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2024年4月17日(水)「漁師料理・イカナゴのくぎ煮」

今日の東京は晴れ一時雨、のち曇り。
朝方の最低気温は15℃、日中の最高気温は25℃超。早朝に一時雨はあったものの、比較的暖かい(暑い?)日になってますね。湿度も低くて清々しいお天気。良い季節です。
今朝のニュースで、クマが指定管理鳥獣に追加されたと報じられてましたね。そもそもの棲息数がシカやイノシシほど多くはないので、どの程度捕獲が許されるのかは分かりませんが、コレで各種被害が減るようになれば良いのですが…。さて、

昨日は茨城はお洗いの銘酒「醗酵飲料(日本酒)・月の井」について書いてみましたが、本日は「漁師料理・イカナゴのくぎ煮」について書いて行きたいと思います(冒頭写真はコチラから拝借しました)。

イカナゴ
イカナゴ科イカナゴ属の細長いサカナで、北は北海道から南は九州以北迄、ほぼ日本の沿岸の砂地のドコにでも棲息している魚ですね。関西での呼び名のイカナゴが標準和名になったようですが、関東ではコウナゴ(小女子)と呼ばれたり、東北ではメロウド(稚魚はシラス)と呼ばれたりと、地方によってその呼び方は様々のようです。
オモシロいコトに、小さければ小さいホド珍重され、値も高いおサカナですね。主として、瀬戸内海の東部地域でこの稚魚である「新子」が獲れる3~4月には、この地域での郷土料理である「くぎ煮」と呼ばれる佃煮が作られ、売り出されてます(以前は新子を買って来て各家庭で作っていたようですが、今では??)。実際、昨年今頃に訪れた明石近辺では盛んにくぎ煮が売られてましたね。ニュースに拠れば、今年は記録的な不漁で、イカナゴのくぎ煮もピンチに陥っているようです(泣)。

くぎ煮。
歴史を紐解いて行くと、どうやらイカナゴの水揚げ量の多い神戸の垂水漁港や長田漁港辺りがくぎ煮(かつてはくぎ煎りと言われていた模様)の発祥の地であるようです。そもそも、イカナゴ自体は足の速い(=鮮度落ちが速い)サカナであり、冷蔵・冷凍設備が発達していない頃には大漁になっても保存する手立てがないが為に、醤油と砂糖、生姜等で煮詰めて佃煮にして保存していたのが始まりなのだろうと思われます。まぁ、漁師料理ですね。因みに「くぎ煮」の名前の由来は、煮上げたイカナゴのそのお姿が古釘のように見えるから、と言うコトのようです。

くぎ煮は同じ瀬戸内海に面しており乍ら、何故か四国側では作られていないようです。が、香川にはしょっつるいしると並んで日本三大魚醤の一つと言われるイカナゴを原料とした「いかなご醤油」があるのはオモシロいですね。
実は、自分が3.5年ホド駐在していた韓国にもイカナゴを原料とした魚醤があり(コレをカナリエクジョと言います。他にもカタクチイワシ原料はミョルチジョアミエビ原料はセウジョ…この3つは韓国の三大塩辛であり魚醤ですかね)、キムチ作りをする際には必ず入れて旨味を引き出す重要調味料になってます。また、韓国ではイカナゴの成魚(大体20㎝前後)のモノは酒のツマミとして良く食べられてますね。炙ったイカナゴを肴にソジュ(韓国焼酎)をグビリ。コレも、悪くない(笑)。

ハナシは逸れましたが、漁師料理のイカナゴのくぎ煮、今の時季のモノなのでスーパーなんかで見付けたらお試し下さりませ。

明日は「醗酵食品・莫久来」についてお届けしたいと思います。


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