【シリコンバレー発 地球を救うバイオテクノロジー】

IndieBioはシリコンバレーに拠点を置くバイオテクノロジーに特化した世界初のスタートアップ育成機関。IndieBioが選抜したスタートアップのプレゼンテーションは面白い。4月17日に実施された選抜されたスタートアップのお披露目会(Demo Day)では、「温暖化」「食糧問題」「病気、失病からの解放」など地球レベルの課題を解決するバイオテクノロジーを活用したアイディアが次々と発表された。

■IndieBioとは?

IndieBioは、「バイオテックの資金調達は高額である。」「科学者は起業家とは違う。」「バイオテックは主に治療に活用されるものである。」といったバイオ業界の常識を変えること、バイオ技術が実用化まで結びつきにくい現状を打開することに挑戦している。

4か月のスタートアップ育成プログラムを展開し、バイオテクノロジーを活用し、様々な課題を解決しようとする世界中の科学者に少額出資し、事業化を徹底的にサポートする。現在6期目の同プログラムでは、全世界から数百の応募があり、約15社の企業が採択されている。採択企業は、会社の15%の株式と引き換えに$250Kの資金の提供を受け、実験設備が整うIndieBioの施設に滞在し、バイオテックの事業化を進める。■地球の食糧危機を救うアイディア

昨日行われたプログラム6期生のアイディアから、人口が増加する中での食糧危機に対するスタートアップを紹介する。・BeeFlow

農産物が不足するという課題に対するアイディアを発表したのがBeeFlowである。アーモンドやブルーベリーなど多くの農産物は花粉の受粉により実がなる。蜂が花粉の媒介となり、雄しべと雌しべを行き来する事により、受粉、収穫に至る。BeeFlowは、蜂が行き来する効率を上げる技術を開発している。

連続起業家と蜂に関するPh.D.2名がアルゼンチンで創業。花粉の種類、成分に応じた有機分子化合物を生成し、蜂が特定の花粉を効率的に媒介するようにトレーニングを行う。これにより、受粉効率が改善し、ブルーベリーで25%、アーモンドで33%、キウイで91%の収穫量アップが見込めるという。将来的には、農作物の収穫量アップに応じて従量制課金を行う課金「Bee as a service」を目指す。・Terramino Foods

Terramino Foodsは、食肉が足りなくなるという課題に対するアイディアを発表した。

食肉不足に対しては、植物から食肉の模造品を作る「植物性食肉(Plant based meat)」と食肉の細胞を人工的に培養する「細胞培養(Cellular Agriculture)」等の解決法が主流であった。これに対して、Terramino Foodsは「植物の繊維は動物の繊維に比べ太すぎるため、食感や風味を保つのが困難である。また、細胞培養は培養に時間がかかり、製造コストも比較的高額である。」と考える。これを解決するために、植物よりも動物の繊維に比較的近い形状を持ち、植物のように低コストでの培養が可能な「菌類の繊維(Fungi Fiber)」を活用した食肉開発に取り組んでいる。具体的には、菌類のタンパク質に自然加工を加え、タンパク質に富む、コレステロールが無いサーモンを開発中である。今までに無かったアイディアでバイオテックを適用し、地球の課題に挑戦しているIndieBio6期生のプレゼンはこちらから。

https://techcrunch.com/2018/04/17/watch-indiebio-accelerators-demo-day-today-2/

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