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【エッセイ】いろいろと考えてしまう人には旅がいい。

平均的な人よりも、いろいろと考えてしまう人。他の人は10個考えている程度なのに、自分は15個考えていて、他の人はそのうちの1個についてひとつかふたつかの可能性を考えているところ、自分はよっつもいつつも可能性が思いつき想像できている、そういう人は物事を決断するのにエネルギーがとても要る。

頭が良くて思慮深いところがあるってことなんだけど、そういう人って、状況の複雑さがほんとうにきちんと見えてしまっていて、だから、決断がしにくい。けっして決断力がないわけじゃない。そこを無理に決断しなくてはならなくなるから、エネルギーを大量に使う。

そういう人が「旅」をすると、それも「一人旅」をすると、選択や決断の経験を身近なところでいくつもすることになって、性格的だったり思考面だったり、まあ「これだ!」とは決めて言えないけど、なにかがこなれてくる。そうすると、個人的な生きやすさへ近づけるんだと思う。

否が応でも進まないといけなくなるのが「旅」ですもんね。選択と決断はしないといけないし、その選択への責任、決断への責任はついてまわる。旅する人が成長していって強くなっていくのって、そういう面が大きいのかもしれなくないですか。観光して見聞するのもとても好いのだけど、選択と決断の面に人生の栄養がある。

僕はとんと旅をしなくなりましたが(というか在宅介護でできなくなりました)、若い頃は一人旅をしたのを思い出します。でも、実に数少なかったのだけど。で、行先がせいぜい東京だったんだよなあ。

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