見出し画像

奏心声音⑦

今更ながら少し紹介をしておこう
僕……ぼく
少女……娘

少女に出会ったのはかれこれ4年ほど前
色んな事情で我が家にやってきた
そして何故か今 僕と少女と二人きりの生活

少女は2年ほど前から言葉を話せなくなった
大人の事情で
不本意な事情聴取と
不本意な支配により
ある日を境に 言葉を話すことを辞めてしまった

いわゆる
【雉も鳴かずば撃たれまい】なのだ

大切な友人が二度と共に走り回れない身体になり
その現場にいた大人たちから
「子供の記憶は頼りにならない」と言われ
見たものを見ていないと終わらせ思い込まされ

まだまだ子供だと思っていた少女の心は
かなりと大人びていたのか
「お友達とまた遊べるまで。もう誰とも話さない」

その言葉を最後に
親になった僕にさえ 言葉を使わなくなってしまった
君の心は今でも闇の中なのだろうか
僕は君の信頼出来る大人になれないのだろうか

少女は多分音を聞くことは出来ている
でもどんなに大きな物音にも反応を示さない
楽しい音楽にも
寂しい夜風にも
そして季節の虫の声にも

心を閉ざしてしまった少女の意思は固い

この歪んだ世の中の音を感じることを辞めてしまった

そんな少女と生きていこうと考えた僕の
そんな少女に伝えたい気持ちを
そんな少女の見せる笑顔を
こうやって  僕は綴っている

いつか少女が笑顔でこれを読み
涙して大声で泣き叫び
笑顔で高らかな笑い声をあげる

その日まで

今更ながらの紹介を読んで下さりありがとう
これからも僕に 元気をくれる読者の方々に感謝

この記事が参加している募集

今日の振り返り

育児日記

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?