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7月11日(火) 「食中毒について考える(その2)」

今日の豊田も昨日に続いて蒸し蒸しの晴れ。
最低気温も昨日同様で25℃、最高気温もコレまた昨日同様で35℃。
いやはや、暑い。まるで、熱帯の気候ですね、こりゃ。さて、

昨日は「食中毒について考える(その1)」をお届けし、その後が少々長くなりそうだったので、本日に持ち越し。今日はその続き、夫々の食中毒の原因となる菌やらウィルス等について具体的に思い付くコト等について書いて行きたいと思います(冒頭グラフは厚生労働省の食中毒統計資料「2022年 主な病因別発生件数」をベースに、Yahooニュースに掲載されていたコチラのページから拝借しました)。

アニサキス
魚貝類、特にサカナの内臓に多く寄生している線虫で、ソレを持つサカナ等食べると、生きたアニサキス(業界では何故か「アニキ」とか言われてたりします)がそのまま人間の胃袋に入り込み、胃壁を突き破ったりして腹痛になる、と言うのが一般的な出方。食後に腹痛を起こし、七転八倒して病因に行って診て貰い、内視鏡などを入れてピンセットでムシを取ると、アラ不思議さっき迄あった腹痛がピタリと止むのだとか。自分はコレだけサカナを食べているにも拘らず、一度も中ったコトがありません。鮮度の良い魚の内臓には生きたアニサキスがおり、大抵は目視で取り除くことが出来ます。鮮度落ちすると、内臓にいたアニキが身にも入り込み、その刺身等を食べて食中毒になるコトが多いようです(そうなると、アニサキス用ブラックライト等を使わないと発見は困難)。従い、鮮度の良いサカナを適切に処理していれば、アニキによる食中毒は防げるのではないかと思います。
カンピロバクター
カンピロバクターは家畜や家禽類の常在菌である為、牛や馬、鶏などの生食により感染するコトが多いようです。鶏のササミの刺身、ユッケ、レバ刺し、馬刺し等がリスク高いようです。コレは気を付けねばなりませんね。
ノロウィルス
(最近では?)結構一般的な食中毒症状の一つだと言えそうです。
このウィルスが厄介なのは、ヒトからヒトへと直接感染し得ること、また飲食物を介してもヒトからヒトへの感染すること、ですねぇ。しかも、感染力が強いので、蔓延しちゃうトコロがこれまたコワいトコロなのであります。このウィルスは特定の食材に宿るワケではないようなので、アレを食べちゃダメ、コレはイカン、と言うコトは無いようです。が、感染予防の為には、手洗いや加熱殺菌等の基本的な衛生管理を徹底するコトが求められます。基本動作の徹底、大事ですね。
サルモネラ
主として鶏肉・卵・モツ類等からの感染が多いらしいものの、ウナギやスッポン等もあり得るし、マヨネーズやアイスクリーム等(え!?)からも感染するコトもあるらしいので、要注意。卵の生食も少々アブないらしいし、冷蔵保存、十分な加熱も重要なようです。鶏ササミの生食(所謂、鶏刺し)等はカンピロバクター感染と同様にリスクが高いようなので、コレは出さないようにせんとイカンかも知れません。
O157
日本でユッケやレバ刺しが食べられなくなったのは、2011年に富山で発生、181人の感染者を出し、うち5名死亡者・24名重症者を出した「ユッケ集団食中毒事件」のせいであり、この時にはO111が原因ではあったものの、その後の種々の食中毒事件は同じ病原性大腸菌で腸管出血性大腸菌もあるO157が主役である場合が多いんです。家畜や家禽、野生動物等の糞便から菌に汚染された食品が感染源となるケースが多いようなので、通常の食中毒予防と同様に、手洗いや食物の洗浄、冷蔵保存や加熱処理等を確りと行うコトが重要なようです。
腸炎ビブリオ
主に海産物の生食が原因とされるヤツなので、自分としては一番気を付けないとイケないヤツ。感染源としてはイカや貝類のみならず、フツーの魚でも原因となり得るらしい。常温放置が一番イケないようなので、特に夏場は放置するコトなく冷蔵を確りと行い、加熱も大事なようですね。
ボツリヌス菌
飯寿司(いずし)や熟れ(なれ)寿司等の醗酵食品からも検出されたコトがあるらしいし、キャビアや辛子蓮根、ソーセージや蜂蜜等からも出たケースもあったらしい。ボツリヌス菌自体は熱に弱いらしいので、予防するには食べる直前の加熱が肝要なんだとか。でも、熟れ寿司系やキャビアなんかは加熱なんかしちゃあダメだよなぁ…。どうすりゃエエんでしょうか?
E型肝炎
ジビエ等野生動物の生食等により感染すると言われてます。自分も狩猟・有害鳥獣駆除肉を取り扱いたいと考えているので、特にジビエの生食や加熱不十分な状態での提供等は避けなければならん、と考えています。猟師の中には、シカのユッケやレバ刺しが美味いとか言うヒトもいるし、様々なテレビドラマやバラエティ番組でそんなモノを出したり、食わせたりして人々の興味を引いたりしてるのもありますが、矢張りコワい。コレは出せんわ。
ヒスタミン
常温保管等で鮮度落ちしたマグロ・カジキ・ブリ・サバや、醗酵食品、チーズ等を食べて発症するコトが多い模様。自分は鮮度落ちしたサカナは絶対に出さないと思うので、コレは大丈夫かな。
テトロドトキシン
フグ毒、ですね。自分は国家資格である調理師免許も持ってないし、ソレを持ってないと取れないふぐ調理師の資格もないので、フグを自ら捌いて出す予定は今のトコロありません。なので、フグ毒に中って食中毒を引き起こすようなコトは無いと言えるでしょう(ただ、フグの白子は美味いし、ふぐ調理師資格持ってなくても市場で調達可能なので、安いモノあれば買ってお出しする可能性大ですが)。将来的には、フグの調理師資格も取りたいですね。その場合には、このテトロドトキシンには十分に注意を払います(当然ですが)。
貝毒
有毒プランクトンを食べた貝が引き起こすらしいのですが、コレばかりは予測不能。強いて言えるとすれば、自らやお友達が採って来た貝をお店で出すようなコトは避ける、と言うコトでしょうか。市場で売られている貝類であれば、出荷前に少なくとも貝毒に関する検査はされているハズなので、これに頼る他は無さそうです。

ジビエをチャンと出すには、低温調理は必須かなと考えています。生っぽさを残しつつ、安心安全なジビエを提供する為には、低温調理の加熱時間基準表ってのをキチンとお勉強し、ギリギリではないレベルで美味いモンを提供する必要がありそうです。ココもキチンとお勉強しなきゃ。

と言うことで、本日はこれにて。
明日は、「未利用魚・ギンアナゴ」について書いて行きたいと思います。


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