくなった介護は、籠の中に閉じ込められているのと一緒。
 だから介護には、I(私・愛)が必要だと思うのです。

I(愛)のある人を目指したいです。


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