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書籍「データ×AI人材キャリア大全」紹介

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データサイエンティストのキャリアとは?

データサイエンティストに求められる技術においては様々な書籍で紹介されてきた。しかし、仕事の進め方などにおけるプロジェクトマネジメントや働き方などのキャリアについてはSNSなどで意見が出るに過ぎない。そこで本書はデータ✕AI人材(データ分析やAI開発など先進的な業務に携わる人)において、サブタイトルにもある「職種・業務別に見る必要なスキルとキャリア設計」として掘り下げているのが特徴である。

対象読者と本書の活用法

対象読者としては、データ分析やAI開発などに何らかの形で関わる方々となる。一方で本書の内容を理解することで、データサイエンティストが取り組む作業などを把握できるようになる。こうした感覚的な部分は、経験者においても各々で定義が異なっていたり、自分が知らない内容もある。社内やチーム全体における意思統一や認識の相違を無くすための共通認識として、本書を活用するのも良いだろう。

各章の解説

本書は389ページとなかなかのボリュームがある。最初からすべて読み込むのがハードルが高いと感じる人も多いので、本記事では各章の概要を解説している。気になる部分から読み込んで見るのも良いだろう。

第1部 データ✕ AI 業界の全体像

データとAIによって、どのような社会変化が起こっているかを解説している。特に今後発生するであろう変化について、詳しく網羅されている。産業における各業界や職種においては具体的な企業の事例を上げて解説されており、政府の取り組みや教育における変化もおさえている。社会人にとっては、高校の学習指導要領の「情報」において学生が先進的なITを学べる機会を享受する点に驚きもある。

第一部においてデータ✕AIに関する基礎知識を把握しながら、「一体何ができるのか」というヒントを探せる点も強調したい。混同しがちな AIとデータサイエンスの違い、機械学習における分析手法、データ基盤でのデータレイク・DWH(データウェアハウス)・データマート・データパイプラインといった混同しがちな内容もきちんと把握しておこう。

第2部 データ✕ AI プロジェクトの全体像と各職種の果たす役割

AI開発はデータ分析プロジェクトに関わったことがないと、誰がどんな作業を行うかといったプロジェクト進行についてイメージをしにくい。そこで第2部ではどんなスキルを持つメンバーがどうやって開発を進めていくかを解説している。プロジェクト全体の流れについてページ数を割いて説明されており、AI開発、機械学習におけるPoC(試作の開発)やMLOps(分析の成果をスムーズに反映させる)といった特徴にも触れている。データ分析プロジェクトにおいても個別に解説されており、施策の実行や効果検証についても説明されている。データ可視化におけるプロジェクトでは、データの準備や加工に加えてダッシュボード構築に関する解説もあり、本書を読むことでプロジェクト全体を俯瞰できるようになる。

第3部 データ✕AI 人材になるために必要なこと

これからデータサイエンティストやAIエンジニアを目指す人に向けて、ロードマップや10年後のキャリアについて解説している。これらはSNSやネット記事などで見かけるテーマだが、経験者によって体系的にまとめられる機会が少ないので、指針になるだろう。著者は自身もデータ分析業務に携わるだけでなく、データサイエンティストが集まるオンラインサロンも運営している。様々な知見が集まる立場にから解説されているのも、本書の強みと言えるだろう。これから目指す人に向けたロードマップとしては、各ステップごとに何を身につけていくかが丁寧に解説されている。しかし簡単になれる職業ではなく、学習時間の目安として理系出身者やITエンジニアであっても相応の時間はかかる。学習する時間の確保なども含めて、検討は必要だろう。

また、転職におけるポートフォリオの作成も参考になる。アピールポイントや習得した技術を説明など、職種や目的別で個別に解説している。業界や職種的にも転職が前提となるため、10年後を見据えたキャリア設計として用心するに越したことはない。特にIT業界は技術の進歩が早いのでアップデートするのも大変だ。そこで、新しいスキルや知識を学び、どのように自分の価値を見出すかという指針についても本書から学び取ってほしい。データサイエンティストにおいては、技術的なスキルアップのみならず業務知識なども必要になる。さらにプレゼンテーションなどのコミュニケーション能力も求められるので、長期的な目線で自身のキャリアをどう築いていくかを考えていこう。

本書の意義

データ分析に関する技術書は既に多く出版されているが、本書のようなキャリア視点に関する書籍はまだ少ない。著者はデータ分析業務の現場に関する知見があり、その上で仕事の進め方や勉強の指針についてまとめられた本は少ない。現役で活躍する人は自身に足りない部分を補う事ができるし、これから目指す人にはスタートと目指すゴールを俯瞰しながら準備を進められる。一方で本書と類似する内容はネット記事や動画投稿サイトにも溢れているが、品質が玉石混交な点は否めない。経験と実績という裏付けのある著者の解説という点で本書の価値があり、技術的な部分は既存の書籍で補うことも出来る。本書から自分にとって必要な部分を取捨選択しなら読み込みつつ、更にスキルアップを目指すための計画を立てていくのがベストな活用法と言えるだろう。

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