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ビートルズ解散にクラプトンの影あり?

前回の記事に続き、ビートルズの話をしようと思います。ビートルズの解散について、別の側面から、ぼくなりの推測を交えて書いてみます。いろんな意見があると思いますが、あくまでもぼくの勝手な推測なので軽〜く読み流してください。

ビートルズの解散についてはいろんなところでいろんなことが書かれています。メンバーの不和もあっただろうし、アップルに絡むビジネスの側面もあったのでしょう。知れば知るほど面白いです。なぜポールが、解散を裁判所に申し立てたのかなど、興味は尽きません。いろんな本が出ていますが、「ビートルズのビジネス戦略」(祥伝社)という本が面白かったと記憶しています。機会がありましたらどうぞ。

そんな中であまり語られることのない、ジョン・レノンの心境を探ってみたいと思います。

ご存知の通り、初期のビートルズはジョンに拠る部分が大きかったことは間違いありません。リンゴと同い年で年長者であり、妻帯者でもあり、精神的な支柱だったことでしょう。

ところが中期あたりから微妙に力関係が変わっていきます。メキメキとポールがいい曲を作るようになります。ジョンはジョンで、いい曲よりも時代を切り開くような新しい曲へ意識が向かっていったように思います。「トゥモロー・ネバー・ノウズ」や「レイン」がいい例ですね。

コンサートを辞めてレコーディングバンドになったビートルズ。シングルのA面はいつもポールの曲。「サージェント・ペパーズ」や「マジカル・ミステリー・ツアー」でのポールのでしゃばりっぷり(失礼!)。

ジョンがノらなくなるのもよくわかります。そして1968年12月、ジョンはローリング・ストーンズの「ロックンロール・サーカス」にビートルズではなく、ソロとして出演します。

バックのメンバーはギターにエリック・クラプトン、ベースに(!)キース・リチャーズ、ドラムはジミヘンのミッチ・ミッチェルです。なんともすごいメンツです。

クラプトンとは「ホワイト・アルバム」の「ホワイル・マイ・ギター〜」で参加しているとはいえ、ジョージの作品です。なぜクラプトンがジョンと一緒に出演したのかは謎です。こればかりは調べてもわかりませんでした。

ジョンとしては、ビートルズを離れて他のメンバーと演奏するなんて初めてのこと。きっと楽しかったのでしょう。映像が発売されてますのでぜひどうぞ。貫禄たっぷりのジョンに若きクラプトン、最高にカッコいいです。(そして忘れちゃいけない、ザ・フーの演奏がヤバい)

例えば、バンドを解散してソロになって成功するとか、そんな前例が少ない時代です。ビートルズに対する興味が薄れていても、ソロでやっていくことには自信なかったと思うんですよね、ジョンさん。

そして翌年、1969年9月、カナダはトロントでロックンロール・リバイバルというコンサートにジョンはまたもやソロで出演します。なぜジョンにお声がかかったのか、これも調べてみましたがよくわかりませんでした。

バックには、ベースに旧友クラウス・フォアマン、ドラムにアラン・ホワイト、そしてギターはエリック・クラプトンです。バンド名として、初めて「プラスチック・オノ・バンド」と名付けます。

大観衆を前に、開演前のジョンは相当に緊張していたそうですが、いやいや堂々とした素晴らしい演奏です。こちらも映像が発売されています。1ヶ月前に、「アビーロード」のジャケット撮影があったそうです。あのヒゲぼうぼうのジョンです。う〜ん、カッコいい。ジョンはまだ28歳なんですねぇ。

さて、ここからはぼくの推測です。「ロックンロール・サーカス」を経て「ロックンロール・リバイバル・コンサート」。ジョンは、ビートルズじゃなくてもイケるじゃないか。ソロでもやっていける。きっとそう思ったことでしょう。当時のクラプトンはギターヒーローです。クラプトンがいれば鬼に金棒です。実際、プラスチック・オノ・バンドはクラプトン、クラウス・フォアマン、アラン・ホワイトで行くつもりだったそうです。(アルバム「ジョンの魂」、「イマジン」にクラウス・フォアマン、「イマジン」にアラン・ホワイトは参加していますね) ビートルズは辞めてオレはソロで行くぞ、と心に決めたのでしょう。

ところがクラプトンはヨーコを嫌がったとかなんとか、、、このすぐ後にシングル「コールド・ターキー」を録音。ジョンとの付き合いはここまでで、自分の活動に進んでいきます。

ビートルズはゲット・バック・セッション、アビーロード・セッションが終わり、今後の活動を話し合うためミーティングを開きました。そこでジョンはビートルズを抜けると宣言したそうです。それまでレコーディングの途中でメンバーが帰っちゃうとかはあったものの、一番初めに正式に脱退を告げたのはジョンだったのですね。ただこれはメンバー、スタッフ間で機密事項として公表されることはありませんでした。そりゃそうだ。

なのにポールが裁判所にビートルズ解散を申し立てちゃったもんだから、ましてやポールのソロアルバムの発売前というタイミングもあって、ビートルズ解散を宣伝に使うなってなわけで、ジョンは怒っちゃうんですね。オレは脱退するって言ったはずだってわけですね。あ〜あ、です。

ビートルズが解散して、実はビートルズを引きずっていたのはジョンだという話があります。そうかもしれないですね。自分が引っ張ってきたという自負はあるでしょうから。実際「ジョンの魂」ではリンゴと、「イマジン」ではジョージと共演しているし。

「ロックンロール・サーカス」や「ロックンロール・リバイバル」の映像を見るたびに、ジョンの心境を考えてしまうのでした。


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